入学祝いの時計が形見になった③
※メンヘラ、D/V、に関する内容が出てきます。
生活保護に関する話が出てきますが、詳しい申請の基準等は各都道府県、各市町村へご確認頂けると幸いです。
それと、精神疾患の方々への否定的な意図は御座いません。
ご理解の程よろしくお願い致します。
前回の事件から少し経った頃、G叔父さんは仕事を辞めてしまいました。
これには、祖母が憤慨しておりまして…「男が金を稼がないで何やってるんだ!」と。
祖母は世間体を気にしてめちゃめちゃ罵る人です。それは祖母自身が昔お金で苦労してたのと、自分が働いたお金で子供を育てたという自信があるんですよ。
G叔父さんのいうことには、
結婚してからというもの、会社に行くたびにE子が泣き喚いて「行かないで」と言うので、無断欠勤が急増したこと。
それにG叔父さんは、E子がほっとけなかったのだと思われます。新卒からずっと働いていた会社より、E子を選んだという訳です。
E子に被害を被った母と従姉妹さんは、もう巻き込まれたくないし、好きにしてくれってスタンスでした。
私達家族もなるべく関わらないようにしてました。
ですが、これでは二人共働いてなくて、共倒れしてしまうのではないかと思った母の親戚達は、
(基本的にはそっとしてましたが)密かにG叔父さんへ声を掛けていたそうです。
叔母や祖母、それから大叔父さん達は、たまに来るG叔父さんに、
『危ないから逃げてこい』
『こっちの心配はいいから、E子に見つからないように遠くへ行け』
『子供が出来る前に別れなさい』
と、E子から逃げるように言っていました。
何故身内がG叔父さんを説得しようとしていたのかと言いますと、前回の一件で発覚したのですが、E子は(やっぱりというか)精神疾患を患っていまして、
酷かった時は身体障害者手帳を持つくらいだったということ。これは幼い頃からだそうです。
薬を飲まないと感情を抑えられない、飲んでも不安で嫉妬が止まらなくなる。
だからE子は、G叔父さんの体を殴ってしまう、腕を抓ってしまう。気に入らない事があると暴れてしまう。
身内が心配してるのは、その嫉妬による暴力行為で、G叔父さんの命が脅かされることでした。
ざっくり言えば、殺されないか心配してたのですよね。
E子は別の土地から来た人です。実の両親がどうしているのかは分かりません。
彼女の養父という人と長年同居していました。
結婚してからもそれは続いていて、実はG叔父さんは3人で暮らしていたようです。
養父という保護者(仮)がいるので、命の危険性を察すれば止めてもらえるとは思うのですが、養父さんもお爺さんなので、力で負けてしまうかもしれません。
ですが真面目頑固なG叔父さん
これまた、変な所で男気を発揮していましてね。
「こんな弱ってるのに見捨てられない」
「俺が嫁にすると決めた女だから、責任持って側に痛い」
……等々。
あんなことあった後なのですが、G叔父さんはE子の事が好きなままでした。
えーと………個人的には、好きにやってくれって気持ちでいっぱいでしたね。
で、この夫婦。
二人共働いていなくてどうやって生活しているのかと言いますと、二人で生活保護を貰って暮らしてました。
E子はその精神疾患を理由に働くことができないからと、生活保護を貰っておりました。
…そら、心が安定するまで養生して下さいってなりますね。
といいつつ、このE子さん。結婚前までスーパーでレジ打ちしてたそうです…。
いや、働けるんかい!!
うん、レジに立っていて欲しくないですね。どこで恨み買うか分からんし…病を抜きにしてもメンヘラ怖いし。
で、叔父さんは…E子が自分から離れると暴れるから、E子を介助する為にと、
それらしい理由で(E子のゴリ押しで)行政の人を丸め込んでたらしいことが発覚しました。
……病状に関しましては、病状にアップダウンがあると思われますので、素人には何とも言えません。
ですが行政、いや日本の生活保護の仕組みのがばがば具合がな……税金云々言われるんのそゆとこやぞ…。
まあ、私の自論はうっちゃって。
この夫婦、そんなこんなで暫くは静かにしてたんですね。
ですけど、G叔父さんが毎日一緒にいるので
E子は少し心が安定したのか、ちょくちょく祖母宅や、近場の大叔父の家に遊びに来るようになりました。
(祖母宅と大叔父さんの家は、田舎特有の本家の近場に分家…がある感じです)
祖母は定年退職してからの趣味で、友達と頻繁に旅行したり、出掛けていたのでそれ程でもなかったようですが、定年退職したての大叔父さんは家にいることが多かったので、夫婦でよくお邪魔していたそうです。
この人は、若い頃にモテていた(大叔父談)事を自慢してる人で、女性を選り好みし過ぎて婚期逃した大叔父さんです。因みにそんなイケメンじゃないし、何ならケチケチしてるので本当にモテたのか微妙です。
それでE子は、大叔父さんに何だかんだで明るく接してくるので…女好きの大叔父さん、何か絆されてしまいましてね。
…いや、なんでだよ!何するか分かんない人やぞ!
とか思うんですけどね。
基本的にこの大叔父さん、女は愛嬌とか言い出す様な……昭和の頭の人なのですよね。
この頃、大叔父さんが面倒を見ていた曾祖母が亡くなった後でした。大叔父さんは独り身ですし、話相手が欲しかったんじゃないかな。
それと、G叔父さんが一緒にいたから多少は警戒心が緩んでいったのかな…とも思われますが。
ふと疑問。
メンヘラの女性っておっさんからは魅力的に見えるの?(病の事は抜きにして)
あれかな、G叔父さんがMっ気あったんかな。
まあ、そんなで。
母とは距離を置いていたG叔父さんは生きてるけど、おそらく私とはもう話すことはないから、貰った入学祝いの腕時計をG叔父さんの形見だと勝手に思う事にしたのですよ。
まだ生きてますけどね!
現在では、電池が切れて動かなくなってますが、今も無くさずに持っています。
どっちにしても今までのG叔父さんじゃなくなってしまった、のは間違いなかったのですが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます