第14話 俺のステータスと守護神の居る意味

さて、こっそりとイタズラ魔法を使った俺は、7つのタンコブを作って、やってまいりました!

最初に来た『歓楽街』『遊郭風』建物の屋根の上。


ただ今、夜中の1時ぐらい。

結構静かだ。

みなさん、しっぽりとヤッてるんすかね?


え?

何であり得ないぐらい強いはずなのに、タンコブが出来てるんだって?


んなもん知らねーよ!

アニメ補正ならぬ、ギャグ補正でもかかってんじゃね?


なーんて流れにはならないんだよ…これが…!


唯一神が、一瞬、俺の能力を一部変更しやがったのっ!


『意味もない魔法を使って、守護神にイタズラをするでない!』

という念話があってから、すぐの話だ!


まぁいい!

今からミッションスタートだ!


…と言っても、ここには現在、サオリしかいない。

他のメンバーは、それぞれの属性を生かして姿を変え、潜入調査中だ。


守護神の意味なくね?と、思わなくもない。

by俺


しかし、夜は闇属性サオリの独壇場、さらに皆んなの上司。

だから、サオリの指示で調査を進めている。

byサオリ


だーかーらー!俺、必要なくね?と思わなくもないが、実は、この時間を使って、またもやサオリ先生の授業が始まっているわけだ。


見た目年齢15歳の少女達に行かせて、俺はここに居て良いのだろうか…。


「まずは、ご主人様のステータス及び、この世界のマップを表示して下さい」

「へーい」

やる気無しである。


何が悲しくて、歓楽街の屋根の上で授業を受けなきゃならんのだ!

…っと、とりあえず言われた通りにせねば!


「ステータスオープン!」

このへんは、日本でもお馴染みのキーワードなので誤作動は無し。

でも、まだレベル1。


まぁ、当然である。

何もしてないんだから…こやつら(守護神達)は、サクッとレベルアップしてたけどなっ!


しかし!

ステータス画面に表示されていたのは、それだけではない。

妄想設定に入れた覚えのない『称号』と『種族』『魔法一覧』『スキル一覧』が追加されていたのだ!


ヒャッハァーー!!

出ました!

これは嬉しい!!


本来なら、タイトルはあっても、その能力がないなら『空欄』になっているはずなのだ。

そして、獲得していくうちに増えていく。

これは、異世界物のテンプレ設定だ。


「何なに…」

俺は、期待に胸を躍らせながら画面に食いついた。


☆☆☆


まずは『称号』

◎破壊神と創造神の息子

…まぁこれは諦めよう。今更だ…。

◎唯一神の夫

ガーン!すでに結婚してる事にされている!

◎やらかしの神

……。いらねーーよ!こんな称号!!


次は『種族』

神族しんぞく: 壊創神かいそうしん

破壊神と創造神の子供だからって、命名が安直すぎやしませんかね?


そして『魔法一覧』

◎カード魔法

◎言語魔法

◎レーザー魔法

◎履き物生成魔法

◎イタズラ魔法


(………)

これ、今まで俺が使った魔法が、随時追加されてるんだろうけど、なんか違う解釈で登録されてね?


心当たりはある…あるが、魔法名にすると違和感がありまくりだ。

イタズラ魔法…あれ、ただの遊び心だったんだしな!


つか、『履き物生成魔法』って何だよ!

大量のハイヒールを出してしまったアレか?


このステータス画面、俺に喧嘩売ってんのか?


この分では、創作した魔法や暴走した魔法、すべて登録されてしまいそうだ。

気をつけなきゃ…。


よし、気を取り直して『スキル一覧』だ!

◎念話

◎絶倫(神族限定)

◎守護神制御(範囲5m以内)

◎守護神の加護


神族限定ってなんだ??

意味がわからん!


守護神制御って何だ??

俺、誰一人として制御できてないと思うんだが??

みんなマイペースだし…。


これには、サオリから説明があった。

「各守護神がお側に…5m以内に居る時に限り、ご主人様の魔法の威力が制御され、自由に行使できます」

「つまり?」

「魔法暴走は起きない…と言う事です」


魔法のイメージを精密にして魔法を行使しない場合(失敗した場合)、守護神達がそれぞれの魔法を制御して、使い勝手の良い魔法に変換してくれるシステム。

だそうだ。


ファイヤーボールも、太陽みたいな巨大な物にはならない。

しかし、制御して余った魔力は、主神の元へ送られる。

だからと言って、契りやまぐわいの類である『魔力注入』は定期的に行う。

魔力制御がしっかりできたら俺の勝ち。

魔力を暴走させたら俺の負け。


おい!まてまて!

俺は魔力供給機じゃねーぞ!!

…と叫びたい!!


「えと…ちなみに、今俺が制御できる属性は?」

「闇属性だけですね…クスクス」

ですよねーー!!

だって、サオリ以外のみんなが、5m以内に居る気配ないもんな…。


「守護神の加護って何?」

「本来、配下になったら、主神様のご指示で世界各地へ赴き、加護を与えるのですが、我々7人は、ご主人様にのみ加護を与えるため、馳せ参じました」

「へ、へー」

加護を受けてる感ゼロなんだが?


俺専属なら、少しは俺の言う事を聞いてくれてもいいんじゃね?

…と言いたいところだが、やめておいた。

藪蛇になりそうだったからだ。

あ、あくまで直感な…これ。


まぁ、ステータス画面については理解した。

…事にしよう。

ツッコミどころは満載だが、このままでは授業が進まない。


☆☆☆


よし!次はマップを確認してみよう!

この世界には、前述したように12の大陸がある。

大中小の大陸10と、天界、悪魔界で12大陸だ。


天界、悪魔界については、北極が天界、南極が悪魔界、と記憶してもらえばわかりやすいだろうか。

そして、極東に位置する日本のように、極西に位置するアメリカ西海岸のように、日本の3倍はありそうな小さな大陸があり、その4大陸の中に、大中、様々な形をした大陸が8つある。


これ以上の説明は不可能だ。

あとは適当に想像してくれ!


でだ!

俺は、この大陸の天界、悪魔界、極東、極西を除いた8つの大陸は、番号で呼ぶ事にした。

1から4

その下の段に5から8


これはとりあえず…だ。

名前がわからないのだから仕方がない…よな?

いや、別にAからHでもいいんだが?


コホン

本題はそこじゃねーからな!言っとくけど!


現在地は下の段にある大陸7。

大にあたる大陸で、三分の一は悪魔界の支配下にある。


この大陸7の名は『エキサイト』

その悪魔界に支配された三分の一のど真ん中に居る…らしい。

ミッション『何とかせよ』は、つまり…。


悪魔界の支配下から救い出せ

と解釈しているのだが、それがいいか悪いかは判断が出来ない。

なんせ、洞窟から屋根まで飛ばされたのだ。

選択の余地は、俺にはない!

すまぬ!


ちなみに、その他の大陸名については、名前が表示されていないのでわからない。

全マップが表示されているのに、名前がわからないとか…はっきり言ってゴミである。


そしてサオリからは「くれぐれも、むやみやたらに『転移』は使わないで下さい」と念を押された。

認識していない場所以外への転移は、ランダムに飛ばされて『迷子』になる…らしい。


「俺は子供かっ!」とツッコミたかったが、それは敢えて口には出さなかった。


①行った場所になら転移できる。

②行った場所の魔法陣から、行った場所の魔法陣までは移動が可能。

という、RPGあるある…な展開だからだ。


確かに、始まりの村で覚えた転移魔法を使って、ラスボスエリアに転移してしまったら、即ゲームオーバーだ。

…と、日本のゲーム会社スゲー!ってなった俺。


リアル異世界でも、それはアリだ!

確かに!


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