第52話 ドクター主催の3種族会議!本議題は…?

数日後、各ダンジョンが設置し終わったのを機に、ドクターから提案…という、『強制徴集』の命令が下されました。


場所は龍族領のど真ん中、そこそこ大きな、遺跡風宮殿。


人間体を強要された龍族が、住処にするために作った建物のようです。


住んでいるのは

①金髪、銀髪の老夫婦。

見た目年齢60歳。

②黒髪、白髪の若い夫婦。

見た目年齢30歳。

③赤髪、青髪、オレンジ髪、緑髪の姉妹。

見た目年齢20歳。


2本角有り、翼有り…間違いなく、です。


④従者として、執事、メイドがゴロゴロ。


短い2本角有り、小さな翼あり。

見た目年齢20歳、見た目、悪魔っぽい。


⑤使用人として、各職種に合わせたコスチューム(笑)で、給仕に従事する者達、男女ゴロゴロ。


短い1本角あり、髪は全員茶髪で長さや髪型はバラバラ、1本角は赤、青、オレンジ、緑、紫、茶色。

服装も髪型も様々で、ツノ色も豊富でキラキラしています。


「リザードマン達の暮らしは変わってはおりません…我々が不可視の能力を使わなくなったため、森の巡回に当たっております」


と、青髪の姫様風の娘さんが話してくれました。

はい、この子は


①龍王夫婦の親

②龍王夫婦

③龍王の娘達

④ワイバーン軍団

⑤謎サラマンダー軍団


で、間違いないでしょう。


「髪色は、金髪と黄色髪の分別がつくように、銀髪と白髪が分別できるようにと、特殊薬をいただきました…私は緑で良かったです」

と、娘さん。


(ドクター、何してんだか…)


集まったのは、獣人族領から、獣王、獅子王の2人。

人間体。

ツノや翼はそのまま。


獣王はともかく、獅子王は、立て髪、マントで、龍族と見分けがつくレベル。


しかし、顔立ちは一言で言うなら、龍族が美男美女、獣人族は凛々しい、たくましい。


からの、精霊族領からは精霊女王と、その従者メイド、例の黒羽根3人組。

ドクターの犠牲者。

顔立ちは、女王様が可愛い、従者は大人しめの儚い美人。


(イケ男、イケ女の集まりかよ!)って思ってしまいます。


「いやいや…イノリが1番、絶世の美女だよ」

と、いつの間にか現れたドクターにをされてしまいました。


はいはい、お得意の『読心術』でしょう?…もう諦めてますって…。


「さぁ!座ってくれ!」

通された広いリビングに、王族貴族あるあるな、無駄に長いテーブル。


案内役はドクター。


(は?)

ここは龍族の屋敷では?


と、ドクターに言っても無駄なのは分かっています。


ぞろぞろ…。


テーブルの上座は、もちろんドクター。

両隣に黒龍と白龍。

とりあえず、はわきまえているようです。

そして、右側に精霊族、左側に獣人族。

ずーっと離れて、下座に金龍、銀龍がいます。


金龍銀龍さんは、あくまで静観の構え。

『若い者で好きにやるが良い』オーラが凄まじいです。


とても、「お二人もご参加下さい」と言える雰囲気ではありません。

流石は先代龍王夫婦…おそらく、この2人に太刀打ちできるのは、ドクターだけ。


ただ、退だけな雰囲気がプンプンします。

怒らせたらダメなやつ…これ絶対!


で、私の席は…というと、精霊女王様と精霊メイドさんに挟まれた位置。


私にとって、龍王からは遠く、女王様の隣というのが絶対領域席なのです。


長らく精霊族領に居たのもありますが、精霊女王様が、想像以上に面白く、ちっさ可愛いからです。


(あー!ずっと愛でていたい!)

というのが、私の本音。


しかし無情にも、ドクター主催の合同会議は始まってしまうのでした。


☆☆☆


「えー!みなさん!良くぞ、俺の呼びかけに応えて集まってくれた!」

強制的だよねっ!


ほら、みんな黙ってるじゃ…?


「良いのう!良いのう!こんなのは初めてじゃ!思ったよりも、楽しいではないか!!」


(あ、女王様が喜んでるならいいか…)

と、全面的に精霊族贔屓な私。


「えー!本議題に入る前に、事前確認と俺の推測、みんながやるべき事を共用したいと思う!」


はい?

では、本議題とはなんぞや??


「帝国と言っていた、現在、魔の森になっている魔族領について、みんなはどう思っていた?」


「「邪魔な存在だった」」

と、獣人族、精霊族が声を揃えて言います。


そう、魔族殲滅作戦において、人質にされていたのは、獣人族領民や精霊族領民。


更に、女王様は、魔王から禁呪まで受けて苦しんでいました。


龍族に被害がなかったのは、金龍銀龍が控えていたから。

魔族領側に金龍銀龍。

中央に黒龍白龍と娘達の中から1人。

王国側に、交代で娘が3人。


まさに、鉄壁の布陣です。


それでも魔族は、邪龍を従え、白龍を捕えられ、脅しに使っていました。


獣人族領は、魔族に対し獣王と獅子王が、神族領の牽制に軍事国家を築きあげていました。


理由は、獣人族領の始祖が、日本人だったから…。


「神族領には、転生者や転移者がゴロゴロいる」

と、獣王は語ります。


神は、自由に地球から人間を転生、転移させられる能力を持っています。


だいたいは女神様だったり、〇〇神だったりしますが…。


神族に近い能力を発揮するのが精霊族。

その為、自然豊かで、ひっそりと平和に暮らしている、精霊族領の国々は神族から守られているとの事。


魔王は、それを脅威に思い、女王様に禁呪をかけて脅していた。


実に不愉快!

まぁ、魔王は、すでにいないけど。


「我々姉妹の役目も、国家の監視という名目で、神族の侵攻を防いでまいりました」

と、赤髪娘。


「つまりだ!魔王と魔族が滅びた今、お前らにとって、神族とは?」


「「「邪魔な存在!」」」

「大正解!俺にとっても、ちょー邪魔!!」

「あははは!!」


「それはなぜ?」

「「「「胡散臭いから!!」」」」

「大正解!あははは!!」


はい!これで、だいたいの想像は出来ました!


浮遊要塞は神族対策、ダンジョンは、神族領対策。


ですね?


☆☆☆


「しかしだ!魔王を討伐したからと言って、まだ障害はある!」


ドクターが指摘した障害はこちら


①勇者の存在、チート転生転移者の存在。

対策

各種ダンジョン。


②死神結界は、神族達には効果がない。

同じ神だから。

対策

乗りこんで、信仰の元を断ち切る


「は?」

と、ここで思わず声を上げてしまった私。


それをフォローしてくれたのが獣王。


「何故、我々の始祖が地球人、日本人と伝えられているのか…それは、神族に召喚された先祖が神に抗い、現在の土地で文明を築き上げたからに他ならない!」


「良い神も居るが…という文献もある」

「神族と魔族は共闘しないが、我々にとっては同じだと心得よ…という戒めが、代々伝えられておる」

「仲の良い神も居るが、神を名乗る奴に碌な奴はいない…特に、その下位種族である天使族の横柄さには反吐が出る」

と、獅子王、女王様…そして、金龍さんが次々と、神族に対する敵意をあらわにしていきます。


「なるほど…だからの軍事国家であり、長い歳月をかけて根付いたのが、3種族領というわけだ」

「そういう事になる」

ドクターの推測に同意する獣王。


はい、後出しのネタバレが出ました!


互いに交流は無いが、それなりの親交はあったという事実!


なら、そもそも不可侵条約とかが必要なかった件。


「これで、みんなの気持ちはわかった!一致団結して、最大限の嫌がらせをしよう!!」

「お?おぅ…お?やらぬのか?我々は戦闘種族だぞ?」

獅子王さん、声が小さい…。


「あははは!!それは面白い!イタズラ好きな妖精を選び、ダンジョンに追加配置しよう!!」

ノリノリっすね…女王様!


うん、実に尊い!!

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