神社のお話
夜が近くなる。肌寒くなってきた。秋のにおいがする。
今日は祭りの日らしい。仕事終わりに、仕事先のパートさんが言う。
「今日はお祭りらしいよ。帰り道は賑やかかもね」とのこと。
仕事場近くにある神社でお祭りをしているらしい。
荷物をまとめて、電車の時間が迫っているので早足で歩く。
駅に行くまでに階段がある。急勾配で高さがある登りにくい階段。
階段を登ると右手にたこ焼きや、少し奥に飴屋、また反対側にはたこ焼き屋、的当て屋もある。少ない露店を見て、電車の時間があるので賑やかな道を通り抜けようとしたとき。
短い銀髪の、白い着物で白い狐面の付けた背の高い女のが2人、私を追い越した。うなじも死人のように白い。
2人が来た方を見ると、神社の本殿がある門が開かれていて、白い女の人が何人も出てくる。ぶつかりそうになり避け、道の端に寄った。
次は全身真っ黒の鴉天狗。腰には重そうな刀を持っている。これは男の人。それも何人も。
よく見ると周りはスーツ姿が多く、女も男も黒い服を纏っている。自分の格好を見ると、仕事の時に来ていく黒いパーカーに黒いズボン。髪も染めていないのでもちろん真っ黒だ。そして外に出ないため肌は異常なまでに白い。
さらに夜が深くなってきた。仕事場を出た時の空は茜色。階段についたあたりから藍色になり、すっかり濃藍色になっていた。
お祭り客がみんな道の真ん中を開けている。何か来るのだろうか。
私も避けたほうがいいのだろうかと思い、さらに端による。
興味を持ったので、「まあ電車一本流したところで」と思い何が起きるのかと待っていた。
前後で足をそれぞれ括り付けて二人三脚をした男の二人組が来た。
競争でもしているのだろうか。門にいる白い狐面女から小さな刀を渡されて。また走って去っていく。また、二人組。走っていく。また、来た。何組くるんだ?
どこにいくのだろうか。
誰かのところに向かっている?誰か来る?
なんでそんなに楽しそう?そして、観客のようにスマホをかかげて撮影をしている黒い服の傍観者たち。
変なお祭りだなと思い。目をつぶって。
ここで私の夢はおしまい。
夢話 雨思考 @aoiringototefu
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