第31話 一日一悪(前世武将アニマル軍)
名乗らぬモンシロチョウは、前田利家シマリスと保科正之アライグマが名乗らぬオオカマキリを捕らえたのを見た瞬間には、枝にとまっている名乗らぬアゲハチョウを捕獲していた。そのため、名乗らぬアゲハチョウの操術は封じ込められ、木々の枝や根の動きは止まった。
織田信長ウサギが名乗らぬオオカマキリを蹴り飛ばした直後、上空から名乗らぬモンシロチョウが舞い降りてきた。
名乗らぬアゲハチョウも舞い上がろうと態勢を整えようとした矢先――
「必殺、健忘打」
意気揚々と鼻を鳴らした織田信長ウサギが、片方の長い耳で持つ刀で、名乗らぬアゲハチョウの小さな頭部を連続二度打ちし、後足で蹴り飛ばした。
名乗らぬアゲハチョウは木々の暗闇の奥へと飛ばされた。
名乗らぬキツネは、名乗らぬアゲハチョウの操術を自らが行っているように振る舞っていたが、操術が止まり、奇襲してきた相手が前世武将アニマル軍だと気付くや否や、即座に振る舞いを止めた。それと同時に、高々と飛び跳ねると木々の暗闇に逃げ隠れようとした。だが、行く手を阻む武田信玄ハトの
それに気付いた織田信長ウサギは、楽しそうに飛び跳ねて向かうと、地面に倒れている名乗らぬキツネの両耳の間に居る名乗らぬジョロウグモの小さな頭部を、片方の長い耳で持つ刀で連続二度打ちした。
「必殺、健忘打」
にやりと口元を歪めて鼻を鳴らした織田信長ウサギを見上げる名乗らぬキツネは、目を見開いて
名乗らぬキツネと共に名乗らぬジョロウグモは、木々の暗闇の奥へと飛ばされた。
毛利元就イヌと伊達政宗ネコは、名乗らぬアゲハチョウの操術中に行う作戦に失敗していた。だが、そのことは見越していた為、次の作戦に移っていた。黒田官兵衛ハリネズミの情報では、名乗らぬエボシカメレオンは毛利元就イヌを酷く恨んでいるとのことだった。だから、それを利用した作戦だ。
深夜の暗がりで、長い舌も出さずに体を保護色にして目に見えぬ名乗らぬエボシカメレオンを誘き寄せる為、名乗らぬエボシカメレオンの復讐相手である毛利元就イヌは
毛利元就イヌは、動かなくなった一本の樹木を嗅いでみたり、その周りの雑草の中を嗅ぎ回ってみたりと、名乗らぬエボシカメレオンを探す演技をしている。
伊達政宗ネコは、その樹木の枝で身を隠すようにしゃがみ込み、鍛え上げた嗅覚とネコ目の特長で、毛利元就イヌばかりに気を取られている名乗らぬエボシカメレオンを見つけた。
するりと伊達政宗ネコは樹木から地上に降りると、忍び足で名乗らぬエボシカメレオンの背後に近寄った。
雑草の中に鼻を突っ込んだ毛利元就イヌの顔目掛け、名乗らぬエボシカメレオンが長い舌を出しかけた刹那、伊達政宗ネコはすっと飛び跳ねた。直後には、名乗らぬエボシカメレオンの背を押さえ付けて首に犬歯(牙)を当てていた。
口を閉じた名乗らぬエボシカメレオンの体は硬直した。
そこへ、織田信長ウサギが嬉しそうに近寄ってきた。同じように近寄ってきた毛利元就イヌと一緒に、緊張する名乗らぬエボシカメレオンの目を覗き込んだ。
「必殺、健忘打」
名乗らぬエボシカメレオンの耳元で鼻を鳴らした織田信長ウサギは、片方の長い耳で持つ刀で頭部を連続二度打った。気絶した名乗らぬエボシカメレオンの背から伊達政宗ネコが飛び跳ね去ると、思いっきり後足で蹴り飛ばした。
名乗らぬエボシカメレオンは木々の暗闇の奥へと飛ばされた。
仁王立ちで弓を構える立花宗茂プレーリードッグが、上空に向けて矢を放った。
名乗らぬハクセキレイは余裕で矢をかわし、からかうように立花宗茂プレーリードッグの頭上すれすれに飛んだ。
苦々しく口元を歪ませた立花宗茂プレーリードッグだが、素早く矢を
名乗らぬハクセキレイは空中でひょいひょいと矢をかわし続ける。
いつものように立花宗茂プレーリードッグの傍らに居る黒田官兵衛ハリネズミが、片方の前足でリズムを取りながら、名乗らぬハクセキレイの飛び回る様子を観察している。
ふっとほくそ笑んだ黒田官兵衛ハリネズミが、両前足でリズミカルに地面を叩き始めた。
気付いた立花宗茂プレーリードッグが、黒田官兵衛ハリネズミの背から針を、五本指で三本引き抜くと、器用にそれらを適度な間隔で番えた。そして、黒田官兵衛ハリネズミが地面を叩く、そのリズムに乗って、名乗らぬハクセキレイが飛ぶ上空目掛け、一斉に三本の針を放った。直後には再び、針を三本引き抜いて番え、リズムに乗って放つ。それを繰り返す。
行く手を阻むように飛んでくる三本の針を、避けて飛ぶ名乗らぬハクセキレイは、気付かないうちに誘導されていた。
「ゲットじゃ」
意気揚々と鳴いたのは豊臣秀吉リスザルだった。
飛んでいた名乗らぬハクセキレイは、羽と共に体をヌンチャクに巻かれ、空中から地上に落下した。
「生け捕ったか」
顎を持ち上げた織田信長ウサギは、片笑むように片髭を上下させた。
豊臣秀吉リスザルは、織田信長ウサギに
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