第45話

もうその日は時間も遅いってこともあって解散して帰って寝た




翌日 ギルマスルームにソフィー ダリアと共にアサミは訪れていた。




「おぅ ちょうど呼びに行こうと思ってたところだ」


「やっぱクイーンの件?」




「分かってるじゃねぇか キングの怒りが収まらないみたいでな。調査隊を組むことになった。」


「溢れそうなのか?」


「ああ 最悪 ダンジョンからのスタンピードだ。この町もそこまで遠い距離じゃないからな」


「オークキングの兵は統率が取れていますわ。私たちが先行して様子をみにいかないとマズイと思ってましたの。」


「ああ 勇者のアサミとBランクのお前ら2人 それとタマ これが今のところの最高戦力となる。


他のAランクとBランクは依頼で違う町にいってるからなぁ」




「中途半端なDとかはおそらく死にかねん 町の防衛に配置したほうがいいな。」


「ダンジョンモンスターって外に出れないんじゃないの?」


「そうなんだが 出れないってわけじゃぁない。ダンジョン内で完全に自給自足なんてのは不可能だからな。何かがあれば出てくるだろうよ。クイーンも何か理由があって外にいたんだとは思う。」


「それの調査も仕事ですわね。」


「全滅させてもいいんだよね?」


「まぁそりゃあいいが・・お前に任せるのなんか不安なんだよな・・」




「まぁ・・たしかに・・」


「強く大丈夫とは言えませんわね・・」


「なんでさ!!」




「もうわかってるだろうが 強さだけならお前は世界最強ランクだ こないだ見せてもらったステータスなんて Sランクと言っても不思議じゃぁない。ただ この世界のことを全然知らないんだろう?」


「あー そうだね ほとんど知らないかも」


「【戦乙女】の二人はもう正式にお前の旅の仲間になったなら 二人に支えてもらって色々学べ。


そうして 経験を積め。あんまり依怙贔屓したくはないが この調査とオークキングの討伐でBランクに推薦してやる。つーか Cランクでぐだぐだやってると他のCに迷惑だ。


現在のCランクなんて お前の半分の強さもない。他のCにお前と同じ期待を受けられても困るんだよ。早いとこ昇格してくれ。」


「ひどい言われようだな。」


「まぁ 事実だからな。お前らもだぞ Aランクに上げとかないとアサミはすぐ追い越すと思え。」


「わかっていますわ この子危なっかしいですもの。仲間として友として見ててあげないと」


「ああ そうだな。この調査が終わったら旅を開始する予定だ。」


「まずは王都に行ってみればいい。勇者召喚の情報もあるかもしれないしな。」


「それなんだけどさ。隠密特化のモンスターとか召喚獣とかしらないかな?あっちこっちの国とかに潜入させて目として使いたいんだけど」




「あー どっかで聞いたな。」


「ギルマスは色んな国で活動してただろう?何か知ってないか?」




「ん- ずっと東の方に ニンジャとか呼ばれてるやつらがいた気がするな。どんな意味かはわからんがコソコソしてたのは覚えてる。」


「ニンジャ・・・」


『アサちゃん・・・』




「なんか知っているのか?」


「ん- 現役かはわからないけど 私の世界にもいたなぁーって」


「どんな連中なんですの?」


「ん- 不思議な術を使って戦闘したり 忍びこんで情報を集めたり 分身したり?影のような存在だってのは聞いたことある 現実にいるかはわからないけどね」


「創作物ですの?」


「ん- どろんって煙の中に消えたり 属性の術をつかったりしたり?」


「それ普通じゃないか?」




「あれーw そういえば普通にできるわ・・ こっちの世界でスキルが発生したら架空でもなんでもない存在になっちゃうね。」


「まぁ 諜報系のエキスパートって感じだったよ。日本じゃ 2、300年前は大活躍って話だったね」




「何かの事故で迷い込んできた一族の子孫か何かかもしれませんわね。」


「お話の中じゃ でかいカエルに乗ってたり 犬をニンジャに育成してたりしたみたいだね。」


「その犬 使えそうじゃないか?」


「ニンジャ 忍ぶ者とかいて 忍者なんだけど 育成された犬は忍犬と呼ばれたね」


「アサミのテイムスキルを使えば仲間になりそうですわね。」


「一応調べてみるといい 仲間探しも必要なんだろう?」


「そーだねぇー 聖女とか仲間になんないかなー なーんてね!」




『アサちゃん それフラグっていうんだよ』


お知らせ:アサミ様ならありそうですね。気を付けておきましょう。


(二人の疑いがつらい!)




「聖女が戦闘力を持ってるかは知らないが支援 回復の力は持ってるだろうな。」


「そうですわね。優秀なヒーラーから選出される穢れのない乙女ってのは聞いたことあります。」




「勇者に聖女とか伝説の物語みたいだな。まぁ 引退した元聖女なんてのはいるかもな。」




「ああ そうだ ギルマス 私のスキルにお手紙お届けってのがついたんだけどさぁ」




「ん?まぁ名前のとおりなんだろうが どうした?」




「使ってみるね」


お知らせ: お手紙お届けは 10kgまでの荷物を対象に転移で送る事ができます。まぁダンボールなんですけど。ダンボールに宛名を書いてください。その中には 返信用の小箱も入っています。それでアサミ様にお返事を返すこともできます。


(うん 便利だね これでこの国にいない間でも ギルマスと情報交換できそうだ。)




んじゃー 


【異世界買い物】発動 




「えーっと カップラーメン1箱 あとはビール1箱っと」




お手紙お届けを発動すると ダンボールが出現した。


「このダンボールに えーっとギルマスの名前 ジェイクだっけ」


「ああ そうだが何してるんだ。」


「フリーダム ザフト支部ギルドマスター ジェイクっと ダンボールにビールとラーメン入れて 


っと」




「んじゃ お手紙お届け使うねー」




そうすると ギルマスの机にダンボールが出現する。




「うぉ なんだ!」




「さっき入れてた箱がそのまま俺にとこに来るのか?」




「うん 箱の中にお返事用の小さい箱が入ってるからそれにアサミって書いて必要な物を送れば私に届くみたいだね。」


「このかっぷらーめんはわかるが この鉄の筒のやつは?」


「あー こっちだとビールないの?お酒だよ」


「ギルマス疲れてるみたいだから これは私からのプレゼントだよ」


「おお なんか悪いな まぁ疲れの原因はお前だけどな」


「ほぅ酒か まぁ仕事中だが1本くらいならいいか。開け方教えてくれ」




缶ビールの開け方を教えると 『やったぜ!』とばかりにゴクゴクと飲み始める。


「こりゃぁうまい シュワシュワしてのど越しもいい。いくらくらいなんだ?」


「銅貨2」


「またかよ!なんでそんなに安いんだよ!」


「知らない・・・」




「カップラーメンは1箱銅12枚 ビールは1箱銅48枚」




「アサミ フルーツのお酒はありませんの?」


「ああ アタシもほしい」




んじゃー あ これいいなさすがに1箱は出しすぎか。色んな種類を出してみよう。


オレンジ メロン レモン コーラハイ カルピスソーダハイ マスカット 


「うん 出してみたから 味見してみてー。」


「お 俺も飲みたいな」


っと ギルマスがコップを人数分用意 おい お前仕事中だろ!まぁいいか!


「はぁ・・ おいしいですわね。」


「ああ フルーティでうまいな」


「これが異世界の酒か。弱いが俺にはちょうどいいな いっぱい飲めるし」


私も飲もうかな チューハイひさしぶりだし。


『アサちゃん子供が飲んじゃだめだよ!』


(え 私 成人したよ?21だもん!)


『あ そうだったね。そういうことならばあちゃんなんもいわないよぉ』


「かぁー うまいね!やっぱチューハイはいい。」




異世界買い物でスルメやビーフジャーキー 枝豆 ポテトチップス 唐揚げなどのおつまみを呼び出し


ただの居酒屋になっていた。




「これが旅の間 いつでも飲めるんですのね」


「というか アサミがいれば野宿しても余裕じゃないのか?食料持ち込まなくてもいいだろう」


「あー そのことなんだけど はぐれたらどーしよーもないから軽い腹ごしらえできるのも準備したほうがいいね」


「お前らの旅楽しそうだな!ギルマスなんて役職なきゃついていくとこだぞ!」




「まぁまぁ 必要なものあればお手紙お届けで送っておくから 返信用の箱に注文とお金入れといてね。私のとこにすぐ届くから」




「まったく 便利なスキルだ しかも安いときたもんだ」




「まぁ 初めは 私のスキルで稼ごうと思ってたからねぇ。ビールとか売れそう?」


「この味なら 銀1でも買うやつはいるだろうな。」


「異国の行商人とかいいながら売って回る旅もおもしろそうですわね。」


「まぁ ギルマスには原価でいいよ。お世話になってるし」


「ちょくちょく頼むがいいか?あとつまみとかのリストも後で頼むわ。」


「ほいほいー」


「ギルマス ちゃんと仕事もするんですわよ!」


「飲みすぎで仕事こないとか言われても知らんぞ!」




追加で色々頼むうちに時間はもう夕方になっていた。


途中でジェシカが報告にきていたが呆れていた。




まぁ その後 仕事上がりに ジェシカを加えみんなで2次会したのは言うまでもない。




「飲み会たーのしーーーー」




アサミが宿についたのは午前0時を回ったあとだった。




明日は冒険の準備しよっと

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