かなもり君はまわりくどくて素直じゃない
というのが30年超付き合って来て、時々思う彼の一面です。ツンデレとかではなくて照れくさいから素直に言えないことが多いが正解でしょうけど。
たとえば、今年の冬から彼が転勤することになる夏まで、月に一回我が家で彼にプログラミングを教えていました。その元々のきっかけは私が彼に、プログラミングを教える副業を始めたのだけど、知り合いで教えて欲しい人いる?と聞いたことでした。
実のところ「プログラミングを教えようか?」だと気を遣って「いやいや、ええって」とか言いそうだったので、わざわざ回りくどいやり方をしたという面があるんですが。私もまあ面倒くさいことしてますね(笑)
ともあれ、そうして始まった月一回プログラミングを教える会、実態はどうだったかというと前半1~2時間は実際にプログラミングを教えていたものの、あとの時間は飲みながらひたすら駄弁るタイム。
ああ、なるほど。こいつも口実作ってたのねと思った私は飲んでる最中に、
「こういうの口実作るのも大変よね」
と言ってみたらようやく、
「まあな。こういう理由でもつけんと来づらいし(笑)」
との返し。これまで自分を誘い出した飲みでも理由を聞き返すと大抵「うん?まあ近く寄ったしなんとなく」とか嘯くのですが、あっちの嫁さん連れた席に誘っといてなんとなくもないよな、などと思うのです。それが彼なりのやり方なのはわかってるので今更どうこう言うつもりはないですが、あいつもあいつで素直に言えばいいのにとよく思います。
歴史や経済、戦争に加えてテクノロジーなど私とかなり趣味が重なる彼なのですが、加えて特に投資などマネー関連のお話が趣味だったりします。ただ、日本だとお金に絡んだお話って下世話とみなされがちって傾向があるのであんまり友人間ではしづらいと言いつつ
「こういう話(投資とかお金の話)できるの真一くらいやし助かる」
などと言っていましたね。
まあそんな感じで、時々まわりくどい彼との関係ですが、そういえば、いつからか、会った後の別れ際に拳をコツンとやる仕草―フィスト・バンプ―をやりたがるようになったことを覚えています。
最初にしてきたのは3年くらい前だったか。なんかのお話か別のコミュニティの影響か知りませんが、きょとんとしていた私に向かって「そうやない。こうやるんや」と、私の腕を持ち上げてコツンとさせたのを覚えています。
その日の帰りの電車内で調べて「なるほど、これはフィスト・バンプってやつで友情を確かめ合うみたいな時にやるのね」ということを知ったのですが、そういえば別れる直前、妙に寂しそうな顔してた気がするし、それでかとちょっと納得しました。
30後半で、まだなんだか子どもじみたやりとりをずっと続けてる、そんな関係だったりします。
なお、どこで知ったか、昨年のハロウィンで四人(私+嫁さん+かなもり君+まゆこちゃん)で集まったときは、まゆこちゃんも何故かフィスト・バンプを求めて来て、
(俺ら何やっとるんやろうなー)
と心の中でちょっと思っていました。ハロウィンのときは先にまゆこちゃんと拳をこつんとやったのですが、次にかなもり君とやろうとすると何故かスカっと拳が空を切る。二度やっても空を切る。
「おまえなー。何やりたいんや」
と言って三度目でようやくコツンみたいなことがありました。状況考えると、先に彼女と拳をコツンとやってたのがちょっと気に食わなかったんでしょうね(笑)。
結局、人間ってのは「大人」というガワをかぶった子どもだってのが持論なのですが、三人の間柄では「子どもの部分」を素直に出して良いという安心感がある気がします。
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