第5話 元彼のチャラ男が旦那とバトル
「コニー……相変わらずよく通る声だなー」
びっくりしすぎてめちゃくちゃに叫んでしまった。
周りの貴族たちの視線が集まった。
「ははは。コニーはやっぱり面白いな」
「あんたみたいなチャラ男を大使にするんて、ブリタニア国王はアホすぎるわ」
「こらこら。俺は仮にもブリタニアの代表だぞ??国王陛下をアホつうな!」
クラウスはチャラ男――別れた原因は、こいつが浮気したせいだ。
しかも、あたしの親友のマリアと!!
本当あり得ない……。
別れる時、全力でビンタと、水魔法でびょ濡れにしてやった。
でも、やっぱり顔はいいんだよな……
青い瞳とブロンドの髪。すらっと高い細身の身体。
常に流行のローブをしっかり着こなしている。
そんな見かけに、魔法学校時代のあたしは騙された。
あーむかつくー!!
最悪なタイミングの、再開だ。
「どうした?コニー??」
クロフォードが気づいて、こっちにやって来た。
「ううん。大丈夫。なんでもないの?」
「わたしの妻に、何かしたのか?」
クロフォードがクラウスを睨んだ。
「わたしは何もしてません。ただ、ロレンス公爵夫人にワインを勧めに来ただけです」
クラウスがワイングラスをコニーに渡した。
「そうか……」
「そんなことより、魔王討伐おめでとうございます」
「ありがとう……」
クロフォードは、まだクラウスを疑っているらしい。
「クロフォード、この方が、ブリタニア王国の大使様よ!」
険悪なムードを変えるため、あたしががんばらなくちゃ!
「そうでしたか。ご挨拶が遅れて失礼。……ところで大使、わたしの妻とはどういうご関係で??」
ド直球!!
あのバカのことだから、何を言い出すか……
あー今日来るんじゃなかった!
コニーは激しく後悔した。
「魔法学校の同級生です。ロレンス公爵夫人――コニーさんとは、生徒会で一緒だったんです」
「同級生だったんですか……」
「ええ。久しぶりにコニーさんとお会いできて嬉しいです。相変わらずとってもお元気な女性で」
おい、「とってもお元気」は余計だ。
「では、ロレンス公爵、またあとで」
「ちょっと待ってください。私のことはクロフォードと呼んでください。コニーと同じように名前でお願いします」
「?? わかりました。では、クロフォードさん。またあとで」
クラウスはお辞儀して、他の貴族と話しに行った。
はあ…よかった!
元彼ってバラしたらヤバかった。
クロフォードって、意外とヤキモチ焼きなんだもの。
「コニー、あの男と付き合っていたのか??」
「え、なんで??あんなチャラ男とあたしが??そんなわけないじゃん!」
「コニーを見る目が……なんか特別な感じがして」
「気のせい、気のせい」
「ならいいんだが」
「ロレンス公爵!!子どもたちがもっと冒険のお話を聞きたいそうですよ!」
ブレアが、クロフォードを呼んだ。
はあ……助かった。
ナイス!ブレア!流石あたしの第二のおねえさん。
あたしは中庭へ逃げた。
舞踏会が始まるまで、ここにいよう……
「やっと二人きりになれたな」
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