莉子と二人で
夏休みに入ってからも暫くの間は
今日はバイトが休みと言っていたので
遊びに来ているのではなくて勉強を見てもらう為に来ている。
一応、受験生でもある訳であんまりハメを外しすぎると
手を握るくらいの事はしているけど、その先にはまだ進んでない。
別にヘタレている訳じゃなくて
「ず〜っと、机に向かうだけが勉強じゃ無いからね。ちゃんと休憩をとってリフレッシュしないと頭に入らないぞ」
これは
受験が近づくにつれて休憩を取らずに机に向かっているとそれまで覚えられていた内容が頭に入って来なくなったらしい。それに気がついて休憩を挟むようになってからは効率が戻ったというもの。
一人で勉強しているとついついキリのいいとこまでと休憩を挟まず続けてしまう。それで振り返ってみると案外抜けているという悪循環に陥る事があった。
何度か休憩を挟んでいたんだけど昼食後、
「眠い?それなら少し眠る?」
「ごめん、チョットだけ眠らせて」
「膝枕にする?それともベッドに行く?」
頬を染めてどうするか聞いてくる。
膝枕だと
僕がそう答えると
その膨らんだ頬にそっと人差し指を押し当ててみるとぷしゅ〜っと空気の抜ける音がした。それが恥ずかしかったのかそっぽを向いてしまった。
「ごめん、でも膝枕だと僕が寝てる間、
「もう、仕方ないなあ。じゃあ、ベッドで寝ようか?30分くらいでいい?」
「うん、ありがとう」
ベッドに入ってタオルケットを掛けるとふんわりと
「まるで
◇
ベッドに潜り込んだ
スマホの充電器を取りに寝室へと入っていくと気持ち良さそうに眠るその顔が目に入ってきた。
「遅くまで勉強してるのかなあ」
勉強を教えている限りでは成績は上向いているのでは無いかと思えた。
このままの調子だとB判定は問題無くいけると思う。けど、A判定となるとまだ努力が必要だろう。本音を言えば、折角、両思いになれたんだからもっと
それでも、同じ大学に通うために頑張っている
「今はこうして一緒にいられるだけで我慢しなくちゃ」
眠る
「こうして見ると男の子って感じじゃ無くなったなぁ」
ベッドサイドの床に座ってついつい寝顔を眺めてしまう。
◇
「ん、うわっ!?」
薄暗い部屋の中で目を開けると目の前に
「やっぱり、
あの告白以来、照れ臭さもあって言えてない『好き』という言葉が口をついて出た。本当は起きてる時に言えればいいんだけどこれが中々そういう雰囲気にならない。勉強ばかりしてるから仕方がないと言えばそれまでかもしれないけど。
「B判定とってデートする時には言いたいな」
付き合いだした後は好きとかいう事を口に出さないっていうのはよく聞く話。だからこそちゃんと伝えたいと思う。
そのまま
「おはよう」
「ん、んん!?」
ベッドの縁についていた手が滑って顔からマットレスに突っ込む。
ボフッという音と共に「いった〜い」と言う言葉が聞こえてきた。
「大丈夫?」
「ん、大丈夫」
さっきまでよりも顔が近い、僕達はお互いに頬を朱に染めて笑い合った。
「
「
「私も……」
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