第4話はじまり
黒井川は朝7時頃コテージの外から聞こえる、パトカーや消防車の音で目が覚めた。
昨夜の1時頃まで飲んだいた黒井川はカーテンを開くと、キャンプ場にそれらの車輌は止めてあり、警察官、消防士の姿が見えた。
黒井川は直感した。
また、今回の休暇も事件に巻き込まれたと。
直ぐに、ワトソンこと戸川を叩き起こし、身なりを整え、ゼリー状栄養食を食べると2人は警察の輪に入って行った。
「なんか、あったの?」
「あっ、黒井川警部。何故、ここに?」
「昨日から、休暇でこのキャンプ場に泊まっていたんだ。川崎君、この騒ぎはなに?」
川崎と呼ばれた男はメモを読む。
「えーと、昨日からこちらに宿泊の山根由理さんが、行方不明になりました。あの、近くの、川にかかる橋に山根のサンダルとウイスキーボトルが見付かり、今、事件、事故の線で捜査してますが、事故ですね。彼氏さんは宅間進一さんで、昨夜の早い段階で酔いつぶれてコテージで寝ていたみたいです」
そう、川崎が説明すると、メモ帳をポケットにしまった。
「その女の子は、僕も見たよ。1人でキャンプファイアーに参加していたからね。薄暗いから、酒を飲んでるかは気付かなかったけど。9時までは姿を僕もワトソン君も見ていたよ。川崎君、念のため昨日の宿泊者を帰さないでいてくれ」
「はい。了解しました」
「黒井川警部、また事件だですよ!この疫病神!」
「ワトソン君、実はもう目星は付いてんだ」
「えぇー、めちゃめちゃ早いじゃないですか!」
「まだまだ、証拠と動機が分からない」
「まだ、山根さんが死んだとはかぎりませんよ」
「……そうだね」
ワトソン君はコテージの冷蔵庫から、アイスコーヒーを2本取り出し、飲みながら2人とも喫煙した。
間も無く、
「上がったぞ~」
2人は現場に再び向かうと、山根由理の死体を見た。
彼氏の宅間は死体を見て、山根本人であることを確認してから死体は司法解剖に回された。
宅間は叫ぶように、泣きじゃくっていた。
黒井川は見るのがつらかった。
宿泊客は足止めされたが、事件を知り全員が協力すると言い、キャンプ場に残ってくれた。
「黒井川警部、事故じゃないんですか?」
「酔って橋から落ちるなら、欄干が150センチ高過ぎでしょ?そして、なぜあの橋に向かったのか謎だよね」
「じゃ、殺しだと?」
黒井川はニヤリとして、2人は現場に向かった
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