恋の終わり
あの電話の日から暫く経って、私達の関係は変わったのだろうか?
あれから
「
その
そんな日が一週間ほど過ぎた頃、私はリビングでじっと
それなのに今日に限って
「ただいまぁ」
普段なら常夜灯だけになっているはずのリビングの明かりがついていた事でお
「お帰りなさい、お
「
「部屋から、出て来ないんです……」
「仕方のない子ね。何があったか話してくれる
「はい、実は———」
私は、知っている限りの事をお
私の話を聞いた後、お
取り残された私の耳に「こらっ!
その後、お
「
私の気持ちを知らないお義母さんはそう言うけれど、私はどうすればいいの。
部屋に戻った私は「これで最後にする。もう二人の事は関係ない」そう口にして
そのメッセージに返信が来る事は無かった。
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
その週末、本当に
お義母さんの会社の寮に引っ越したという事だけど、私が出かけている間の事で寮が何処にあるかも私は知らない。送信したメッセージには『なんとかやっている』とそっけない返信が来ただけだった。
それから後も
新学期を迎えてからも
私達は
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
卒業式の前日、夕方になって
本当に久しぶりに
これから先の事を訊ねて驚いた。だって大学に進学すると思っていた
なにを話せばいいんだろう……
「あ、あの、お帰りなさい……」
「あ、うん、ただいま」
気まずい。
「夕飯は、食べますよね?」
「うん、食べるよ」
会話が続かない。そのまま夕食の準備を済ませて二人で夕飯を食べた。久しぶりの事に緊張しているのか食べている料理の味がわからないままに食事を終えた。
洗い物を済ませた後、私は
「
返事を待たずに開けた。久しぶりに入る
荷物がいくつかの山に分類されている。まるでこの家から出て行ったあとはもう帰って来ないかの様に。
「
半ば確信めいたものを自分でも感じている。それでも、
「ん、ああ、多分、もう帰って来ない」
「どうしてですか……、就職しても帰省する事はあるでしょう」
「俺、もう帰って来ないよ」
「どうして……」
「ん、まあ、ここに居ると
続く言葉を発する事ができずに黙っていると「まだ、片付けがあるから」と部屋から追い出された。
卒業式の後も『クラスの集まりがあるから夕飯はいらない』というメッセージが送られてきたら『わかりました』と返すしかなかった。
「
「ありがとう、
「いえ、会ってないです。なんとなく気まずくて、会えないんですよね」
「
「そうなんですね。受験勉強頑張っていたのに、就職にしたんですね」
「そうなんですよ。私も聞いたのは昨日なんですけど」
「先輩は私からも距離を取ってるんですよね……」
「もう、帰ってこないって……」
「えっ、帰省もしないつもりなんですか?」
「そう言ってた……」
「そうですか……」
改めて口にして私は自分でも気がつかないうちに涙を溢していた。
「
タハハと戯けた彼女は言葉を続ける。
「また、いつか言う機会があるなんて思っちゃダメですよ。そんな風に考えてるとあの二人みたいになっちゃいます。会えなくなるのが
真剣な表情を向けてくる彼女に「ありがとう。
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
結局、私は
早朝、お義父さんとお義母さんが出勤する前に
「じゃあ、俺はもう行くよ。
「あっ、あの……、
「うん、ありがとう、じゃあね」
そう言い残して
「私、どうすれば良かったんだろう……」
一人取り残された家の中で後悔だけが私を苛んでいる。
−了−
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