1他国1

第4話 荷馬車がゴトゴトと主人公を乗せていく

 はい、こちらラーマです。



 自分は、今、魔境といわれる領域を"自分の故郷とは真逆の位置"まで移動し、さらにはその先へと進んだところに来ております。


 途中、ゴトゴトと揺れる荷馬車(?)に強制的に載せられる格好になりまして、その荷台の金属格子の隙間から覗き見える風景といえば、空に飛ぶ鳥たち、風になびく草原、遠くに見えるは雪化粧の連峰などなど、初めて見る他所の国の風景であります。



 それらを眺めながら異世界というものは、かも風光明媚なのかと……



 と、静かに過ぎ去る自然は心を落ち着かせるものなのだと、そう感じております。


 なにせ、自分ちとなる実家の村近くの森なんて、自然が豊かすぎて逆に牙を向けてくる自然ですし?


 下手すりゃぁ命懸けという自然がご近所様に存在してるよりも、ただただ風景が流れていく自然の方が、病みかけた心が少しでも癒されるというものです。



 と、ゆらゆらと揺れている荷台にて、重量感のある金属性のアクセサリーをと奏でているBGMに見立てながら移動しております。



 俗にいう、鎖につながれた状態で貫頭衣一枚の亜人の方々と一緒にネ!!




 いやぁ、長耳(エルフ耳!)とか、もふもふ耳(獣人耳!)とか、今世でここまではっきりとした亜人の耳なんて、初めてじっくり見れたね。


 前世だって創作物にしかないし、こういう本物がほんの数cm先になんてない。


 記憶を思い起こせば、子供時代に突貫したナーロッパな世界のはずの領都や王都ですら、それらしいのを一切見ることもなかったファンタジー成分の代名詞ともいえる存在が、今まさにこの小さな空間で全開しております。



 当初はね、多少興奮しても仕方がないと思ったんです。



 ただね、惜しむらくはエルフ耳の人って美形ばかりかと思ってたら、普通に普通の顔ばかりだった。

 中には、髭面のオッサンもいるし、筋骨がしっかりしている方だっておられる。


 というか、三個のトライアングルな世界で"ハイ"で"ラル"っている人たちみたいな?そんな感じとも言えます。




 一方、獣人って、人の顔で獣耳が頭頂部にあるかと思ったら、あるにはあるのだけれど、獣頭で人の体っぽい恰好がほとんどだった。


 いや、人の顔でと思ったら、そういう人はいないというか、普通の人の耳の箇所が毛むくじゃらの耳?になってるという、なんというか、羊?ヤギ?、巻きヅノがあるから、そのツノはちょっとかっこいいかなと思ったりはするけど。




 ただね、惜しむらくは、同乗している方たちが、どうみても"野郎"ばかりでした。


 も一つ言うと、どの方たちも"この世の終わり"という表情をしながら首を垂れては座っていおります。



 そんな仄暗さと湿気が蔓延する中にいるのはなぜなのか?



 鎖につながれている時点で、大まかというか答えがほぼ出ていますよね。

 つまり、人身売買そういう訳だと思うんですよ。



 というか、それ以前に問いたい、問い詰めたい、小一時間ほど問い詰めたい。



 この荷馬車に自分を入れると決めたやつ、お前どこをみて「野郎・・の馬車に積み込む」を選択したのかと問い詰めたい。


 もう一つの馬車は、お姉さんたちバカリだったというのに、なぜそちらではなかったのか?と問い詰めたい。



 ふぅ……落ち着こう、物は考えようである。



 いま現在、ロハタダで移動手段を手に入れたともいえる訳である。



 ちょっと、いや、かなりの獣臭と、口から虹が発生した跡地は、その……慣れてしまえば、どうという事は……



 どうというコトハ……窓際に移動しとこ。



 うん、乗り心地が最悪だし、乗り物酔いしたら悪いからね、シカタナイネ




 さて、本題にもどりまして、同乗する理由としては、なにせ、向かうはよそ様のお国である。


 そのため、"地理などの知識はさっぱりわかりません"ってところがある。


 また、こうして商品として扱われているって事でもあるならば、つまり、表の稼業だろうと裏の稼業だろうと、とりあえずはそこそこ大きな街につくだろう。という打算が出てきたわけです。



 というかするっしょ?

 ……するよね?


 このまま僻地の開拓村へポイッはないよね?


 なにせ、聖神国っていう仰々しい名がついてるし、LIGHTでLAWな国でもあるでしょうし。


 ……



 いやまて?逆にあの世界みたいなLIGHTでLAWな国なら、普通にやりかねないか?

 選民思想がどうとかを空間歪曲レベルな思考で。




 ……

 ちょっと自信なくなってきたわ……



 い、いや大丈夫。


 こんな手枷や足枷なんぞ、"えい、えい、ふん!!"とやったときに、あっというまに解決できましたし。


 というか、やってしまって"ヤバッ!"って思ったりして誤魔化すために、"ふんぬっ!"と、似たようなものを作って戻しはしましたが。





 あぁ、お空が青いなぁ……




 そもそも、こんなところに来たのかといいますと、一応は目的がありまして……





────────────────

 それは、元・妖精さんたちの肉体を変化させた"この自分のオリジナルの魔法?魔力?魔術?というものが、一体何なのか?"という疑問がおきたわけで。



 なにせ、元・妖精さんたちの肉体を改造できたり、自分自身を魔女でもなく肉体改造マチョ化もできてしまうからである。



 そういえば、植物に対しても品種改良という認識でしかなかったが、これもよくよく考えれば、一世代においての生命的な改造?変態?がなされているという事でもあるな。


 ってことはだ、遺伝子レベルで分解なり再構成なりされて、変異や変態なんて事をやってるわけだ。





 ……なにそれ、普通に考えたら怖。





 そういえば、ニチアサのマホーショージョたちって、変身する度にこんな事をやってるってるともいう。

 物質変換もあれば、物質創造までやるとか……




 ニチアサとかのマホーショージョも怖っ




 という、しょうもない前置き(?)は置いておいて、今いる世界の魔法や魔術には、そういう事が出来ないのは、小さいときに集会所といえる教会の勉強会で習った。


 見た目を変化させるものであるならば、例えば、相手に誤認させる幻惑みたいないものだったりというのがあるというのは習った。


 けれど、見え方を誤魔化してるだけ(それはそれですごいけれど)であって、根本的には肉体は変わってはいない。


 見た目ではなく中身を変化させる方法であるならば、身体強化という形で肉体の強度や筋力などを底上げしたりするのがあって、例えば、カーチャンの天地が覇王の拳"一撃必殺!"の必殺技を伝授された時がまさにそれ。


 あと、原理がよくわからないままだったが、魔法の定番といえる放出系の火の弾とか飛ばしたり、水を出したりする奴ぐらい。


 けれども、物質そのものを大きく変異させたりするのは、集会所での魔術の授業でも、身内からもそういうのを習ったり教わったりした事はなかった。



 というか、"そんなものは無い"とも言われた。



 そもそも、この変な魔法(?)らしきものは、身体を動かす事がまともに出来なかった乳幼児の頃に、暇という時間を持て余した為にやってた事で、誰からも教えてもらう事もされずに独学で取り組んだ結果、みつけたモノである。


 前世知識を活用し、やっとこさ感じ取った魔力?なる物を"えい(濃縮)!えい(凝縮)!むん(収束)!"とやると、魔力とは異なるナニカに変貌する事を発見して有頂天になってた自分がいたね。


 で、どこからそうなるのかと、凝縮というか収束の方法を、1の器に1を入れるところから、0.1の器に1を無理やり入れる、それを0.01の器、0.001の器と桁を変える格好でやっていった。


 何度も検証した結果"虚空(10の-20乗)"以下の器に"那由多の桁(10の63乗)"以上の容量を収束してから変貌してしまう恰好になる事は突き止めた。



 まるで、"清浄10の-21乗不可思議10の64乗"な経験って感じだったのを覚えている。



 けれども、成長して集会所での勉強部屋に通う頃、自分はもう出来るんだぞーと、ワクワクとしながら集会所で魔法の事を一から教わったときに"アレ?"と思った。


 教わってる内容が、自分の知ってる内容と、ナンカチガウ、と。


 その時に、一番気づいた事を上げるならば、魔法や魔術ではできない、キズや病だって治せれるほどの万能な代物と気づいた点である。


 ちなみに、教会の牧師様が"奇跡ミラクル"を使って小さな傷を癒すとかいってたけど、どうみても普通の地方診療的な医療行為だったが……


 あとは、掃除で綺麗にする事がしやすいとか?ピッカピカにも磨きやすいとかかな。


 そうそう、除菌みたいな事もできてたはず。


 衛生管理は生き延びるのに必須でしたから必死で"出来ろ!"と取り組みましたし、あと、その逆に発酵や促進もできたので、漬物も美味しくできました。


 けれども、この不可思議魔力(?)に関して、他には何かないのかと、一時は農村の中の集会場にある小さな図書棚を漁ったり、魔法オタクの下の兄者や、かーちゃんのじーちゃんから色々聞きだしてみたが、それらしいことは一切出て来なかった。



 そこで、今更ながら、もしかしたら元・妖精さんたちなら、何か知っているかもしれないと思い、アジトでだらだらと数週間過ごした後に思い出して聞いてみた。



 すると、ご年配の方(ご老人らしいけど、どうみても若年にしか見えない風体)から、そういった伝承があったとかなかったとかで、長い長い昔話をされたので省略するけど、その話の結末から"神の御業、神力の奇跡ミラクルそのものでございます"と伝えられた。



 ……

 カミサマのミワザ……シンリキ……ミラクル?

 ナンデスカ、ソレー?



 という新たな情報に、さらに混迷に拍車をかけてくれる訳が分からない回答を得られた。


 そもそも、話の中に出てきた、この魔力を凝縮?濃縮?する方法っていうの、わいらの一族は普通に使う。


 ただし、自分みたいに変質はしないけど。


 というか、下の兄者が自慢げに"凝縮して溜めておいて、後で還元して魔法発動するほうが、魔法の質と威力が段違いになるし、融通きくから便利だぞ?ラーマも覚えておきな"と、魔法オタク下の兄者から、に教わったのだが、その後、習ってみれば村では常識の範疇であった。



 圧縮や濃縮方法を自分が見つけたと思ったら、下の兄者どころか村では常識だったのが悔しかったので覚えている。



 とまぁ結局は、元・妖精さんたちでも、詳しくは分からないという事が分かった。



 この"清浄な不可思議なもの"になってしまっているのが気になって仕方なくなったので、これは徹底的に調べなければ!と、研究職だった前世の血が騒いだのか、調査の旅に出ることにしたわけです。


 そうなってくると、やっぱり"異世界あるある"の「宗教国家」にでも赴いて調べてやれと思ったわけです。


 元・妖精さんの仰られる(そういえば、言葉わかるようになったな)には、神様の奇跡であり、神の御業とか何とか言っていた。


 ならば、そういう"カミサマ"関係ならば、何かしらの情報が得られるであろう場所があると。



 なにせ、この世界には"勇者"がいるのである。

 ……あれ?そういや、いまだと"いた"になるのか?まぁいいか。



 そして、勇者の物語が語り継がれているのである。


 実家の農村の公民館的な大きさの教会でも、文字の読み書きの教科書として扱われた聖書の物語の中に、そのパーティーメンバーの中に"神の力"といえる"神術"とか"法力"とか"奇跡"とかいう聖職者や聖女様が登場していた。



 聖書?教科書?で、そういう教えが使われていたぐらいである。



 となると、そう言う場所には、神様の威光や奇跡なんて物もあるはずで、元・妖精さんの言う、自分が使っている"神様の御業"つまり"神力"っていう物の、何かしらの手がかりもある、という寸法です。



 それならば、一代宗教の総本山ともいえる"聖神国"で詳しく知るために突撃ぃ!と考えに至った訳です。


 あまりにも暇すぎて、だらけるのに飽きたわけではない。



 そうして、新たな土地へ踏み出し、第一宿場村を発見しては突入し、宿にて夕食をとったら、とてつもなくすごい眠気がきたので個室のベッドにダイブしたわけですよ。



 そしたらね、気が付けば格子に囲まれた荷車の上に"ポイッ"されてました。



 どうやら、旅人狩り(?)の村とはしらずに、一泊してしまった模様。

 土地が違えば、国も違いますし、文化も違うものなんですね。



 治安の違いがここまでだったとは、このラーマの目を持ってしても……



 朝日が昇った頃合いには、荷馬車がゴトゴトとラーマを乗せて行ったわけです。

 同乗者もいたけど。



 あと、やっぱりとなりの荷馬車が良かったかな。



 なにせこちらの荷馬車は、加齢・泥・汗・獣・ゲロの四重奏をかなでてきてるし……


 おねーさんたちが乗り込まされて行ってたし、あっちの方が匂いいいかもしれないし……



 ちくせう!!


 自分をこっちの荷車に載せたやつ、覚えておけよ!コンチクショーメ!










─────────────────────────────


 異世界の車窓から

 今日は、"聖神国"と思われる国の街道を進む車両から──



 異世界には、色々な風景があり、それらは、乗り心地の悪い車体にゆられ、時折、荷車の中から流れてくる"うめき声"ともいえるBGMと共に、ゆったりと時間が流れていきます……あと、とてもクサイ。


 見える景色は、草原があり、川があり、荒野があり、森林があり、食事があり……あと、荷台に虹色ゲロの装飾が新たに作られています。


 そうして運ばれている道中、出される食事なるスープは、塩味だけをきかせただけの、素材の味を生かした代物である。


 一緒についてくる皮付きの芋も、これもまた、素材の味を生かすために茹でただけの物である。


 たまに出てくる干し肉らしきものは、塩味をしっかり利かせすぎて、保存を第一に適応させた代物なのだろう。という考えをさせてくれる物が提供されています。



 一緒に乗っている同乗者たちは、それらに手を付ける者もいれば、無視して何も食さない人もいます。

 そういった仕置きをうけながらも、タダで便乗する日が続いていきます。



 この道はいったいどこまで、そして、どこに続いているのでしょうか。



 途中、町らしきところに立ち寄っては、載っていた人たちが一人いなくなり、二人いなくなり、三人いなくなり……と徐々に減らし、荷台の中の一人当たりのスペースが、だんだん広く確保されていきます。



 ……えっ?あれ?自分、売れ残り?

 


 魅力なしなの?やはり胸か?胸が必要なんか?

 せめて、たわし以下の金額で取引きはされないでほしいかな?

 耐え難い事で、イキュラしたくないし……



 とまぁ、余裕がありそうな奴隷根性を生やしかけていました。



 というかね、奴隷の象徴ともいえそうな、この魔法が発動しなくなるという首元に薄く光る首輪みたいなものが、元々はここにあるのが当たり前というぐらいに、フィット感を感じてしまっている状況です。


 そういや、安心感があるのは何故なのか。

 前世ではマゾではありませんでしたよ?けど、もしかしてそういう扉開けて……



 …‥‥

 よし、思考を変えよう、これ以上はいけない。




 あと、自分の扱う不可思議魔法が、一般とは異なりすぎるモノなのか、こういうアイテムの効果が、まったくもって一切効かない事に気づきました。


 それは、茹で方があまかった半生の芋を食べる気になれなかったので、何とかなりませい……と"ギヴ!アップッ!SAYッ!!"と込めてみたら、何とか食えるものに変化したことで発覚した。"あれ?使えるじゃん。"と。



 あと、ついでに言うと、その時、首輪君がサラサラと粉みたいになって消えていった。



 んで、"あ、ヤッベ気づかれる!"と思ったために、今は首に巻いてます。



 ……あれ?

 今ごろになって気づいた。



 何であの時"気づかれる"と思ってんだ?

 何故?


 謎は深まるばかりで、うーん……?



 ……ま、いっか。



 なにせ、この国の地理をしらないし、ちょうどいいかと便乗した訳で。

 つまり、そういう訳で、そういう事なのです。


 とまぁ、色々と考えさせられる事もありましたが、軽装備だったけれども旅荷物云々が無くなったのは痛手なぐらいで、あ、オヤジ様から、旅の餞別にと頂いたカスタムしたバスタード・ソード(無くした時用にと、ガキんちょ達から餞別で頂いたペンダントを埋め込んで、例の神力?でマーキングした物)も、どうやら別の馬車で一緒に持ってきてくれてる様です。



 どこかで落ち着いたら、少なくとも、あれだけは取り返すべきですかね。



 ほんと、こういう時に、空間収納とかあれば便利なのになーと思ったりはしましたが、そういうのは無いのですよね、この世界。


 よくあるナーロッパ世界みたいな感じなのに……

 "異世界あるある"っぽい奴ですけど、この世界ではダメみたいです。



 ただ、はっきりわかった事といえば、物質変換という奴はあるみたいです。

 肉体変化とかしてますし、首輪も作り直しましたしね。



 というか、出来る事を出立前のあーだこーだで知りましたね。


 この変異した魔力(?)神力(?)って、ほんと、変化的なのは好き勝手に思うようになるみたいです。(自分は除く)


 その、知ることになった出来事はというと……


==============================


 妖精さんたちの身体が変異したのをきっかけに、自分にこう弄繰り回すにくたいかいぞうをしてたら、一応、バルクがバルクになって成長した姿にはなれました。



 イメージしてた胸の種類ちゃうねん……

 これ"膨らみバスト"やのうて"厚みバルク"やねん……



 と、悲劇喜劇に見舞われたあとで、あ、これって、もしかして、もしかしたら物質的なもの、例えば、両手を叩いて地面に触れたらっていう錬金の錬成みたいな感じにならないかな?とね。



 ファンタジーちからでいろんな物、作れるんじゃね?と。



 まずは実験として"えい、えい、ふんぬっ!!"と想像力と気合と熱意を、秘密基地の壁に手を当ててぶちこんだら、白亜の刀剣が生まれ出てきましたね。



 壁から、床から、



 ……ハハッ

 どこかのネズミレベルでの乾いた笑いしか出なかったです。

 ファンタジーちから恐るべし……と。



 その時に、色々とオタクパワーで妄想したためか、いろんな形の剣やら刀やら槍やら鉾やらが、剣山かの様に怒涛の如く溢れ出てきた時は、正直、ビビりましたが……



 というか、七支刀って何よ、七支刀って。

 これ、実戦にどう役立つんだよ……



 なお、それらは全部、月白?白亜?もう、よぅわからんけど柔らかい白い色に淡く光る形となっております。


 そして、それらは秘密基地の標準装備品となり、それらを扱えるように元・妖精さんたちと、あらたに加わった多種多様の種族の方々が、日々、研鑽していたみたいですが……


 その様子を見に行ったら


 元・妖精お兄さんズの、弓使いが超ヤベェ、金属製の弓と弦を三矢同時撃ちとかでつかうその腕前もすごいけれど、その姿が様になりすぎてて怖い。

 これ、ロードがリングとかのどっかの俳優さん?レベルなお姿だよ。


 あと、何気に七枝刀つかってる、元・大鬼オーガのお兄さん達が、超絶テクニシャンで、相手の武器をからめとって、というのをしててめちゃくちゃ使い込んでて驚いた。

 つーか、元・大鬼オーガ衆のサムライ的な刀術かっけぇ……

 オネーサン方々も、薙刀とか様になっております。



 ほかだと、元・小鬼ゴブリン衆のニンジャ的?アサシン的?スパイディ的?な動きキメェ……

 何だよあれ、投げ苦無にワイヤーからませて、立体起動さながらに使いこなしてるよ。

 射出装置ないのを技量や技巧でカバーって、そういう使い方なん?あれ。

 というか、オジョーサマ方の闇装束が白色とかどうなってんの?そして、どうみても"く"がつく"ノ一"なんですが?



 あと、元・豚鬼オークさんは、開発畑の事務・開発仕事にいそしんでおります。

 が、銃器の事話したら、独自開発に成功して、小銃を標準装備になっておりますしというか、CQCもどき教えたら、室内戦闘ヤバイ集団になりおった。

 あ、調理部門でもあるので、美味しい料理の開発もしております。



 元・牛鬼ミノタウロスと元・馬鬼キンナラ様たちは、重武器もって重戦車やってます……何あのパワータイプ……。

 ヘビーアックスとか軽々と振り回してるし……

 あと農耕としての馬力もヤバイ工兵と輜重能力がとてつもない集団になりおった。

 機動力やばい、ランス突撃やばい、騎兵ってこういう事いうの?と理解した。

 基本、食料調達・農業部門なので、銀蝿したりしてはイケナイよ?後が怖いから。





 ま、まぁ?アジトがいろんな方々による、いろんな使い方があるんだなぁと、感心してしまったけれど、うん・・・ひとつの大隊が出来てしもうたけど……ナニコレ



 その中でも特に興味と関心を持たざるを得なかったのが、ランスやハルバードにグレイヴとか、長物武器を扱うチームのお姉さん方々だった。

 その、背中の翼を展開しては空中で訓練してる姿が、どうみても戦乙女ヴァルキリーっぽく見えた不思議。



 ただ、ただね……


 薄着の布切れ一枚の上半身……、あのグラマラスなスタイルとなるとね……、とある場所が"バルンボルンしよる"のを見せつけられてね……


 忍びなかったたえられなかったので、鎧一式も準備させて頂きました。



 耐え難きを耐えた人たちって、尊敬に値します……ハイ……



 あの時は疲れた。

 なにせね、一人に作ってあげると、他が羨望の眼差し状態なんですよ?そんな視線に耐えれませんよ……全員分となると、さすがの自分も疲れましたよ。



 注文受付で、男性陣と女性陣でも意匠とか替えた方が良い?

 同じ色見になってるけど良かったんですかね?え、よかった?そうですかハイ…

 鎧飾りなどは、各人のチームや種族でそろえるらしいので、そこは、お好きにどうぞとしておいた。


 ただ、元・大鬼オーガさんと元・小鬼ゴブリンさんたちには拘った。

 和装の鎧甲冑ってかっこいいじゃん?面頬とかもこだわったよ?

 鬼神っていう格好になれるぐらいにさ。倭刀とか長刀とか長巻とか脇差とか十字槍とか。

 忍者っていいじゃん?忍び装束でこう暗躍?するの



 なぜにそういうのが詳しいかって?

 刀剣や侍や忍者の類は、日本男児の嗜みであるからである。



 その後、とりあえずの達成感を得られた後、自分の魔力(?)調査に赴くべく伝えると、いろいろな方たちから、従者として付いてくるとか言ってたけど、一人でウロウロする方が何かと融通が利くので、お留守番とアジト周辺の警邏や整備とかお願いしておいた。


 ついでに言えば『おまえ、どこ中よ?』な感じの季節風に、T-レックス(?)くんさんたちが、またも徘徊しはじめてたので、最悪、畑に被害が及ばない様にとお願いしておいた。



 無益な殺生は禁止で。

 もちろん、無益じゃなければ、成敗してよろし。

 生態系を狂わせないぐらいでよろしく。と。



 そうして、ようやく一人単独という事で、色々とその摩訶不思議な魔力(?)を使う事で、身体をいじくって変化させた格好で出立した……。



==============================


 いまでは、懐かしい思い出(数か月まえ)になっております。

 そんな過去の思い出に浸っていたら



「おい、とっとと降りろ!」



 とまぁ、回想に浸って脱線しまくっていたけれども、ついに自分がお呼ばれされる時がきました!


 強制的に小脇に抱えられる格好で降り立った先は、いつの間にかどこかのお貴族様が住んでそうなお屋敷?みたいな裏口です。




 どうやら売れ先が決まったようです。




 ここまで色々と、そんなこんながありましたが、新しい国では子供Verにくたいへんけいのじゅつの姿で、奴隷商の商品となっている状態からRE:スタートです!







 というか、子供の商品を購入する貴族ってさぁ……(察し


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