一章 そして始まる新生活(農作業&農作業)
第20話 小姑少女
と、突然そこそこ長い回想が入ったけど現在ここは森の中。
いや、どこに居てもだいたい森の中だったから何の説明にもなってないんだけどさ。
昨晩から世話になってる薬師の少女、リアちゃんと一緒に薬草と山菜採りに来てるんだけど
「……信じられません、本当にちゃんと使えるモノだけが籠の中に入ってました」
「だからそこは信じようよ。もうひと籠分も集め終わってるんだけどこれからどうする?」
「もちろんそっちの籠も今から確認しますけど?」
「貨物船の抜き取り検査程度のチェックで十分だと思うんだけどな?」
俺の信用が無さすぎて辛い。
ちなみに俺が薬効のある草や食べられる草の見分けが付くのは日本で居た時の知識……などではなく、覚醒した力、『農業』スキルが『4』あるおかげである。
ちなみに採集方法は
・まず詳細マップを開きます。
・マップ画面にデフォルメされた薬草や山菜などが表示されるので採集物全てチェック(指で画面を押す、範囲指定する、画面内全指定する)します。
・『俺はこれから採集作業をするぞ!』と気持ちを切り替えます。
・後は意識して動きを止めるまで体が勝手に動いてくれます。
うん、学校にいる間は一切使ってなかったけど『スターワールド』のシステム、どうなってんだこれ。
オートモードで体が動くとか凄まじく気持ち悪いんだけど?でもそのぶん作業効率が無茶苦茶良かった。
てかさ、森と言うか樹海の中で大蛇の首を斬り落とした時も思ったんだけど……スキルレベル『5』までは見習いのハズなのにやたらと有能過ぎない?
もちろん何の問題もないから気にしないんだけどさ。あれだけ動き回ったわりに体の疲れもそれほどないしさ。
てかリアちゃん、本当にふた籠目も中身のチェックしてるんだけど……俺はすることもないのでこの近隣の地形チェックでもしておくか。
マップの未踏破部分、黒くなってる部分が少しずつ明るみになっていく何とも言えない充実感、みんなも分かるはず!
しばらく高台や見晴らしのいい場所を探しながらあっちウロウロ、こっちウロウロと徘徊していたらしばらくしてリアちゃんから「帰りますよー」とお声がかかる。
とりあえず置いて帰るつもりでは無かったようなので一安心だな!
思ってたけど少しは役に立ちそうだから試用期間が伸びただけではないと信じたい。
「普通ならここに到着してから半日はかかる作業が二時間ほどで終わっちゃいました」
「そのうち半分の時間はリアちゃんが小姑の様に籠をひっくり返して俺の粗探しをしてたんだけどね?まぁいいんだけどさ。早く帰ってお昼ごはんにしよう!」
「適当な感じで走り回って籠にポイポイ投げ込んでただけの人を信用する人間は居ないと思うんですけどねぇ?そしてなんですかそのお昼ごはんというのは?貴族様の遊びですか?」
「えっ?お昼……ごはん出ないの?」
「ご飯は出ませんがあなたがわたしの家を出る事は可能ですよ?」
「贅沢言いました勘弁してください帰ったら足裏マッサージをさせていただきますので追い出さないでください」
「あなたってやたらとわたしの足に触れたがりますよね……」
いや、別に脚フェチとかじゃないからね?不審人物、むしろ変質者を見る目をこちらに向けるのは勘弁してください。
俺は無実だ!だって脚フェチではなく尻フェチなのだからっ!でも全ての尻は脚に繋がってるんだよ?膝裏とか見た目がエッチだよね?俺の中では腋の下と膝裏は『名誉準粘膜』だし。ちょっと湿ってたりしたら尚良し。
普通にちょっとした変態だった。
「旅行もいいけどやっぱりお家が一番落ち着くよね」
「少なくともあなたにとっては他所様の家なんですけどね?」
愛しの我が家に到着後は晩ごはんまでダラダラと休憩!……などと言うことはなく、採集したきた草の仕分け作業が始まる。採集作業は籠に放り込むだけで良かったけどコレ、むっちゃ面倒くさい。
何か、何か手抜きをする方法は無いだろうか?だって草刈りがオートで出来るならその他も……出来るかもしれない。
「パラパッパッパっパパ♪まずは各素材の籠や箱や壺を机の上に並べます」
「いきなり何を始めだしたんですかねこの人は……」
「そして寸分たがわぬ正確さで素材を振り分けていきます」
「早っ!?いや、マジで何なんですその手を動かす速さは!見ていてものすごく気持ち悪いです!」
ふふっ、野口英雄が実験をする時のような正確さで次々と素材を分別していく俺。
もちろんこれも『スターワールド』の能力である!いや、能力ってほどのものじゃないんだけどさ。
机の上を『備蓄ゾーン』と言う集めてきた物を置いておく場所に設定して各入れ物に入れる素材を設定、あとは『農業』スキルを使った時のように『これから素材の運搬をするぞ!』と自分に命令をすればいいだけ。
そしてリアちゃん、頑張ってる人間に対して気持ち悪いは酷すぎるんじゃないかな?
それなりの年齢の男子はその言葉でとても傷つくんだからねっ!
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