第49話
アサミ達は今日は終わりにしようと 19階層でキャンプの準備をしていた
アサミ達がこんなにも早く19層に着いたのは秘密がある。
11 12層と続けて下っていったアサミ達は ダンジョンモンスターの弱さに困惑していた。
歯ごたえがなさすぎる。
まぁ ここの適正ランクを大幅に超えてしまっていたPTは 進むのがめんどくさくなっていた。
アサミにはオートマッピングがある。
このスキルは行ったことのある地図を作製するスキルだ。
敵の位置情報 人の位置情報など 赤 青で光っている。
まぁ 進んだ先ならわかるスキルだ。
それをタマに付与し先に進んでもらう。
先行しているタマに階段で待っていてもらい冒険者がいないかどうかをオートマッピングで確認していく。
いないと思ったら パッシブスキル モンスターに好かれる で引き付ける。
このパッシブも強力で結構な距離まで追いかけてくるので途中で広いところで処理する
タマに経験が入らないんじゃないかと初めは遠慮していたが
同じ階層ならある程度離れていてもタマに経験値が入るらしく
タマ先行 アサミ達が追いかけてモンスターを引き連れて処理 この繰り返しをしてあっさりと19階層まで進んでいた。
それを見た冒険者がいたとしたらすげー迷惑だったろう。
トレインだからだ。トレインはギルド内で迷惑行為でやらないように通達されている。
逃げた冒険者が 他の冒険者を巻き込んで全滅もありえるからだ。
初めはダリアもソフィーも反対していたが
オートマッピングの正確さを信頼し始め
冒険者がいる所では絶対にこの方法は取らないという約束で進んでいった。
もちろん 途中の宝箱はしっかり回収していった。
まぁ アサミがタマのとこに転移するのが一番楽だったかもしれないが
それではドロップアイテムやレベル上げができないと判断して今回の事になったのだった。
今日もばあちゃんの料理でみんなニコニコ夕飯を食べていた。
「それにしてもだ」
「どしたの?」
「ダンジョンってこんなに簡単だったか?」
「常識が崩れますわね。」
「まぁ タマちゃんの強さがあるから出来る方法なんだろうけどな。」
「大変な作業でしょうに。タマちゃんごめんなさいね。」
「ん-ん- 弱い子しかいなかったからねぇー。」
「まぁ 歯ごたえなさすぎでしたわね。」
「少し前のアタシたちだったら13階層くらいでくたびれてたぞ」
「そうですわねー。」
「タマおつかれさまー。」
「この間 オークキングの報告に来ていた冒険者PTそこまで弱いPTじゃなかったはずだが
ここまで来るの時間かかったろうな」
「そーいえばさ 次がオークキングのいる階層なんでしょう?その割にはギルドに戻ってくるの早すぎない?」
「ああ それはな 5階層ごとにダンジョン入り口にある転送魔方陣に戻れるんだよ
言わなかったか?」
「言ってませんわね。」
「20階層にいるオークたちが殺気だってたんだろうな。オークキングを見て即 転送魔方陣まで逃げ込んだんだろう」
「あー だからか そんなのあるんだね。その割には転移が伝説とかわけがわからないよ」
「古代文明が開発していたみたいで 詳しい事はまだわかってませんのよ」
「この世界にはそんなものがいっぱいある。」
「そーなんだ。そーいうの探すのも勇者に認められる可能性あるかもね。」
「明日はオークキングに遭遇する予定でしょう?倒してもいいのかな?」
「うん あれも階層ボスだ。しばらくしたら発生する。」
「じゃぁ オーククイーンもボスだったんじゃないの?外でうろうろしてたみたいだけど」
「それは特殊なんですの」
「ああ 20層には ボス部屋がない 広い平野があいつらの住処なんだ。」
「特殊なのは ボス部屋から動けないって制限がないこともありますけど、両方倒さないとリセットされないんですのよ。」
「じゃぁ 今はクイーンがいないからキングだけになって暴走を始めたってこと?」
「見てみないとわからないが 怒り狂ってるってことならどれだけ20層が変わってるか今は未知だな。」
「今回の調査は まぁ オーククイーンがいなくなった為の暴走ってのはわかっていますが
その危険度の調査でもあるんですの」
「倒せるなら倒していいがまぁ お前がいるなら倒せるか・・」
「なんかいやな信頼だなぁ!」
「多分 このまま手を出さないままほっといたら 怒りが収まらないキングがどんどん繁殖をさせていずれはダンジョンから溢れてしまうと思うんですの」
「そして町に侵攻 それがスタンピードだ」
「クイーンは外の様子見で散歩してただけなのかなぁ 外のオークはダンジョンモンスターじゃなくても 上位のオークには逆らえないとか?」
「まぁ ちょっとクイーンがマヌケすぎるが それが一番わかりやすい原因なのかもしれない。」
「ようは 私たちで対処出来るかを調べることですわね。」
「でも 20層の様子をギルドは見てないのに報告だけでギルドは納得するの?」
「いちおうアタシ達はBランク冒険者の信用があるからな」
『あ アサちゃん いいこと思いついたよぉ』
「ん?なぁに ばあちゃん」
『ビデオカメラを買うんだよー』
「あー なるほどっ」
『写真だけじゃわかんないだろうからねぇ』
「おっけ 撮影はばあちゃんでいい?」
『そうだねぇ ばあちゃん戦闘に参加してもあまり意味ないからねぇ。』
「ビデオカメラってのはなんだ?」
『ん- 見た方が早いかもねぇ』
「んじゃ買うよ 高画質のやつがいいよね えーっと78000円 安いな」
『なんか金銭感覚おかしくなってきちゃうねぇ』
「ほんとほんと 前は1食 300円くらいだったのにね。」
『まぁ 無駄遣いはいけないからね!』
「ポチった」
「よし んじゃ 設定終了っと」
「なんなんですの!?」
「ソフィー なんか私がもっているのに向かって しゃべってみて自己紹介とかでいいから」
「では 私はソフィーですの Bランク冒険者をしています。 今は仲間と南の森のダンジョン19階層でご飯をたべてますの」
アサミはビデオカメラを止め チェックしていた
「見てみてーー」
『では 私はソフィーですの Bランク冒険者をしています。 今は仲間と南の森のダンジョン19階層でご飯をたべてますの』
と先ほどまでのソフィーの映像が流れていた。
「私ですわ!」
「さっきまでのソフィーがいるぞ!」
『これはね 起こった事を記録して見返せる機械 あー 魔道具かねぇ』
「これを使って20階層の様子を記録すればいいかなーって思うんだけどどうだろう?」
「これはどのくらいの時間記録できるんだ?」
『ん- 3時間以上は確実にできるはずだよ』
「それならアサミが実験とかして遊ばなければ様子見はできるな」
「アサミ 今回は遊びじゃないんですのよ 最初から全力でいくんですの!」
「あ 遊びって別に遊んでたわけじゃないよぅー」
「では 今日は早めに休んで明日に備えよう」
「うん わかった」
『アサちゃん』
「なぁに?」
『スマホじゃだめだったのかい?』
アサミはふて寝した。
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