莉子の気持ち
川に遊びに行った翌日。
家庭教師に訪れた
「ねえ、
そう言われても思い当たる節がない。
遊びに行く事自体は事前に伝えてあったし、誰と行くのかも
でもこれを馬鹿正直に口にすると更に怒りを助長することになる。だからこそ僕は必死になって考える。
答える事ができずに黙っていると
「
「いや、そうは言っても、約束してたし、
「好きなんだってねっ!」
「……みたいです」
嫉妬、してる、のか?
「別に私は女の子と遊びに行った事を怒ってるわけじゃないのよ。
「ごめん」
「ホントに何もなかったんだよね?」
「ないよ、そんなに言うなら
一方的に言われて少しだけムッとする。そんなに僕の事が信用できないのか?
あの日から何となく
信頼されてないと感じてしまったのが理由だというのは分かっている。
あの場で一言謝ってくれたら違っていたのかもしれない。でも、あの後、
そういう聞かれ方をされるような事はしてないのに、「
「「あっ」」
それ以来まともに会話をしてない。
信じてもらえない事に虚しさが大きくなってきて受験勉強にも身が入らない。
そして気まずい雰囲気のまま受験勉強をするのが嫌で
◇
それに
二人の事だから私が口を挟まない方が良いだろうと考えていたんだけど、流石にそう言ってられないかもしれない。
私は仲のいい二人のことが好き。そのはずなのに胸がチクリとした。
朝食のあと自室に戻ろうとする
「
「何かって、なに?」
「っ、その、
「もう、来ないんじゃない」
そう言って踵を返して自室に向かう
「えっ!?」
嘘、どういう事?
「待ってください!」
私の呼び止める声を気にした
後を追って
「なに?」
不機嫌そうな声が返ってきた。
「入っていいですか?」
「いいけど」
部屋に入ると
「そこの椅子に座ったら」
「はい」
「それで、なに?」
「
「そのことはもういいだろ?」
「いいえ、良くないです」
「はぁ……、知らないよ、僕のことが信用できなくなった。それだけだろ」
「どうしてそうなったんですか?」
「……はぁ」
「お願いします。話してください」
「……本当にたいした事じゃないよ」
ポツリとこぼすように口を開いたその先を待つ。
「この間、皆んなで川に行っただろ」
「はい」
「それで、
「もしかして、私が
「多分違う。僕は皆んなで遊びに行く事は言ってあった。それに、二人っきりになることもなかったし、やましい事はなにもしてない。それなのに、僕がその事を話さなかったのは
「
「
「いいえ、あります!」
「っ!?びっくりした。急に大きな声を出すなよ」
「す、すいません。でも、本当に私にとっても大事な事なんです」
「……はぁ、本当に、わからないんだ……、
「っ、そう、なんですか……、もし、今、
「わからない」
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