第20話

ソフィーもダリアも目の前の事が『ウソでしょ!』って顔で何回も瞬きしていた。


いくらBランクの自分達より弱くても相手はCランクだ。


何も出来ないまま終わるなんてありえないだろう。


と アサミの心配をしながらハラハラして試合をみていた。


だが結果はアベルの攻撃が一切謎の力の前に何回もはじき返され アサミには届かず


タマちゃんの水魔法はけん制のつもりで撃ったのだろうがそのままアベルが吹っ飛んだ。


結果 アサミの魔法らしき 足元からの黒い影がアベルの足元を覆い


動けなくなったとこを微弱ではあるが タマちゃんの雷魔法が直撃してアベルの降参だ。


完封と言ってもいい結果だった。


「あの子 何かあると思ってましたけど まだ隠してましたわね。」


「ああ だが 詮索はご法度だ アサミの友達でありたいならしつこく聞くなよ!」


「わかってますわよ!失礼な!でも 転移を使わずにあそこまでの戦闘できるとは」


「ああ アサミはまだまだ強くなるぞ!切り札を使ってすらいないんだからな!」


「ええ それにタマちゃん 雷魔法なんて私でも使えませんわ!レアモンスターらしいですけど


まだまだ謎がありそうですわ。」


「ああ タマちゃん 強い アサミとコンビを組んだらどれだけの戦闘パターンを作れるだろうか。それに」


「「かわいい!」」


これからのアサミの活躍が楽しみな二人だった。








一方試合の方はというと


「では いくよ!フッ 隙だらけだよ!」


エドガーさんがなんか 棒立ちになってる??あれ これ隙だらけなんじゃないの?




「万物を燃やす業火よ 我にその燃え盛る力を与えたまえっ!【ファイヤーランス】x5」




なんかかっこだけの人なのかなって思ってたら 魔法のレベルは高いようだ。




会場の方からも 


「おいおい 殺す気かあ!?」


「やりすぎだ!エドガー やめろー!」


「新人相手に中級魔法なんて!」


「キャアアアアア」


「あの嬢ちゃんもここまでか・・・」


悲鳴が会場内に響き渡った。




「すごい魔法だ だけど 隙だらけだよっ!」


『おねえちゃんどうするの?』


「タマ あの火を相殺するのっ!できる?」


心得たとばかりにエドガーの火に対する水の魔法を編んでいく その数10


きゅっきゅー とタマの魔法がエドガーの火とぶつかり合い 互いの魔法が消滅した。




「なんと キミのペットはすごく優秀のようだ。だが キミはそれほど魔法に慣れていないようだね キミはいつでも倒せる まずはペット君 キミからだ!」


エドガーは集中をはじめ 先ほどとは違う速さで詠唱を開始した。


ようするに最初は魅せ詠唱。舐めプだったらしい。 




「万物を燃やす業火よ 我にその燃え盛る力を与えたまえっ!【ファイヤーランス】x10」


今度こそ獲った!エドガーはかわいい少女の前にして大人気なかったなとっ深く反省した。


「タマ 相殺 あっ 間に合わないかっ!タマ タマー!」


爆発の後地では 煙を上げながら会場にクレーターが出来上がっていた。


アサミはタマが死んだと思い込んで 涙で軽く目が濡れていた。


「うぅうぅ・・・タマ・・・」








「きゅ?」


と 何ともないよといいそうな顔でタマがこっちを向いてドヤ顔してるように見えた。


『お姉ちゃん 中級魔法無効化なの!へっちゃらなの!』


(はっ!そうだった!心配で焦ってたよ!)


『アサちゃん タマのスキル把握あとでお勉強だよ!ばあちゃんはわかってたもの 私の魔法無効はアサちゃんだけだけど タマも同じの持っているの忘れていたんじゃないかい?』


(うぅ・・ そうでした・・・ すっかり忘れてたよ)




「なっ ペット君 なぜ無傷なんだぃ!??!」


と エドガーは驚愕を隠せない。


(なんて言ってごまかそうかな・・・あ そうだ)


「えっと テイマースキル 主人の祝福です 従魔の危機で自動発動みたいです。


私も初めて使ったので知りませんでした。今ステータス見た。」


「なんとっ・・・厄介な テイマーとはこんなに戦いづらかったのか!」


(そんなスキル あるか知らないけど なんとか誤魔化せた)


「では キミからだ!主人のキミを狙い撃ちするようで申し訳ないが 勝たせてもらうよっ!」






きゅっきゅーーーー




なんと タマはアサミとエドガーの会話の間に 氷魔法でエドガーの周辺一帯に吹雪を生み出していた。




「ダイヤモンドダストだとっ なんて規格外なペットだっ」


アサミはそれがチャンスと思い エドガーの死角に入り練習用の短剣をエドガーの首筋に転移させた。観客からは雪の中に短剣を投げたように見えるだけだったろう。


雪の中から エドガーの悲鳴が聞こえ タマに雪をやめさせる。




「参ったっ まさかこの状態で短剣が首に当たるなんて思わなかったよ 美しき連携プレイだね


賞賛に値するよ フッ」


と 最後までうっとおしぃエドガーであった。


「そこまでっ」


と ジェシカの終了の合図がなり 第2試合も幕を終えた。




「おいおい。こいつは本物だぞっ!」


「新人がCランク2人に勝っちまうなんて!」


「エドガー様ーーー」


「アサミちゃんかわいいっ タマちゃんかわいいっ!最高っ」


「絶対あの子は私のパーティーに勧誘してみせる!」


「じゃぁ 飛び級のCランク誕生か?新人なんだろ?」


「二人の試合 うん 美しいね」




「えーっ お静かに」


っと 会場にギルド職員が入ってきた 観客席で見ていたギルマスもジェシカに近づく。


「結果発表だ。」


と さっきの職員が持ってきた紙を見て『マジかよっ』みたいな顔をする。


ジェシカに代わりギルマスが試験結果を発表のようだ。


「えーっとだな 筆記試験 満点 戦闘試験 合格 これは試験官も納得で推薦しても大丈夫とのことだ。まぁ ここまでやる新人は久しぶりだ。」


「「「「「オオオオオオオオオっ」」」」」


「実力的にはCランクだ。だが アサミには実績がない。いくら強くても信用がまだない。」


「えーっと?」


「そこで 暫定Cランクだ Dランク依頼のモンスター討伐を5件 町の雑用を2件 盗賊 犯罪者の捕獲を1件これを達成したらCランクだ!ペット代もあるんだ!稼げよ!」




それを聞いたソフィーとダリアはちょっと待ったをかけた。




「ギルマス ちょっといいだろうか?」


「私たちはアサミをCランクに推薦しますわ。」


「ああ アサミとは同じ宿なんだ ギルドに来る途中 痴漢を働く変態を捕まえたのだが


ほとんどアサミがやってしまった。警備隊に引き渡してある。これを捕獲1件にしてくれるか?」


「ええ 私も一緒にいましたわ。」




そこでジェシカもゆっくりと手を挙げる。


「なんだ ジェシカも?言いたいことあるのか?」


「痴漢にあったの私なんですっ 私もダリアさんの意見に賛成です」




「なんだと ジェシカさんに痴漢だとっ!」


「俺らのアイドルになんてことしやがる!」


「殺せ!殺せ!」


ジェシカは冒険者に大人気のようである。




「わかった Bランクのお前らと被害者本人が言ってるんだ。


これで1件を認める。アサミ がんばれよ!」


「はぁーい」




まだ 冒険者Cではないが短期間ですぐ昇格できると知り 


「目立ちたくないんだけどなぁー。」



「お前わざとだろ?」ギルマスが突っ込む。


「えー?なんかやっちゃいましたぁ?」




周りの冒険者は イラっとするのだった。


新人Dランク冒険者アサミ 誕生である。


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