第81話 vsカンテン
【カメレオン】に勝ち、俺たちが勝ち上がったことにより、トーナメントのベスト4が出揃ろっていた。
カンテン率いる王者【鬼没は御守り】vs爆速速攻【超速ネット網】
伸ばすよ伸ばすよどこまでも【ケミカルダックス】vs俺たち【カラスは巡視者】
の4チーム。
二つ名は俺が適当に考えた。カンテンから教えてもらった情報と小田川さんが教えてくれた情報を得た上での二つ名だ。(どんなチームかは想像してくれ)
ギャラリーの予想も加味して決勝は多分カンテン率いる【鬼没は御守り】だろう。
多分大番狂せはない。誰もがそう思っていた……
んで勝った。一番乗りで決勝へと駒を進めたカンテン達。
そして俺たちはというと……
「え!? 決勝戦進出!?」
「はい、準決勝の対戦相手の【ケミカルダックス】が体調不良を訴えて棄権しました」
ということで、もう決勝だ。
え、はや!! なんかサラッと進んじゃった!!!
上に進んだ実感が!! ない!!!
「え、ラッキーじゃん。すんごい偶然だな」
「………お前、下剤入れてきた?」
「ゆ、ゆ、雄馬くん?? 俺がそんな外道みたいなことするやつに見えてるの???」
「まぁな」
「イキランデモロテ〜??」
決勝を賭けた大一番でこの結果はちょっと拍子抜けというか……ありえへんかな……って思って味方を疑いました。
あおりならやらかしかねないと……
「まーちょっと残念だよな。ちゃんと準備してきたしな」
「そうだな。あとなんか実感できねー上に上がったことが」
「確かにそうやけど、ここを切り替えられるかどうかやぞ。現実を受け止めきれてない状態で次の試合に臨むのが一番危険。不戦勝ってタダで上にいかせてもらえていいかもしれないけど、そこの切り替えができてなかったらタダもクソもないから」
「なんだよ急に。なんかええこと言うやん」
「ま、色々あってな」
あおりが今まで見せたことない暗い顔を見せた。過去に何かあったのだろうか。
けどこれ以上踏み込んではいけないと思ったのか、俺は話を話題を変えていた。
そして決勝戦を迎える。
****
《ボーイズandガールズ!! とうとう決勝戦だぁぁぁぁぁぁああ!!!!》
大会進行を務める者が叫ぶと同時にギャラリーも叫んだ。会場のボルテージは最高潮に達していた。
《今大会も大詰め!! 今年度の王者が決まる世紀の一戦!!! 」目ぇガン開きで刮目してくれ〜!!
Aブロック代表ぅぅう!!》
バンッと音が鳴ると同時にステージの照明が消え中央に存在するモニターに映像が映る。
《先ほどの本戦でも危なげない神プレイを見せてくれた革命児達。だがもはや! 彼らを革命家と呼ぶ者は誰一人としていない!! また見せてくれ! 我々をたぎらせる神業を! 我々を魅了させてくれ! 王者よ! 【鬼没はお守り】ぃぃぃいいい!!!》
真っ暗なステージに指すスポットライトの光はまさに王者が降臨したかのような神々しさだった。
そしてギャラリーに手を振る彼らに発狂という最高の返しをするギャラリー。
完全にカンテン達の会場。誰もこれから登場する俺たちを求めていないだろう。
だが負けてられねーんだ。最初は合法的にゲームしたかっただけだったかも知れねぇ……陳腐な理由だったかもしれん。
けどここまできたんだ。そして好きなゲームで戦えてんだ! 最良を尽くして勝つ。王者を引きずり落とす反逆者となろう……
《Bブロックぅぅう!! 誰が彼らを認知していた?? 破竹の勢いで存在感を示す彼らの存在を!! もっとこい!! もっと示せ!! 今宵のカラスは何を食す!? 【カラスは巡視者】ぁぁぁぁぁああ!!!!》
俺たちはスポットライトの光を浴びた。んっ……眩しい。ここに立たせてもらっている光栄さを実感させられる光。
《両チーム登場してきたということで〜改めて【鬼没は御守り】から!》
進行の人からカンテンがマイクをもらっただけで歓声が起きる。やべ、めっちゃアウェイだ。
「やっぱ第五人間楽しいな! 以上!」
「いや、もっとなんか言いなさいよ! 私たちが王者っていうのをねぇ……」
「無理無理。マリットだってわかってるだろう。カンテンは自由さが取り柄だと」
「そ、そうだけど〜!!」
「お、落ち着こうよぉ、色んな人に見られてるからぁぁぁぁああああ!! ほんまやぁぁぁぁあめっちゃ人に見られてんやぁぁぁぁあああ(泣)」
「……ウルサイ」
はちゃめちゃだけどカンテン達のチームの良さがひき詰まってるトークに会場大盛り上がり。あちらこちらでゲラゲラ笑っていた。
……やるしかないか……場の空気を一蹴する“アレ”を……。
《いや〜流石でしたね。最高のトークをありがとう! では次はチャンジャーである【カラスは巡視者】!!!。
ギャラリーはカンテン達のパフォーマンスの話で盛り上がり俺たちを見ているのは少ない。今までの見たアニメで場を変な空気にするやつはアレしかない!!
「お、お〜い? UMA?? なんか思い詰めた表情してますが〜?」
「青リンゴ……やってくる。回収頼んだ!」
「UMA……! やるんだな……! 今! ここで!!」
「あぁ!! 勝負は今!! ここで決める!!!」
そして俺はマイクをあおりに預けて走り出した。目的地は………“ギャラリー”。
俺は勢いよくステージから振り切りギャラリーに飛び込んだ。
ボガッ
驚いたギャラリーは咄嗟に防衛本能が発動し、危険物質はそのまま地面に衝突した。
「「なにやってんだよぉぉぉぉぉ!!!!???」」
あおりと小田川さんの声が聞こえた。
*ただいま映像の乱れがありました。少々お待ちください*
「何やってんだよ!?」
「何って……体張ったんだよ! 新参者は体張ってなんぼだろうが!!」
「昭和か!? 昔の芸人の考え方やぞ! それ!!」
俺の渾身のパフォーマンスを軸に喋っていく。最初、俺たちなど眼中になかったギャラリーだったが今では奇妙な物体を見るかのように俺を見ている。
よし! 成功だ!!! ぼっち・ざ・○っく! ありがとう!!!
「あと! 絶対あれボザ○のやつやん! オチまで完コピかよ!!」
「ふふふ……これは事前にギャラリーにも仕込んでおいたのだよ」
「もっと違うやつあるだろ!!」
「あれやるなら普通終わってからじゃないのー? 優勝したら許される行為でしょー」
「ノーネルもそう思うよな!」
「あんたのせいでいい男逃げたらどうすんだ〜!!」
「どう責任取るつもりだ〜!!」
「ここに来てまで全くブレねーな!? 二人は!?!?」
俺たちのマシンガンラリーでギャラリーの混乱状態から爆笑へと変わる。
やっぱり人の前で試合するにおいて“空気”は大切だ。何事にも。
空気感で戦う前から勝負が決まることだってある。やる前から負けるなんてまっぴらごめんだからな! 体張ったぜ!!
俺たちがまだトークを続けている中隣は……
「やるね、彼らも」
「ここで流れボンッと持ってこれたらよかったのに」
「た、ただでさえ情報が少ないのにぃぃぃぃぃい!! ど、どうしよおぉぉぉぉぉお」
「………」
「まーこんなんで終わる連中じゃないってわかってんだろ? 気楽に行こうぜ〜」
とうとう始まる。運命の一戦が……強者が激突する。
(ぶっ潰す、徹底的に)
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長い長い長いことお待たせして申し訳ない。色々と終わりました!\(˙◁˙)/
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更新報告(?)みたいなやつもやるつもりです!
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