#3 生き別れ (没作)

僕はただ、叔父の急逝ほどの意外なタイミングでたこ焼きが僕の口へ侵入して来たことを余りにも自然に受け止めすぎただけである。もちろん僕はその侵入を予期していなかった訳だが、当の本人すら同様であったわけだ。

里子は、駅前の交番に勤務している、僕の幼なじみだ。もちろん家も近い。と言っても、僕は今の会社に勤め始める時から一人暮らしだから、この街に帰ってくるのは去年の年末以来、3ヵ月ぶりだ。

母方の叔父が急に亡くなり、急にと言っても糖尿病を患っていたこともあって状況はよく確認しておくべきだとも思っていたのだが、それでここへ帰ってきた。交番に勤務しているなどと話を聞いたものだから、偶々帰ってこられたわけだし、交番へヒョイと顔を出してやろうという魂胆で歩き始めたのだ。

予期しなかった、いや出来やしなかった。急なたこ焼きの侵入は僕の心拍をボディービルダーの大きな大きな筋肉を用いたかのようなパワーで押し上げた。


「陽太!!久しぶりじゃん!!ハイ!!」

と、里子が無邪気にたこ焼きを僕の口に放り込んだ訳では無い。


(迷走〜!未完。)

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