第8話

お風呂から上がったアサミは部屋でトキと話していた。


「やっぱこの世界は美容関係が少ないのかも?マニュキアとか美肌アイテムの化粧品なんか貴族様に売れそうじゃない?あとはデザートとかもいいかもね。


あ フリッツさんマヨネーズ知らないって言ってた!やっぱマヨネーズ強いな。」




『そうだねぇ あたしらはスキルで取寄せすれば使えるけど毎回買っていればすぐお金なくなっちゃうよ アサちゃん ご利用は計画的にだよぅ。でも 調味料はばあちゃん作れるからね。マヨネーズに手を加えて からしとか入れてみるのもいいかねぇ。なろー系は頼りになるねぇ。』




今後の計画を立てているうちに ドアからコンコンっと音がする。




「アサミお姉ちゃん 起きてるー?朝ご飯の時間だけどどうするー?」


とミミが声を掛けてくれたので一緒に1階へ降りるといい匂いがしてきた




「さぁ 座って待っててね。今日はいっぱい食べてねー。」


と パンと卵焼きにベーコンの入ったプレートとスープ サラダの朝メニューを持ってニコニコしていた。


「はぅー かわいいよぅ。妹にほしいぃぃ。」


「あはは もうお姉ちゃんいっぱいいるもんっ」


と はにかんで奥に入っていく。


『アサちゃんもウサ耳好きなんだねぇ。エルフ狙いだと思ってたよ。』


「あのぴょこぴょこ うっさうっさしてる耳がかわいいっ」


『おっと アサちゃん ミミ嬢ちゃんが手を振ってるよ』




あちらを見るといい笑顔で小ぶりに手を振るミミの姿が。


アサミもだらしない顔で手を振る この宿最高と言いたげだ。




「それではいただきまーすっ!」


モグモグ




モグモグ




『アサちゃん どうだい?おいしいかい?』


(素材はおいしいけど 味うっすぃ。パンもパサパサしてるなぁ。)


とちょっと口に出せないので念話で報告




『やっぱり食文化は進んでないようだねぇ。過去に日本人とかこなかったのかしら』


(来てたかもしれないけど 異世界転生の知識とかない人が来てたのかもねぇ)


『よし ばあちゃん決めたよ!この世界を進める!アサちゃんに喜んでもらうんだ』


(おばあちゃんやる気まんまんじゃん!まずはこの世界の事を知らないとだね。調査ちゃんとしよう


被ってたら被害出そうだから慎重に)




と孫祖母のなろーコンビは着々と計画を進めるのだった。




「お客さん 昨日は会えなかったね。 ミミの母のミーナといいます。


よろしくね。」


と20代前半に見えるほわほわっとしてそうな顔の美人さんが笑顔で挨拶してくれた。


「初めまして 旅をしているアサミといいます いい雰囲気の宿ですね。とても気に入りました。」




その返事にミーナさんは嬉しそうにしていた




(ばあちゃん この顔で5人の子持ちってすごくない?ピチピチだよ?)


『これが若さか・・・』


(ばあちゃん それ違う!ウサ耳族やっばいね)




「ミーナさん だいぶお若いですけど初めミミちゃんのお姉さんかと思いました。


何か若さの秘訣とかあるんですか?」




「あらあらうふふ ありがとう。獣人はね狩りとかで活動するのが期間が長いの。 60過ぎたらゆっくりと老いていく種族なんですよ 私ももう40だしねぇ。若さの秘訣は笑うことかしら?笑顔で仕事をするとみんなが気持ちよく返してくれる それがうれしくてがんばっちゃうのかもねぇ。」


(ああ この人は素敵な人だね。)


『ああ アサちゃんにもこんな人になってほしいね。』




理想の女性のようなミーナに出会えたことにうれしくなってアサミも朝からいい気分だ。




「料理の方はどうかしら?お口に合ったらいいのだけど」


(ばあちゃん どうする?マヨネーズ布教はじめる?)


『よし アサちゃん 作戦開始だよ!』




と なろーコンビはやる気まんまんで挑むのだった。

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