第45話 お家と言えば横穴式住居だよな!

 てことで新入植地に決まった姫騎士様のご領地である。

 いや、唐突だな!?


 だって翌日の出発からここに到着までとくにイベントらしいこともなく・・・もちろん何も無く無事到着するのが一番なんだけどさ。

 景色とかはむっちゃ変化あったんだけどね?

 領都からそこまで離れてないのにしだいに民家がなくなり、景色が荒野っぽくなっていき、最終的にはちょっと規模の小さいグランドキャニオンみたいになっちゃったもん。

 鉱物が大量に採れそうだね!って言うてる場合か。


「うん、普通の人間なら好き好んでこんなところに絶対に住まねぇわ」

「ならあなたはやはり変わり者ってことですよねぇ」

「まぁあれだ、あのとんがってる岩山部分を全部削って土地を平らにして川の流れを整えて・・・いや、俺の耕す農地には水源は必要ないんだった」

「それは何十年、何百年かかるのだ?そして農地に水がいらないはずがなかろう」

「その男一人では何千年かけても無理かと思いますが」


 てかここまで来たのは俺とリアちゃんだけじゃないんだ。

 姫騎士様と女騎士様と言う名のゴr・・・ご令嬢も二人いるんだ。

 荷物の運搬とか俺とリアちゃんの運搬とかしてもらったから文句は言えないんだけどさ。この二人ならイノシシ程度だったら殴り殺せそうだし。


 荒れ地とは言っても砂漠系の荒れ地ではなく植物も生えてるし、やっは○ー・・・ではなくてバッファローっぽい牛さんも居るとのことなのでマップリロード不可能の中での根拠地候補としては上出来ではないだろうか?

 あとバッファローもいいけどやっ○ろーな感じの巨乳女子○生もいれば嬉しいところである。お母さんも一緒ならなおヨシ!


「とりあえず木材を集めてお家を建てるまでのしばらくの間はテントぐらしになりますのでその候補地探しから始めましょう。てか本当にお二人もこちらに滞在するのですか?」

「ああ、私の領地がどのような発展をしてゆくのかこの目で見ておきたいからな!」

「この人数でこの状況で目にすることになるのは発展ではなく滅亡だと思いますが」

「早急にシチュウが食べられるようにしてもらいたいです!最悪トウモコロシを!」


 やたらと悲観的なナターリエ嬢とやたらと楽観的なリアちゃんの温度差が凄い。

 足して二で割ってもらいたいものである。

 そしてテントの設営。

 と言ってもモンゴルのパオみたいな立派なモノではなく縄をわたしてそこに丈夫な布を被せただけのダイ○ーで売ってるお一人様テントレベルのモノなんだけどさ。

 ギリギリ屋根があるって言い張れる程度の状態だな。


「ここまでの旅の最中にも薄々感じてたんですけどさすがにこれ、無防備すぎじゃないですかね?結構な野生動物がいるんですよねこのあたりって?」

「そうだな、こんなところまで足を伸ばしてまで狩りに来る物好きもそうそういないからな。大牛、大鹿、大狼」

「なんで名前に全部『大』が付いてんだよ・・・駄目じゃん!朝目が冷めたら狼に喰われてましたとか洒落にならないじゃん!次点で牛にふまれてるかもしれないし!」

「むしろかじられてるならその時点で起きると思うのだが・・・」


 とくに体が丈夫になってるわけでもない俺とリアちゃんにとっては致命傷になりかねないのでテントはやめることにする。

『いや、止めるっていっても他に方法なんてないよね?』あるんだなこれが!

 だってまわりには岩山が大量にあるんだもん。

 そう、これまで穴掘り以外にはまったく目立っていなかった『採掘』スキルが輝く時がきたのだ!


「てことでちゃちゃっと寝られるだけの空間を掘ってしまいますね?」

「日暮れ前の今から横穴を掘るのか!?」


 システム画面&マップ呼び出しから付近の地形を確認。

 表示されてるのはもちろん俺が目で確認できてる部分だけなんだけどね?

 これからは暇があったら近辺の徘徊にいそしまなくてはならないな。

 もちろん今は『地形、地理の確認』をしたかったわけじゃなく少し向こうの岩山に『5m四方の空間を掘りたい』だけなので問題はない。

 ほら、マップから範囲指定して、そこからオートで作業をしたら(作業が終わってからは筋肉痛や肉体疲労で死にそうになるけど)疲れないし作業も早いし?そう、オート作業は最強なのだ!



「ふぅ・・・作業完了!」

「いやいやいや!おかしいおかしい!!そこの岩盤、かなり固そうだったよな!?それがどうしてそんな鍬一本で小一時間くらいでこんなちゃんとした空間、それも何かで測ったような真四角の空間が出来上がっているんだ!?」

「鍬で掘り返してるだけなのに土砂ではなく石材が出来ていることも意味がわからないです」

「ベッドがないとからだが冷えそうですねぇ」

「お前はどうしていつもそんな淡白な反応なのだ!?」


 測ったようなじゃなくて(マップ画面で)ちゃんと測って(グリッドにそって作業して)るんだからそんなものなのである。

 そしてリアちゃんも昔、畑で作業をしてたときはいろいろと驚いてくれてたんだけどね?慣れとは恐ろしいものである。あとちょっと反応が寂しい。


―・―・―・―・―


多大に更新が遅くなり申し訳ありません・・・

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