【1月11日死亡著名人】

おっ、出てきた出てきた。あの、私が愛した作曲家。そうか、この偉大な方もこの日に死んだわけだ。誇らしいな、なんだか、誇らしいな。

【20XX年1月11日死亡著名人】

そろそろ、情報が上がってきているはずだ。どれどれ。おっ、あるある。ええと、なんだ、無いか。いや、分かっていたよ。無いよな。一般人として死ぬとはこのようであるか。しかし、カリンニコフ氏、どうだい私はあなたを愛したよ。あなたを愛したのだけれど、私は無いよ、検索したけど。そりゃあないさ、無くてもいいじゃないか、あなたは私と同じ1月11日の部屋に入室出来たわけだよ。私が言うのもなんだがね、小さな幸せじゃあないか。いえいえ、そうですとも、無くても良いのです。とんでもございません。しかし、あなたの交響曲は僕を癒しました。現世でも幸せをいただきましたよ。私の葬式ではあなたの交響曲第2番が流れているはずなんですよ。私のこだわりのオーディオでね。最近はそうらしいですね、オーディオというものがあるのだね。それは私よりもあなたの方が幸せだ。オーケストラを1団用意するのは容易ではないもの。そうですね、なかなかリアルな音で鳴らせますから、私は幸せです。ところで、交響曲第6番は聴いてくれたかな、先月配信開始だよ。私が指揮をしたのだがね、なかなか良いよ。それはそれは、知りませんでした。すぐ聴きますとも。私もいつまでこの部屋にいられるやら分かりませんからね。あと50年かな、どうだろう。まあ、そこですよね、著名人と一般人の違いは。お気持ち察します。私はまだまだ大丈夫でしょうけれども。今後もよろしく頼みますよ、新曲。楽しみにしております。次の葬式では何番を流そうかな。楽しみにしていてください、私、まだまだ頑張りますから。