第50話

20層への階段を前にアサミたちは作戦会議をしていた。




「まず ここから先 何が起こるかわからない 気を引き締めるように」


「そーですわね 20階層がどんな状況なのか判断する必要があります」


「んで どうするの?」


「この階層は今までとは違って空がある 疑似太陽というべきかな」


「ですわね 平野があって植物も湖などもちゃんとある外みたいなとこですの」


「まぁ 見えない天井はあるんだけどな」


「ダンジョンの謎って言われてますわ」


「そういうのが世界各地のダンジョンには 普通にある 考えても無駄だ」




「まず オークの強さが通常とどう違うかアサミ 鑑定を頼む」


「うん 通常がどのくらいの強さかわからないけど 教えてね」


「で そいつがどう違うか戦闘で戦ってみないと判断できないからな」




「おっけー よわければオークキングの影響はないってことだね」


「まぁ その場合は少しでも数を減らすことになりますわね 氾濫させてはなりませんから」


「20層には集落がある それを1個ずつ潰していくんだ」


「んで 最後はオークキングだ これは統率能力があるから その影響で回りにいるオークが連携してかなり強くなる」


「最優先なんだね。」


「数が多いといって経験値稼ぎで遊んでちゃダメですわよ!」


「わかったよ」


「おばあさまはビデオカメラで最後の集落あたりから記録をお願いします」


『あいよぅ まかせなさい』




「おー これが20階層か ちゃんと草生えてる 明るいし いいねー」


「アサミ 早速仕事だ オーク発見」


「ん- あ いた」




鑑定


名前なし 種族ダンジョンオーク 


レベル62 


HP35000 MP0 




状態:狂化




鑑定結果を見せるとダリアが強くなってると確信する




「オークキングの影響はダンジョンオーク全体にいくらしいな」


「狂化して強化してるね」


「ふざけてる場合じゃありませんわよ!」




「でも まぁ うーん なぁ?」




「ですわね」




「なになに?」






「お前の敵ではないってことだよ!」


「ああ はい」




どうやら ザコだったらしい




「タマ 聖獣砲で支援してくれる?」


「私も風魔法で対処しますわ」


「アタシも新スキルが遠距離攻撃だから倒していく いつもの20層より数が多い」




「んじゃ 私が集めるよ」




「4つくらい集落があるからそれをつぶして回ろう。」


「おっけー まぁ キングがいたら強さでわかるでしょ」


「ああ えらそうにしてるのがキングだ」


「適当だなぁ・・」




オークが強くなってる まぁ 強くなってるのはわかるのだが


相手が悪かった


アサミが飛翔で空を飛び 集団転移で見える限りのオークを集め 重力魔法で床に押さえつける


そこにソフィーが風魔法で竜巻を巻き起こしぐるぐると空高くまで吹っ飛ばし 勝手に落ちてくる


まだ息があるものをダリアの飛ぶ斬撃が斬り飛ばす。


ダリアもレベルが上がりその威力にちょっと焦ったようだ 


だって 100体くらいの体が2つに別れたのだから。


あとはタマの聖獣砲だ バラバラに逃げ始めたオークを確実に追いかけて殺していた。


うん なにこの作業。




アサミが空を飛びどんどん集落を見つける。


まぁ その繰り返しだった。


集落1個で500とかだろうか 


そこまで大きくはないようだ。




まぁ 他の冒険者には充分脅威なのだが 


このPTがおかしいだけだ




なんかひと際 立派なでかい建物があるなー と思い下に降り ダリアに報告




「ああ そこがキングの住処だ」




「雰囲気がピリピリしてますわね」




「来るぞ」




あれかー なんかひと際でかいのがいるな。周りにも大きいのが100くらいか  いるね


えーっと鑑定鑑定




名前オークス 種族ダンジョンオークキング 


レベル163


HP2596801 MP128450 






状態:狂化 巨大化 


スキル:統率 全体化 巨大化 咆哮 狂化 剣術


称号:オークの王


   愛妻家








あー・・・ なんかすみません




鑑定結果をダリア達に報告




「これは・・・ こんな強化されたオークキングは見たことがない!全力でいくぞ!」


「これは今の私ではどうなるかわかりませんわね。」


「どうしようもなかったら アサミPT転移で撤退だ」


(そうかな・・・ そこまで強いって思わないんだけど)




「んじゃぁ 私が足止めするから みんな思いっきり攻撃してー」






「コキュートス!!」




アサミの上級氷魔法がオークキングの足を凍らせるどんどん上のほうまで向かっているようだ。






「足止めおっけー!キングは動けないはずだよ!」






「聖獣砲ぜんかいー!」


タマの聖獣砲が取り巻きを巻き込んでどんどん殺していく。




どんどん 敵が減っていく中 ソフィーは魔力を練っていた。




「斬撃破!」


ダリアが遠距離攻撃で足を切り飛ばしていく 


まぁ これだけでかくなってるなら当たるものだ




(あれ どんどん減っていきますわね。これはいけるんじゃありませんの?)




やっと魔力充填がおわった!




「行きますわよ! 上級風魔法 テンペスト!」


先ほどの集落を襲った風魔法よりも強大な竜巻が部下たちを巻き込み どんどん大きくなっていく。


竜巻が収まった跡地を見て PTメンバーは






「なんか弱くない?」


「ああ・・ なんか・・・」


「思ってたよりあっさりですわね」


「よわーい」






残りはオークキングだけだった。




「本気でいくよ!」


怒り狂っていたオークキングだったが周りの部下たちがどんどん討伐されているが


そんなもん知ったことか!と 嫁がいなくなった怒りを目の前の冒険者に八つ当たりをした。




まぁ クイーンを倒したのはアサミなので 八つ当たりではないのだが。


この野郎 ぶっ殺してやる! とばかりにでかい剣を振り回し 暴れに暴れる




しかし 氷魔法コキュートスを受け 下半身が全く動かない。




ぐぬぬ!と咆哮を上げ 空気が震える 




しかし そんな時に




「インフェルノ!!」




アサミだ。


アサミの上級火魔法が巨大な炎となりオークキングを燃やしていく。


下半身は氷漬けのまま砕け散っていた。 




「ふぅ・・・さすがに疲れたな」




これで この数日のオークキング騒動が終わったのだ




「やりましたわね!」


「ああ アタシたちの勝利だ!」




ふぅ 結構な強敵だったね 




ばあちゃんも 『ちゃんと撮影しといたよ!』とサムズアップする。




ここで撮影は終了だ。






目の前には宝箱がある。




中には金貨が500枚ほど オークキングの持っていた剣の小型のが入っていた。




「ダリア この剣使う?」


「これは レアだな ありがたく使おう」


「これからはドロップや宝物の中身とかはPT共有財産にしましょう」




ダンジョンで集めたお金のことを相談する。




「今まで出たお金 どうしようか」


「それはとりあえず 100枚ずつ分配して残りをPT資金にするのはどうだ?」


「これから何かとお金かかるでしょうし」


「タマ おいしいものたべれればいいからいらないー」


「あはは まぁ タマの分は貯金かなぁ ほしいのがあったら言うんだよ?」


『ばあちゃんはいらないよぉ どーせ私は使い道がないからね。てか アサちゃんと財産共有って感じだからねぇ。』




「じゃぁ 旅の資金にするとして これからのみんなの装備 宿泊代 食費とか全部私に請求してね その時に渡しとくね」


『ばあちゃんが家計簿つけようかねぇ』




「つかれたあああああああ」


「寝たいですわ・・・」


「過去最高の激戦だった・・」








ということがありました。




ギルマスルームでは 魔力バッテリー(小 10万円)を使って 使えるようになった大型テレビをビデオカメラに繋ぎ 大画面で映し出された オークキング戦をギルド上層部で何人かで視聴していた




まぁ テレビとかカメラは説明がめんどくさいので 故郷の新発明の魔道具ってごまかした。




「やりすぎだ!!!!!!!!!!!!!!!」




ギルマスの声が 部屋中に響き渡るのだった。

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