新人刑事登場
様々な組織において人事異動、転勤というのはつきものだが、警察組織も例外ではない。
刑事がいわゆる交番の警察官に異動になったり、同じ刑事でも担当が変わることもある。
強行犯係から盗犯だったり薬物担当だったりに変わったりその逆もある。
「今年も人事の時期か、知った顔のメンツが結構入れ替わったな」
「うちも入れ替わりがあって入るんでしょ」
「どんな奴か聞いてないか?西沢」
「新人らしいけど、詳しくは」
「1年生か、1年生って大抵こういうデカいとこだと盗犯とか知能犯とかだろ」
「確かにいきなりこんな大規模署でしかも強行犯ってレアよね」
「失礼します」
と現れたのは若い女性。
「どうされました?」
「本日からお世話になることになりました」
噂をすればなんとやらか。
「係長の田中ですよろしく」
「吉川希美ですよろしくお願いします」
一見すれば真面目そうだなぁ。
というか、どこかで見た事あるような、というか見た事ある人に似てるような・・・
「係長って随分若いですよね」
「まぁ、巡査部長も警部補も最短で上がったからねぇ・・・・・」
「自分でもびっくりなサプライズ人事だけどなこんな大規模署の係長ってのは」
「ところで何処かで会ったことあるかな?」
「もしかして私の父をご存じですか?」
「俺が知ってる吉川さんっていうと交番でお世話になった吉川部長かい?」
「やはりご存じでしたか」
「懐かしいなぁお父さん元気かい?」
「ええ、元気ですよ」
「今どこに居るんだっけ?」
「関西空港にいます」
「関空署か忙しそうだな」
「ええ、忙しいみたいですよ」
吉川部長とは俺が卒配した交番でお世話になった方だ。
すごく良い人で、警察官の鑑のような方だ。
「娘さんが居るとは聞いてたけどまさか警察官とはなぁ」
「意外ですか?」
「当時、こういう雑談で話題が出たときに吉川さんが将来警察官を志望したら?って聞かれてて」
「で、なんて答えてたんですか?」
「まぁ親心だろうし予想はついてると思うけど断固反対だと言ってたよ」
「えっ?そうなんですか?」
「予想と違った?」
「違ったも何も賛成してくれたんで・・・・」
「そっちの方が意外だわ、あんだけ反対してたのに・・・・」
とまぁ懐かしい人の娘さんが部下となったわけだ。
これから頑張ってもらいたい。
笑劇2 @hky2315f
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。笑劇2の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます