忘年会のプチ事件です。


最近のNさんによるCちゃん情報は

「Cちゃん、母ちゃんに『彼氏』がいることがバレそうだって言ってたな」

「言ってなかったんだね」


……流石に親には言えないのか。

親には恥じらいあったのね、何かホッとした(?)


「あいつが寝てるときに母ちゃんが父ちゃんと、『最近娘の身体付きが大人っぽいわ、付き合ってる奴がいる、絶対そいつと寝てるわね!』と言ってたのを聞いちまったんだとよ」

「……お母さん…」


自分の娘に対してそう言う母親っているんだ…。

彼女のお母さんも大分独特なお方だというのは前に聞いたことがあって、Cちゃんの話だと


「ママ、お見送りが変わってて。お気に入りの□□□□□のぬいぐるみ持って玄関まで来るんです!恥ずかしいんですよ!」


しかもぬいぐるみの手を動かして、バイバイしてくるそうな。Cちゃんはそれが恥ずかしいからやめてほしいんだって。幼稚園児の見送りだったらいいけど、もう娘さん社会人だからねぇ。

Cちゃんママン、メンタル強そう。

でもCちゃんも色んな意味で強いし…、この母にしてこの子あり、かもしれない。


半年が過ぎると、CちゃんからのFさんアタックがなくなってきてました。

この頃Cちゃんは、お仕事でも任されることが増えてきたみたいで若干大人しい…というか、問題になることはなかったです。

お仕事は普通にこなしていました。

周りも仕事面でとやかく言う人はいませんでした。実はCちゃん、仕事は真面目にこなしてます。


季節は年末年始が近づいて来ていました。

Nさんは変わらず、Cちゃんの話に付き合っているそうです。……冗談であわよくば〜なんて言ってますけど、素はNさん大人だからな。話に付き合ってるんだろうなと分かる。

この頃になると、CちゃんはNさんの他にもう一人仲良くなった人が出来ました。この人が、後々の色々なことの一因になるんですが…その人はBさん。

長年働くシルバーのお爺さんです。小麦色で真っ黒でチャラい印象で、BさんはMさんと一緒に仕事をしておりました。

なので、Bさんと私は顔見知り程度です。

Bさんに会うと、「またMちゃんのとこに来てるのか」と言われてました。

個人的には挨拶で話すくらいなので、Bさんがどんな人なのかよく知りませんでした。


「Bさんが何か心配しててさあ」

「そうなんですか」

「うっかりCちゃんの話しちまったんだよな、色々」

「マジかー」


仕事上の関係ですが、Nさんとは軽口を言えるくらいにはなってました、若さの為せるやつですね。

そんなNさんと話してると、丁度仕事の休憩中で暇してたEさんが話に入って来ました。


「Bさんは上手くやるんじゃないかい?それに面倒見いいから」

「そうなんですか、Eさん」

「いやー、でもCちゃんだぞ?」

「流石にBさんだろ?ジジイだって若い子に何もしないって」

「……???」


Eさんは口は悪いですが気の良いおばさんです。機械のお仕事を教えてくれた先生みたいな人でもあります。なので私は懐いていたんですよね。

Cちゃんの身を心配してるのかな。でもCちゃんアレだしな…あ、Eさん知らないんだった。


「そう言えば、ちよがみ(私)は忘年会に行くのかい?」

「いえ、用事あるので出ないです」

「Eさんは出るのか?」

「出ないよ。真っ直ぐ家に帰るね!」


うーん、Eさんらしいわ。いい意味で竹を割ったようなさっぱりした人でした。


「そっか。Bさんが忘年会にCちゃん誘ったら行く!って言ってたからさ」


すると「いいんじゃないかい?」とEさん。

たまにはお酒の席も必要ですしね、多分

……Cちゃんまだ未成年だし雰囲気だけになるけども。相手の大人たちもCちゃんの噂を知ってるだろうし上手く躱すんだろうな、なんて私達は能天気に構えてました。

つーか、自分が行くわけじゃないからね!


そんな話をしてから、

親戚が急病になりバタバタしていまして、私は少し仕事を休んでました。

なので忘年会の話を聞いたのは年が明けてから暫く経った頃、Nさんが思い出したように話しかけて来ました。

※誤解を招きそうなので念の為。前半も仕事の合間に話してます。掃除したり片付け中だと思ってください。


「忘年会でCちゃん、大変だったってよ」

「どうしたんですか」

「それがさ、別の部署のなんだっけかな……Hって奴。そいつと途中からべったり離れなくなったって」


え……大勢の前で?!

と頭の中で叫びましたが、まず私はHさんの事が誰だかわからないので、誰状態でした。


「知らねえか?まあ親子くらい離れてっからな」


聞くとHさんは別の部署のおじ……いえ、おにいさんだそうです。聞いても知らない感じでしたので、


「Hさんはよく分からんけど。何でそうなったの?」

「知らねえよ。Bさんの話じゃ、付き合うんじゃねえかって言ってたぞ」


急展開過ぎて、頭の中で?しか浮かんでませんでした。

Hさんは置いとくとして、急すぎない…いや、普通なの?

そこに、この部署の大ベテラン、Yさんが休憩中でこっちにやって来ました。


「そうだよな!Yさん」

「え、何の話よ」

「Cちゃんが忘年会でHと離れなかったって話」

「そうらしいよ。昨日の今日で皆知ってるよ」

「えー……」


マジか、すげえな

この会社の噂の筒抜け具合。


「Hさんてどんな人なんですか?」

「んー、若くはないけど。まあ彼女いなさそうだし大丈夫じゃない?」


そんなもんですか。

本当か嘘かはわかりませんが、忘年会の後CちゃんとHさんの二人がいつの間にかいなくなっていたとの噂が流れてました。

…やっぱりそういうことなのか?!


「そうよ。これで、Cも落ち着くといいんだけどさ」


とため息をついたYさん。

まあ、酒の力で皆やいのやいの言ったんだろうな……Cちゃんにやっと普通の彼氏(?)が出来たって事でいいのでしょうかね。



ちなみに相手のHさんはまた何か変わったお人で。この当時は全く知りませんでしたが、結構なDQNでしてね。機会があれば話せれば…と考えております。

まあ、年の離れた女の子にくっつかれた程度で舞い上がるくらいだもんな……と今更ながら思ってしまいます。


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