テスト終わりと山梨さん
「お、わった〜〜!」
僕は開放感から机に突っ伏していた。
「
「赤点はない、と思う」
「そう言いながら平均点は超えてるんだろ?」
「どうだろ?
「俺はまあまあかな」
「
「
「バッチリ!」
「ホントか〜?」
「それより、打ち上げしようぜ」
三日に渡るテスト最終日。その最後のテストが終わり、ホームルームも終わって教室内は開放感に包まれていた。
部活も今日までは休みとなっているらしく
長身の細マッチョ。
ギャル。
童顔ポニーテール。
黒髪美人。
長身西洋人形。
僕が彼らに対して持っている感想。接点が無いからこれくらいの事しか知らない。
「
「えっ!?」
まさか僕が誘われるとは思わなかった。
「え〜と、今日は帰ってやりたい事があるから……」
「わかった。じゃあ、またな」
「うん、また」
「
「ああ」
僕がいても気を遣わせるだけだし、折角誘ってくれた
そうだよね。僕なんかがあの中に混ざるなんてできるはずが無い。
賑やかな集団が出て行くと教室内は一気に静かになった。
◇
「
校門を過ぎた所で背後から声をかけられた。僕のことを先輩と呼んでくる人は一人しか思いつかない。振り返るとそこにいたのは。
「
最近彼女の姿を見ていなかったから油断していた。
「
まだ、その話続いてたんだ。これはキチンと話を聞くまで続きそうだなあ……
「ホントに、お礼をしてもらう様な事はしてないんだけど」
「いえいえ、あの時、
あ、あの時の鍵は家の鍵だったのか。
それでもお礼をしてもらう程の事じゃ無い気がするんだけど。
「この後、お時間をいただけませんか?」
諦めそうにないよなあ。僕は折れる事にした。
校門付近にいるから周囲の視線が痛い。
不似合いな組み合わせに興味を持つ者、あからさまに僕に嫌悪感を向けてくる者そんな視線にこれ以上晒されたくない。
はぁ、これが僕じゃなくて
「分かった。分かりました。でも、ここじゃあ他の人の目もあるし……」
「それなら駅前のカフェに行きませんか?新作のスイーツを食べに行きたかったんです。ご一緒してください」
上目遣いにそう言われると断りづらい。他に行こうと提案したのは僕なわけだし、そのくらいは妥協するしかないか。
「じゃあ、案内してくれる」
「はい!」
「や、
「先輩、逃げるじゃないですか」
「あ、ソウデスネ」
返す言葉も無い。僕の日頃の行いが原因だった。
◇
結局、僕はカフェまで
そうして連れてこられたのはクラスの女子の間でも時々話題に上がるお洒落なカフェ、僕一人なら絶対に来ないようなお店。今もうちの生徒が何人かいる。同じ高校の制服を着た僕と
「改めてあの時は鍵を探す事を手伝って頂きありがとうございます」
「そんな、お礼を言われるような事はしてないよ。あれも僕の自己満足だったんだから、もう気にしないで良いからね」
もうこれ以上、この話を続けてくれるなという思いを込めた僕の返答の意図が伝わって欲しい。
「あの日は両親の帰りが遅くなると連絡を受けていたので本当に
僕の意図は伝わらなかったらしい……
「そうなんだね」
一応、彼女が食べ終わるまでは話に付き合うしかない。流石にまだ食べてる彼女を置いて帰るのは失礼だろうし。モテない僕でもそのくらいの事は
「……先輩、
「あ、ゴメン。そろそろ帰りた、いや、帰らないといけないんだ」
つい、本音が、取り繕うのも失敗した。帰るっていっちゃたよ。
「分かりました。それでは今度の日曜日にお礼をさせて下さい」
「えっ、い、いや、それは……」
「先輩、連絡先の交換して下さい」
「えっ!?連絡先!?」
「はい、スマホ出して下さい」
「いや、今日、スマホ忘れてて……」
嘘です。本当はカバンに入ってます。
「そうですか。それなら……」
「家に帰ったら、連絡して来て下さいね。日曜日の打ち合わせをしましょう」
「あ、うん……、それじゃあ、僕、帰るね……」
「はい、連絡待っていますね♪」
なんでか分からないけど
◇
「
連絡先を聞けなかった事は計算外だったけど、周りに先輩と付き合ってると思わせる事はできてると思う。こうやって周りから攻めていけば優柔不断そうな
きっと上手くいく。そうしたら、私好みに先輩を変えてあげる。
ふふっ、楽しみ。私も帰って先輩の連絡を待っていよう。
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このお話しの前から書いていたものに一区切りがついたので順次投稿していこうと思います。
転生聖女は元ゲームキャラ。私ってVRMMOの中から出てきたの?いや、転生と言っていいのか?
https://kakuyomu.jp/works/16817139558186189649/episodes/16817139558186195581
宜しければ読んでみて下さい。
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