第80話 ドクターが原神様達の世界に行った結果…。
『で?今度は何をやった?』ギロリ
原神様全員が、ドクターを睨みつける中、代表で天王神様が問い詰めます。
「そんなに睨むなよぉ…元々不老不死のみんなには関係ない話なんだからさ」
ギクリ…。
その言葉に反応したのは、原神様以外の全員。
そう。
ドクターがお酌して回った全員です。
獣人族、龍族、精霊族…それぞれの種族は、人間からしたら長寿な種族と言えるでしょう。
しかし、ドクターが個別にお酌、先程の発言、それらを総合すると、ここに集まっている全員を不老不死にした…という事になります。
「これで、俺とイノリ、原神以外の、集まってくれたみんなは、永遠にこの世界を統治できる!世代交代も無し!素晴らしい!」
「「「「「全然、素晴らしくなーい!!」」」」」
「へ?なんで?」
平然としているドクターに、みんなカンカンです。
ちなみに、各種族の平均寿命は…というと
下位種〜上位種
獣人族 500年〜5000年
龍族 500年〜10000年
精霊族 300年〜10000年
となるとの事。
つまり、ドクターの言ってる事を実行した場合、ただでさえ寿命が長いのに、世代交代をせず、ひたすらトップに君臨し続けるのは、いわば肩の荷を下ろす事ができず、永遠に現役でいなければいけないという事に等しいのです。
そりゃあ、誰だって怒りますよ!
しかし、そんな文句を受け付けるドクターではありません。
さて、では、こんな暴走気味のドクターを止められるのは…。
はい、皆さんが考えてる通り、原神様達しかいません。
『ちょっと来い!!』
『皆さん、ちょっと、邪神、死神の核を持つこいつに折檻してくるんで、歓談しておいてくださいね』
天王神様、天女神様が皆にお辞儀をし、ドクターを拘束してゾロゾロと神ゲートに入っていきました。
『あー、こうなってしまった以上、不老不死になったからと言っても、引退したい奴は、存命退位という形で世代交代、後身育成をしても構わんからな…このバカのいう事は気にしなくて良い』
そう言い残して去って行きました。
みんなの安堵のため息が印象的でした。
なんせ、今までドクターに好き勝手にされてきた人達ですからね。
はてさて、ドクターはどうなる事やら…。
☆☆☆
ドクターの連れて来られた場所は、敢えて表現するならば、宇宙そのもの。
『ここは、私達の住む世界です』
と、説明をしてくれたのは、精霊神様。
で、あるならば、ここは宇宙ではなく、どこまでも広く暗い空間という世界、まばらに見える星々は、おそらく星ではないのでしょう。
つか、ここが天界??
『いや、それは違うな…』
「げっ!もうバレた!」
「チッ!」
我々の現状を的確に指摘し、ツッコミを入れたのは、時空神様という
舌打ちしたのは、もちろんドクター。
『抜け目がないというか、やりたい放題というか…はぁ』
と、時空神様の妻(?)である次元神様がため息をつきます。
『何故、この場所とあの世界で思念が共有されておるのだ?』
『こやつは、自分のパートナーの細胞を取り込んで、細胞レベルでドクターと視界と意識を共有しておるのだ』
と、天王神様。
獣神様に、的確な返答!
まさに神の中の神!
原神の頂点に立っておられるお方!!
(って、感心している場合じゃない!)
ズズズ…。
精霊神様が、ドクターに向かって手をかざして、私の意識を引きずり出しています。
(まずい!ドクターとのコンタクトが取れなくなってしまう!)
ドクターが、これからどんな折檻をされかのかが見れないっ!(本音)
なんて事をしてる間、当の本人のドクターは…というと、何故か黙って目を閉じ、ブツブツと何やら呟いております。
(これ、絶対に反省してるわけじゃないよね?)
ポォォーン!
なんて考えてる内に、ドクターの中にあった私の意識は切り離され、別個体として空間に投げ出されました。
『正確には、ドクターの中にあったそなたの細胞をすべて除去し、身体を再構築したのじゃ』
精霊神様も大概だよなぁ…。
(これは、原神様の中では普通の事なの?)
つか…。
「えぇーー!!」
私の身体!ちっさくなってる!!
(でも、ちっとも嬉しくない…)
そう、私は、魔の森で何かが抜け落ちたように、あの時を境に、幼女への関心がなくなってしまったようなのです。
『仕方あるまい、ドクターの体には、その分しかイノリの体がなかったんだから…』
「…………。」
(まぁ、いいか…)
『ちなみに、あちらに残っていたおぬしの身体は消えてしまっているからな…すまぬな』
ちょ!
精霊神様曰く、ここは、現世とは隔絶された空間であり、ドクターとの繋がりを断ち切った時点で、私の意識はこちらに残り、あちらの身体はデク人形と化し、消滅したとの事。
そんな事は、引き剥がす前に言ってよぉーー!!
あっちのみんな、全員ビックリしてるよぉーー!!
☆☆☆
「クック…原神共よ!イノリを分離したところで、俺は何物にも縛られたりはしない!」
ドクターが、何やらドヤ顔でニタニタしております。
『その余裕…まさか!!』
『何ですの?あなた』
最高原神様である天王神様でさえ、ドクターがやっていた何かに気づくのが遅くなったようです。
当然、私を含めた、ここにいる全員が気づくはずもなく…。
「ドクター、何したんですか?」ドキドキ…。
「まぁ、見てろ…閻魔!これで繋がっただろ?」
『へい!旦那!』ヒョッコリ
え?えぇぇーー!!
「な、なんで?ここに閻魔様が出てこれるの?」
『へ?それはですねぇ…』
閻魔様曰く
地球と地獄が繋がっていたのは、ドクターの肉体ごと地獄へ落としたため
↓
結果、地獄及び、そこの施設や住人は、ドクターの遊び場となった
エセ転生神のインチキ魔法で、異世界に飛ばされてきた(?)時から、ドクターは魔法を併用し、異世界を我が物としようと企んでいた
↓
結果、ステータスの♾️は、異世界の掌握が済んだ事を意味していた
(まぁ、来て早々、大気中の魔素から、魔石を作ってたわけだし…特に驚きは…あれ?)
「ドクターのステータスの源って…」
「へ?あの世界全域の大気すべてが俺の魔力だが?」
「つ、つまり…」
「この空間も、俺の魔力で満たした…ハッハッハ!」
「な!」
『『『『『な、なんて事を…!!』』』』』
「まぁ、隠密スキルで、誰にもバレないように進めていたからな…異世界の奴らも、一部を除いて、俺のテリトリー、もちろん、ここも…つか、良く気づいたな、天王神」ニヤニヤ
ドクターが、どんどんと外道に落ちていくぅー!!
「失敬な!俺はまだ、人畜無害な民衆には、何も酷い事はしてねーだろ?つか、たまたま取り込んだとはいえ、邪神の原神とかいらねーし!まぁ、死神の原神には大変活躍してもらわなきゃいけないけどな」
とか、ドヤ顔で死神のカマから作ったメスをチラつかせるドクター。
(こ、この人はぁー!!)
「ま、それもこれも、あちこちの世界で次元牢獄や無限牢獄に封印された、魔王やら魔神やらを医学的に、体に取り込んで馴染ませた副作用のおかげなんだけどな…ハッハッハ!」
(普通は全部即死レベルの代物…)
「いいだろ?人体実験は自分の体でやってるんだし…」
まぁ、確かに…。
それはそうと、他の原神様達は…。
あ!全員が膝を崩したまま、放心状態になってる!
これ、みなさん、それぞれに何らかのプライドが砕かれてますね?
『ま、まぁ、いいじゃありませんか!問題児だった邪神が、ドクターに取り込まれたため、邪気がなくなったんですから…ね?』
と、みんなを宥める天女神様。
(へ?)
「ちょ!いらんとは言ったけど、その力を使わないわけじゃねーんだぞ?邪気がなくなったって、どういう意味だよ!!」
天女神様
『知りたいですか?』ニヤニヤ
ドクター
「くっ!」イライラ
結果
なんだか引き分けっぽい
いや、呼称がドクターになってる時点で、すでに原神様達は、ドクターに毒され始めているのでは?
プッ!
まぁ、私には関係ないし、いいっか(無責任全開)
という事で、ドクターの好き勝手編(仮)
異世界にいる配下、住民、支配神らをほったらかしにして(とりあえず)完結?
でいいの?
問題や謎が山積みのままなんですけどぉー!
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