弱点

 寧々、今日もかわいいな。

 愛らしい仕草が愛おしい。

 笑ったときも格別にかわいい。

 勉強も運動もできて、誰にでも優しい。

 優等生。

 完璧超人。

 そんな寧々に、俺は今から告白しようとしているのだ。 

 今すでに、目の前にいる。

「俺と…………付き合ってくれませんか?」

 沈黙が続く。

 寧々の顔が見れずうつむく俺。

 どれだけ待っても、何も返ってこない。

 我慢できずに見上げた俺が目にしたのは、無言で泣きじゃくる寧々の顔だった。

「え…………ごっ、ごめん。俺、なんか傷つくこと言ったか?」

 慌てて問う俺の耳に、予想もしない言葉が聞こえてきた。

「嬉しくて……涙が…………私を求めてくれる人がいたなんて……はい、私と付き合ってください」

 俺は、こっそり不敵な笑みを浮かべた。

 今から、寧々に刺激的な愛を与え始めよう。

 きっと、俺好みに調教できるはずだ。

 だって、俺は寧々の弱点を知っているから。

 それは、自分の意見が言えない点だ。

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