【彼氏】の意味が違いました。
Fさんにお菓子の差し入れと言うアタックを続けていましたが、中々手強いそうです。
私はなんも言えん…。
とても個人的な事を言いますが、好きな人が出来ると女子はキレイになると言いますよね。可愛くメイクしてみたり、おしゃれになったり…というか、好きな人が居るところに行くとなると、やっぱりおしゃれしたくなりますからね!
なので私は(若かったのですが)、CちゃんもFさんの為にキレイになったりするのかなと思って、ワクワクしてました。
ですが、特に気合を入れてメイクしてくる訳ではなかったんです。おしゃれが云々は人それぞれなのでは?と言われればそのとおりなのかもしれません。
ただ、Cちゃんの場合は別で……どうやら私の考え方が違っていたようなのです。
会社の中で、Cちゃんを気にかけてくれる大人が出来ました。
女子全般が大好きなシルバーのNさんです。私は仕事で一緒に働いているので、よく話すお爺さんです。
このNさんお話大好きですが、内容はスケベな話5割、仕事3割、パチンコ2割の人でした。
あの姉ちゃんは足が綺麗とか、お尻やお胸とかそう言うやつです。いわゆる下ネタです。
工場あるある、外では言えない話ですね。耳タコです。
私は…若かった事もあり、どうリアクションすればいいか分からなかったので、めんどいとスルーしがちでした。単純に苦手なのもありました。
なので、よくNさんに「大人になれば分かるよ!」言われてましたね。
ごめんNさん、今もわかんない!
そんなトークが好きなNさんですが、セクハラ的なことはなかったので(私はタイプじゃなかったんだと思う)お仕事で支障はなかったです。
それさえなければいいおじさんでした。
そんなNさんに時折「Cちゃんは仕事上手くやれてるか?」と聞かれたりしました。
Cちゃんには私の受け持つ仕事の補助をNさんとやってもらったことがあったので、Nさんはたまに話したり気になってたそうです。
彼女の部署のパートさんたちともパチンコトークをしていて仲良かったので、そこから彼女の事を聞いていたそうでFさんのことも知ってました。
(工場は噂話が筒抜けです)
「今はFにお菓子配ってんだろ?どうなんだ?」
「うーん、Fさんがね…」
「そっかぁ」
FさんはFさんで上手くかわしてる感じでしたし、Cちゃんも過度なアタックはしてなかったので、どうなるのか見守っている日々が続いていました。
それから暫く経ったある日の話です。
休憩スペースでMさんと話していたんですが、
「あ、午後からの準備しなくちゃいけないんだった」
「え、そうなの。じゃあもう行く?」
たまたま休み時間より早めに仕事場にMさんと戻ることにしました。
それで、仕事場に行ってみると休んでいるNさんの姿がありました。
が、驚いたのは
「「!?」」
その近くにCちゃんが横になって二人で話してました。
……爺さんと若い子でなにしてんよ?!
「ちょっと!N爺さん何やってんのよ!」
Mさんがびっくりして二人に声を掛けると、Nさんが起き上がって
「なんだいMちゃん、俺が横になってたらCちゃんが隣に来ただけだよ」
本当に横になって話してただけなのですが、休憩中の仕事場は電気が消されていて薄暗いので、パッと見た感じだと驚きました。
「なんだー、もうびっくりしたよ。N爺さんだったからさ」
「俺は信用ねえなあー」
なんか二人してはっはっはと笑ってましたが、Cちゃんは特にあんまり気にしてなさそうに、きょとんとしてました。
「あれ、Nさんと仲良くなったの?」
「はい。色んな話を聞いてくれるんですよ~!」
「そっか。Nさん優しいからね…」
アレな話も多いけどな…。
若干心配になりつつも話をしてると休み時間が終わったので仕事を始めました。すると、何時もより真面目なNさんが
「なあ、ちよがみ(私)」
「どうしました?」
「Cちゃんの奴ちょっとヤバいかもしんねぇ」
何かあったの?と思いましたよ。Nさんが女子にこういうの、まずないんですよね。
とりあえず休憩中に話すかと言うことになりました。
MさんやU先輩他、集まってNさんの話を聞く事になりました。
どうしたどうしたとMさんが言うと「まあMちゃんにUさんも聞いてくれよ」と。
Nさんが言うことにゃ。
元々、お昼を食べ終わったらお昼休みが終わるまで横になってるのが日課だったNさん。
何日か前から横になっているとCちゃんがやって来たそうで、行くとこがないからと話を聞いてあげたそうです。
「ありがとうねNさん」
「いいんだよUさん、Cちゃんがあまり馴染めてなかったのはわかってたからよ」
Cちゃんは、先の男性社員にメアドを聞きまくる事件から、同じ部署の男性には警戒され、女性からも微妙に距離を置かれてまして……。
皆さん仕事の話はしますし、無視をしてるわけじゃないですが、壁があるようで仲良しが出来てなかったのですね。
その、工場という場所はマジで噂が広がるのが早いです(少なくとも私のいた所では)。
回りの私達が言わなくても、スピーカーのような人が何処からか聞いて速攻で広めていきます。
なので、Cちゃんは入社して数ヶ月でもう有名になってました。
「その話の内容がさぁ、聞いてるのが俺みたいな爺さんだからいいんだけどよ…」
「うん」
「あいつ、彼氏がいるみたいなんだよ」
……うん、彼氏?
ついにFさんを諦めてしまったのか?
「彼氏……っていいのかわからんけどよ」
「どういうこと?」
ええ。そのNさんの聞いた『彼氏』はいわゆる体だけの関係の人らしく
「この前は○×(地名)まで行って会ってきた、その前は□□(地名)の彼氏の所に行ったってよぉ…」
「……ええぇ」
Nさんが聞いた話では、毎回会ってホテル行って帰ってくるそうです。
それで、Cちゃんは聞いてくれたNさんは話しても大丈夫だと思ったのか、何日か話すうちにホテルでの具体的な事も話すようになったそうです。
「それは彼氏じゃなくて、セ○レだよ」
「しかも、何人かいるらしいんだわ」
思った以上に強烈な話でした。
Nさんが聞いた話では、高校の頃から携帯で連絡を取って『彼氏』と会っていたそうです。
私には異次元の話でした。(この当時、年齢=彼氏いない歴の人間でした…)
今振り返っても、友達にも出会い系で彼氏作ってる人いましたが、普通のお付き合いしてましたし。にわかに信じがたい話だったですね。
○フレが何人も…しかもその年(当時)ですし。
話を聞いていたU先輩は驚いているようでしたが、先輩はこんな話を口にしました。
「実は…私には、前の彼氏がこんな人だって言っていたのよね」
「……え?」
U先輩は続けます。「だから、次はデートしたり楽しい事をしてくれる人を見つけないとね」って言ったそうです。U彼女の事を困ったと言いつつも、やっぱ心配してもいました。
何だかんだで後輩ですからね。
「俺もあいつに言ったんだよ」
なんて?と皆でNさんに尋ねると、
「女の子がそんな安売りするんじゃねえってさ。そしたらあいつ、言うんだよ『だって淋しいから』ってさ。
流石にあんな若いのに心配になってよ」
「まあ、うん…」
空気が重苦しくなる中で、Mさんは微妙な顔でした。
「心配なのは分かるよ、でもN爺さんも話を聞くのはいいけど気をつけなきゃ。あんなところで二人で横になってCちゃんに変なこと言われたら困るのはN爺じゃん」
「仕方ねえだろ。俺が寝てたらCちゃんがぴたっと寄ってきたんだから!」
「相手がビッ○ならなおさらだよ」
……ああそっか、○ッチって言うのか。
うん、でも私のイメージのそう言う人達とCちゃんが全然当てはまらないんですよね。
その後、U先輩がCちゃんにそれとなく聞いたところ、Cちゃんは思ったよりあっさり話したそうです。……えっと、恥じらいはないのね!?
「しかしなあ、あんだけ自慢げにいうんだ。自信があったんだろうなぁ」
Nさんのいうところは、つまり…いわゆる夜の方らしいです。
Cちゃんは、多分お付き合い=そっちの思考で、
女は見た目じゃない、テクニックだ!と思ってるんじゃないかと…。
後から考えると、Cちゃんは自分の見た目を気にしてないわけじゃなくて、魅力は別にあると思ってたと思えば…納得なのですけどね。
メール聞いてお付き合いにこぎつけて、押し倒してしまえばイケるかも……と思ってたかもしれません。
これはあくまで推測ですが(品のない推測で、すみません)
Fさんの事も『彼氏』に加えようとしてたのか、普通のお付き合いをしたくてアタックしていたのか、今となってはわからないです。
けど、男性達が感じた『なんかヤバそうな奴』はその通りだったのかもしれません。
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