【番外編】守護神会議 その2

会議は続きます。


決定事項

①本来の能力が制御できるようになった事は内緒にしておく

②ご主人様は野放しにしない


「それでは、その方向で…で、みなさんはどうされます?私は、そのままご主人様の付き人をさせていただきますが…」


「あれ?それって、『④ご主人様の付き人の選定』の内容ですよね?」byマオ


「そうですけど、何か?マオさん、ご主人様の手綱をしっかりと握れますか?できるなら変わって差し上げてもよろしいのですが…」

私は、優しく微笑んでマオを見ました。

悪意は出てないはずです。


「「「「サオリとナナで意義なーし!!」」」」

「では、議題を進めます」

みなさん、素直でよろしいです。


「ちょっといい?それなら、守護神の追加も先にして欲しいんだけど…」

そう進言したのは、土神ヨウです。


そう、②の追加守護神とは、ヨウが言っているように、土属性に関する追加守護神の事です。


ヨウは、現在、土属性と樹木属性の担当をしております。

樹神様から派遣された守護神なので仕方がないのですが、言い分は理解できます。


端的に言うなら、『負担が大きい』のです。


樹木、草木は、土と密接な関係にあり、土属性であっても、草木の属性も使役できます。

反対に、草木属性であっても、土属性は使役できるのです。


ヨウがやたらと短気なのも、それに起因しています。

役割の負担からくるストレス…これは、何とかしなければいけない問題です。


ご主人様も、ヨウの短気には、あまり良い印象を持っていないからです。


「いいでしょう…しかし、今すぐ決定する事はできません」

「なんで?…あ、わかった!了解!」


クスクス…どうやら、自己完結したようです。


☆☆☆


そう、ただ今、唯一神様と主神様は、ご主人様との真っ最中。

唯一神様の目を逃れ、こうして会議ができているのも、一重に皆様が『今はそれどころではない』状況にあるからです。


でなければ、気まぐれで決められ、私達の意見は無視され、適当に配備される恐れがありのです。


しばらくは、ご主人様にご執心なされるはずなので、その間に案をまとめ、報告しなければなりません。


そもそも、私達の意見が反映されるなら、ヨウだけが負担を負う必要もなかったはずです。


「んじゃあさ、せめて、どの主神様にお願いするかだけ決めない?」byヨウ

「だね」byカナ

「まぁ、消去法で、精霊神様か、樹神様のどちらかになりますけどね」byレイナ


「まぁ、樹神様が名乗りでるでしょうが…」

by私


そうなのです。

現在、派遣されている主神様の配下は、龍神様2、獣神様1、樹神様1、精霊神様3


龍神様、獣神様に草木を操れる配下はおらず、精霊神様は、すでに私を含めて3人派遣されております。


派遣される配下の数、貢献度が、例の『ニャンニャンカウンター』に反映される事を考えると、樹神様が精霊神を説得し、配下を派遣してくる可能性は、ほぼ確実と言えるでしょう。


「では、その件は後回しにして、本題に入ります」

①それにより変更されるであろう、守護神達の身の振り方について


「みなさん、どうやってご主人様の周りに?私達は、もちろん、影に潜みますけど…クスクス」

「…っすね」

「まとわりつくて…あははは!まぁ、間違ってないけどぉ」byマオ


ここで、カエデが名乗りを上げます。

「はいはいはーい!私、虎猫になって、ベット枠になるぅー!!」

なるほど、元々、カエデの本体は雷獣。

小型化して、ペット枠になるのも手ですね。


「では、それで」

これで、私、ナナ、カエデは決定いたしました。


「やはり、あとは装備ですかね?」

「私は剣は無理ー」byマオ

「同じくー」byレイナ


理由

ご主人様の剣速についていけないから。


マオ→炎が消えて、剣の形態を維持できない

レイナ→摩擦熱で蒸発してしまう。


「私なら、剣大丈夫かな?」byカナ

なるほど…風属性なら、剣速に関係なく、対応できるでしょう。


「では、それで」

剣はあっさりと決定しました。

名前は『風斬剣』と名づけました。


あとは、レイナ、マオ、ヨウ、追加守護神

の配置を残すばかりです。


☆☆☆


「私はローブにするかなぁ?茶色なら、目立たないで防具になれる」byヨウ


「いいんじゃないですか?みなさんはいかがですか?」

「「「意義なーし!」」」


「樹神様からの守護神は、おそらく緑色なんで、深緑のバンダナあたりはどうかな?」byヨウ


「その心は?」

「いざと言うとき、連携しなきゃいけないよね?靴だの靴紐だの、衣服だのになってたら不味いと思うんだよね?」byヨウ


「なるほど…正論ですね」

追加守護神を要望する事で、ヨウにかなりの余裕が出てきたようです。


「なら、私達は、剣の柄とツバになるのはどうかな?」byレイナ、マオ

赤い柄に水色のツバ…いいかもしれませんね。


「なら、私の風斬剣に、水、炎で補助魔法が付与できて、能力アップができるね」byカナ


「では、それで」

衣服は、以前のように黒で統一、ブーツは茶色。

こんなところでしょう。


「私、思うんです」byレイナ

「なんでしょう?」

「この際、ご主人様にはカッコいい姿になっていただくために、ツナギも刺繍も無くした方がいいと思うんです。気分よく行動してもらうために…」byレイナ


ふむ。

絵面的には、ツナギに刺繍がのですが、先の戦いにおいて、刺繍を使い、神と勇者を煽って呼び寄せた事実があります。


「みなさん、どうですか?」

「レイナに一票!」byマオ

「「「以下同文!!」」」

やはり、刺繍で呼び寄せるという使い方をされたのが、みんなにとっても、予想外だったようです。


「では、そういう事で」


これで、全員の身の振り方は決まりました。


私とナナ以外は、自己申告でご主人様の装備になるという方向で話しは纏まりました。

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