#7 君と結婚した
晩御飯、何がいい? と私に彼女は聞くのだが、私の脳ミソはひどいバグを放置して来たから、正常には動作しない。あれあれ、おかしいな。なんでもいいよ、とでも言っておけば良いのに。
今日も仕事か、明日も仕事か、明後日は休みだな。よしよし、次の休みは何をしようか。次の休みはいつ? どこかお出かけしようか? と私に彼女は聞くのだが、どうだろう。次の休みはいつだっけ。どこかへお出かけするだなんて素敵じゃないか。どこへ行きたいのかな、君とどこへ行きたいのかな。
ああ、疲れた疲れた、馴染みのビールをコンビニで買った。ああ、いつもの店員さんだ、ありがとう、僕はありがとうが言える人間だ、生きていていい人間だ。僕は優しいな。ただいま。おかえり。晩御飯買ってきてあるよ、食べよう? あれれあれれ、晩御飯。まさしく、うんともすんとも言わないなこの私の脳みそは。どうしたの、最近元気ないじゃない? どうしたの? 泣いてるの?
悲しくないな。あれ、涙は頬を伝っているな、こんな感じだったっけ、涙って。あれ、でも思い出せないな、こんな感じかも涙って。泣いてるってなんだろうな、僕、明日は仕事だっけ。
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