入学祝いの時計が形見になった②
※メンヘラ、D/Vに関する話が出てきます。
詳しい描写ではありませんが、苦手な方はお控え下さい。
こっちが新生活を楽しんでいた一方で、G叔父さんの方は様子が変わっていきました。
この頃から、G叔父さんは家には全く遊びに来なくなり、祖母の家にたまにいく程度になりました。もう結婚したんだし仕方ないと母は言ってました。
私はG叔父さんに辛辣かもしれませんが、母はG叔父さんを慕っていました。
母はG叔父さんと子供の頃から仲良しで、大人になってもその関係が続いてました。それは母とG叔父さんは兄弟間で年が近く、よく遊んでいたからです。
何だかんだと兄貴風を吹かせたがる人ですが、私達兄弟の節目にはお祝いをしてくれてまして、そこは羽振りの良い人です。母的にはG叔父さんが家庭を持ったら、子供達にして貰った分をお返ししようと思っていたそうなのですよね。
それから母達兄弟の幼い頃、年の近い従姉妹が家の近くに住んでいて、よく遊んでいたそうです。
それは従姉妹さんが遠くの街に引っ越してからも続いてます。
母は大人になっても従姉妹さんと連絡を取り合っていて、何年かに一度会ったりとお付き合いを続けている程度に仲の良い関係です。
祖母はたまに母を実家に呼ぶ事があります。
だいたいは雑用か、愚痴を聞けって用事なのですがね。
そこで聞いたG叔父さんの近況は
E子が嫉妬深くて大変だと聞いてました。
片時でも離れると寂しくて泣き出したり、怒ったりするようです。
この当時は広まってなかったと思いますが、現在は一般的に浸透しているメンヘラです。
嫉妬で八つ当たりするんだよ、と言いながらもG叔父さんは幸せそうだった(祖母談)ようなので、
ふーん、まあ幸せならいんじゃね?程度に聞いておりました。
……ですが、私の考えてた事とは全く別の事が起こってました。
それから数週間程経ったある日の事。
祖母から電話を貰った母は、実家に呼ばれて出掛けて行きました。
祖母曰く「あんた、G(G叔父)の家知ってるのかい?」
「行ったことないよ?パート忙しいの知ってるでしょ」
この頃の母は、子供達がある程度手を離れた事を機にフルタイムパートで働いておりました。
驚異の週6でした。
「だよなぁ。あいつらよぉ、警察呼んで騒ぎやがったんだよ」
話を聞いた母は、開いた口が塞がらなかったそうです。…はい、何があったのかといえば。
ある日、E子が自宅のポストを見たら、
包丁と「別れろ」と書かれた手紙が入っていた、と
(実際、ポストに物はあった)
それで、それを入れた犯人はE子達に嫉妬をした母だと主張しているらしい。
E子の言うことには、
・前から嫌がらせをされている。
・E子を誹謗中傷する内容が書かれた手紙が毎日のようにポストに入れられていた。
・とても恐怖で困っていた。
・それは、Gと結婚したことを反対している母と従姉妹達がやっている
・G(叔父)と縁を切ってくれなきゃ、E子気が狂いそう!
で、極めつけに、ナイフと手紙を見つけたE子は、自宅で喚き散らして暴れていたので、騒ぎを聞きつけた警察がやってきた…とのこと。
敢えて叫びましょう。
そんな暇ねえわ!
(週6勤務だからね☆)
ただただ、E子ヤバい奴で怖いと思いました。
警察で調べたようですが、
E子の主張が所々おかしかった所があったのと、
こちらは正確な自宅を知らない事と、
仕事をしていてアリバイもあって証拠不十分になったそうです。
じゃあ誰が入れたのか。
それは数日経たないうちに、E子の自作自演だということが分かりました。
指紋がE子のものしか出てこなかったのと、自分でポストに入れているのを見ていた人がいたようです。
E子本人はそれを否定し続けていて、認めませんでした。
警察では家庭内の事だから、これ以上は介入出来ないですよと言われたそうです。
現在もこの件で母に謝罪の一本もありません。
この後のE子の振る舞いを見た感じでは、こんな事をした記憶をけろっと忘れているのだと思いますがね。
この辺の細かい内容は、あまり細かく教えてくれませんでした。いえその…私が反抗期でした。
あんまり親の話に興味なかったのですよね。
それからE子は、この騒ぎを何回か繰り返していました。
『今度は従姉妹から包丁と手紙を入れられた』
『私の母と従姉妹がE子に嫉妬してるんだ!』
『やっぱり縁を切ってE子とずっと一緒にいて!』
『私から離れないで!仕事にいくのも心配なの!』
と家で暴れて手が付けられなくなって、その度に警察を呼んでいました。
毎回ポストを見ると、包丁と手紙の現物は入ってるそうです。
毎回全部仕込んでいるんですよね。
絶対に妹達と縁を切らせてやる、という執念を感じます。
はい。
叔父さんの結婚相手はヤバいメンヘラおばさんでした。手に入れた男への嫉妬と独占欲が、常軌を逸してました。
G叔父さんが仲良くしている女性に嫉妬するのは序の口で、兄弟や親戚にも嫉妬と独占欲の嵐。
何がなんでも、自分以外の女は排除したかった。
騒いで喚いて疑惑を持たせてG叔父さんから母や従姉妹を離したかったらしいです。
これを間近で見てるからか、メンヘラな人が苦手になったのと、私の中の結婚観が歪みましたね。よく聞く「結婚したら勝ち組!結婚したら幸せ!」って意見、こうなっても幸せって言えるのかなと……。
結局のところですが。
G叔父さんはこれを受けて、E子の為にと仲の良かった母と疎遠になりました。また母も、E子の異常さを目の当たりにしてG叔父さんと連絡を取ることを止めてしまいました。
ちなみにE子、母の娘の私には嫉妬を向けなかったのが不思議なのですが…(当時、高校生でした)
私の事を乳臭い子供だと思ってたみたいなんで、女としては端にも掛けてなかったみたいですね。
(後々の出来事で察する事が出来ました。詳しくはそこで)
そこだけは心底良かったと思いました、面倒くさいもの。
それはそれとして、こんな手段で兄弟と疎遠にさせて、パートナーを束縛するのは違う気がしますね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます