第43話 旧都攻略作戦開始
今回の作戦の第一段階は旧都のダンジョン近くに拠点を作ることだ。前回同様、メイを含めた主力メンバーが陸路で旧都に向かう。
「メイさんたち、地上部隊が予定位置に到着しました。これより拠点作成に入ります。」
今回も空からナビゲートを担当するニーナが状況を報告する。メイが旧都のダンジョンの近くにある、開けた位置に車を止める。車からは前回同様、テンカとスケルトンが先に降りる。そして、周辺にいる魔物をアサルトライフルで制圧していく。もしも、敵が罠をしかけているのなら、ダンジョンの中なので外にいる魔物たちは野生の魔物だろう。テンカとスケルトン10体が周辺の魔物を制圧するとクレイゴーレム5体が降りてきてテントの設営を始める。これにレイナ、ヴァンパイア、メイに名付けによって白狼から氷狼に進化した『ノイル』が地上先行部隊だ。
「地上部隊、拠点設営完了しました。」
ニーナが報告する。
「ニーナ、ソータ聞こえてる?」
続いてメイから通信が聞こえる。
「メイさん感度良好。聞こえてます。」
ニーナがメイの問いかけに答える。
「メイ、これから第二段階に入る。そっちも準備を頼む。」
俺もメイに声をかける。
「わかった。作戦を第二段階に移行する。」
作戦が第二段階に入ったのをダンジョンの外にいるエルフに伝える。
「了解しました。コンテナの輸送を開始します。」
ダンジョンの前からスタンバイしていたガーゴイルが2体でコンテナを1つ持ち運び出す。ガーゴイルはゴーレムマスターの能力でメイが最近作成できるようになった飛行型の石像の魔物である。最初にスペースを確保させたのはこのコンテナを持ったガーゴイルが安全に降りるスペースを確保するためだ。
「コンテナ一つ目、輸送を開始しました。」
エルフから報告が入ってしばらくしてコンテナが旧都に到着する。コンテナの中からはストーンゴーレムが5体とデスウルフが5匹が出てきた。デスウルフはヴァンパイアの作成するアンデッドだ。
「第一輸送部隊の到着を確認。これより、ダンジョンの攻略を開始する。」
メイからついにダンジョン攻略の開始が宣言される。スケルトンたちが周辺の警備からダンジョンの入り口部分へ集結し、代わりにストーンゴーレムが警備につく。クレイゴーレムはメイの雑用として働いている。
ついにダンジョンへの突入が始まる最初にダンジョンに入ったのはデスウルフ1匹。ヴァンパイアが〔視覚共有〕のスキルを手に入れたことで配下のアンデッドたちと視覚を共有できるようになった。それを使ってダンジョン内にトラップがないかデスウルフ1匹を先行させることで確認する。
「最初のフロアには野生の魔物が数体いるだけだわ。驚くほどの静けさね。」
視覚の共有を解いたヴァンパイアが報告するとスケルトン部隊を先頭にレイナ、ノイル、ヴァンパイアと物資輸送用のクレイゴーレム1体他のデスウルフもダンジョンに入っていく。
「第1階層の制圧完了。これから第2階層に入る。」
メイからの報告が入る。レイナによればこのダンジョンは10階層にも及ぶ広さがあるらしいので最短ルートを進んでも時間がかかる。さらに、脇道のクリアリングも考えればかなりの労力と言わざるを得ない。ゆえに大量の戦力が必要になる。
「第二輸送部隊の到着を確認。」
次のコンテナからはスケルトン10体が出てくる。スケルトンたちは迷わずダンジョンに入っていく。これで攻略部隊のスケルトン数は館攻略時と同じ20体になった。同時に俺たちのダンジョン前では第一輸送部隊として先行していたガーゴイルたちが空のコンテナを持って帰還していた。今回、コンテナ3つをガーゴイル4体を2部隊に分けて輸送する作戦をとっている。ガーゴイルはすぐに既に準備ができている3つ目のコンテナを持って飛び立つ。
結局、第2階層まで何の邪魔もなく侵入することに成功してしまった。続く第3階層。ヴァンパイアは第2階層と同じようにデスウルフを先行させ最短ルートだけ確認し残りは余っているデスウルフにクリアリングを任せようと思っていたのだが。
「ちっ、トラップよ。火炎トラップでデスウルフがやられた。ここからが本番よ。」
基本的に設置型のトラップは使い捨てなため一度発動したら後続は難なく通過できるのだがトラップが発動したということはここからは何か仕掛けられてる可能性が高い。ヴァンパイアは慎重に新たなデスウルフを先行させ、状況を確認する。
「敵よ。武装したリザードマンが3体とオークが7体。デスウルフを下がらせながらスケルトン部隊を第3階層に送り込む。デスウルフを追ってきたリザードマンたちはスケルトン部隊のアサルトライフルで蜂の巣になった。
「メイ、接敵したわ。マスターに報告をお願い。」
地上にいるメイたちにこれから戦闘が始まることを伝える。
「了解。輸送部隊が到着したから追加戦力を送る。他に必要な物はある?」
メイと増援の確認をし、今のところ物資は足りていることを伝える。
「さあ、楽しい戦闘を始めましょ。」
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