第7話解決編

黒井川警部とワトソン君は、宅間のコテージにいた。

「亡くなった、山根さんはどこかで溺死させられ、その後、橋から転落させて事故死に偽装されました」

宅間は目を見開き、

「事故死じゃないんですか?」

「はい、これはれっきとした殺人事件です。そして、犯人は宅間さんあなたです」

「ほう、面白い事を言うじゃないですか」

「どう、考えてもあなたなんです。あなた、山根さんと金銭トラブルがあったみたいですね?警察は些細な事でも調べるのが仕事でしてね」

宅間はニヤリと笑い、

「私は、昨日はキャンプファイアー前に酔いつぶれ、寝てました。由理がその後、お起こしに来ましたが、1人で参加したんでよ!」


黒井川は、首を横に振り、

「いいえ、あの時キャンプファイアーに参加していたのは、女装していたあなたです」

「ま、まさかっ」

「薄暗闇の中であなたは誰とも喋らず、静かに酒を飲んでいました。あたかも、23時までは彼女さんが生きていた事を演出したんです。彼女の死亡推定時刻は19時から20時の間です。その後、真夜中に橋から死体を落としたんです。あなたの誤算は、いつも清流の石床川が上流雨で濁り、肺から泥が検出されなった事です」

まだ、宅間は笑っていた。

「うん。いいだろう。さすが刑事だ。だがな、証拠がないんだよなぁ~」

「警部、証拠って?」

「まあ、慌てなさんな、ワトソン君」

「なぁ、刑事さんよ~、証拠があるなら見せて見ろ」

黒井川警部は、

「この部屋に証拠はあります」

「……なんだ?」

「あなたの、服を鑑識に回します。遺体は黒いカーディガンをきていました。カーディガンの繊維があなたの背中にたっぷりと彼女付着しているはずです。お姫さまだっこなら、サンダルと、ウイスキーを持てません。きっと、背負ったに間違いないでしょう。肩に乗せるか、背負うかのどちらかです」


早速、貴方の服を鑑識に回します。

「いいよ」

と、言うと鑑識官が入ってきた。

「参ったよ、刑事さん。600万円借金作ってね。他に女も出来たから……こ、殺したんだ」

部屋に川崎が入ってきた。

川崎は、宅間に手錠を掛けた。

「川崎君、今日も僕は休暇だから、後は君に全て任せた。ワトソン君は自供の録音もしてるから」

ワトソン君はボイスレコーダーを川崎に渡した。

川崎はワトソンに、ありがとうございますと言うと、宅間をパトカーに乗った。


数時間後。

また、バーベキューをしながら、黒井川はハイボールを飲んだ。

生田夫婦、OL2人組皆で楽しんだ。

今回はキャンプ場の管理者のおばさんが、利用料金を半額にしてくれた。

おばさんには関係ないのに、皆に楽しい思い出をと言う意図があったらしい。


ジュルジュル、ぷっはー。

黒井川と戸川は心なしか、今夜の酒は旨かった。





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死を呼ぶ灯火の夕べ 羽弦トリス @September-0919

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