第42話 旧都攻略準備

 翌朝、俺は次の攻略目標を旧都にすることをみんなに伝えた。とはいえ、すぐに行動するわけにもいかない。ちょっかいをかけてきた者たちの拠点であった封印の館の攻略とは違い、旧都はあくまでも調査目標であり差し迫った脅威があるわけではない。あくまでも最優先は王国からの侵攻に対処することだ。まずは防衛に十分な戦力を準備してから旧都攻略の戦力も考えるという優先順位だ。

「マスター、スケルトンも自動作成できるようになったのよね?」

ヴァンパイアが確認する。自動作成はストーンゴーレムを30体作成したことで実積解除された機能でストーンゴーレムをダンジョン内で自動作成できる魔方陣が設置できるようになった。このダンジョンで次に多く生み出されているクレイゴーレムはまだ自動作成できるようになっていないので作成コストに関係無く30体同じ魔物を作成することが条件だと予想してヴァンパイアにコストの安いスケルトンを30体になるように作成してもらっていた。その結果、今日になって30体に到達し、スケルトンも作成できるようになった。これで他の魔物も30体作成すれば自動作成できることがわかった。

「ああ、だからこれからは他の魔物の作成を頼む。」

ヴァンパイアが頷く。作成できる魔物が増えればそれだけ戦力が拡大するため、メイとヴァンパイアにはまずは戦力の拡大を目指してもらう。

「ソータ、ついに弾の製造装置が完成した。1日間に合わなかった。」

次にメイが報告する。アサルトライフルは弾の消費が激しく生産が追いつかないことがネックだったがこれでその問題がほとんど解消したと言ってもいいだろう。素材はダンジョン内で取れるし。メイは封印の館の攻略前の完成を目指していたようだがこのタイミングでも十分大きい。

「メイ、よくやった。これで本格的にアサルトライフルを実戦に投入できるな。」

封印の館攻略時はマジックポーションを飲んで模倣で生み出す作業を繰り返したため、旧都で使えるかは微妙だったがこれでアサルトライフルを投入しての作戦が実行できる。

「これを応用すればエルフのスナイパーライフルの弾もすぐに作れるようになるはず。それからアサルトライフルの生産ラインも完成までもう少し。」

 他の設計も順調のようだ。

「期待してるぞ。」

メイが頷く。こうして、戦力の拡大は加速していく。



 翌日にはクレイゴーレムも自動作成可能になり、鉱山の採掘要因が増え、メイの開発もどんどん進んでいった。採掘量が増え始めてから3日でスナイパーライフルの弾の製造装置も完成し、1週間でアサルトライフルの生産ラインができた。同じ日にアイアンゴーレムも自動作成になり、ゴーレムで自動作成できないのはガーディアンゴーレムだけになった。

 ダンジョン内の魔物は200体を超え、戦力としては国と戦うにしても劣らない戦力になってきた。ここからは旧都攻略の準備に入っていく。そして、封印の館に襲撃してから10日。ついに旧都攻略が始まる。



「じゃあ、現場の指揮は任せるぞ。」

旧都の攻略はメイに任せることにした。メイは今回も輸送係として当初から旧都への遠征メンバー入りしていた。今回は連れて行く戦力も多いので明確な司令官が必要になる。他のメンバーは戦闘で前線に出る可能性もあるので後方に残るメイが現場の司令官になることになった。

「任された。」

メイが頷く。前回の作戦と違うのはレイナが旧都にいったことがあるので旧都にある神様が作ったダンジョンの内部構造がわかっていることだ。そのため、前回より詳しい作戦が建てられた。

「それじゃ行ってくる。」

他のメンバーが車に乗り込んだのを確認したメイが運転席に乗る。こうして、旧都攻略戦が始まった。

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