第67話 狡噛レンの復帰&ぶちまけ
【狡噛レン1日復帰!】
突如ぐらぶるダクション側から発信されたこのツウィート。
こんな話題を世間は黙っちゃいない。
今現在、ぐらぶるダクションの報告ツウィートが荒れまくっている。
向井の真実が証明された今はアンチではなく、普通に驚きのツウィートで。
《マジで????????》《レン復帰!!》《㊗️》《おめでと〜!!!》《冤罪くん復帰配信!!》《狡噛レン復帰!!!!》《復活の時だ!!!!》《本当に復帰おめでとうございます( ; ; )》《やばい、、、泣けてきた》《マジで嬉しすぎる!!!》《この時ずっと待ってた!!!》《けど1日ってどういうことだろう?》《それな、これから復帰するなら普通付けないよな》《まんまの通りに普通に1日だけ復帰する説ww》《いや、ねーだろ。冤罪だったんだし、今一番話題あるVtuberが復帰しないわけないだろ?》
このようにさまざまな憶測が飛び交っている様子を一人、ずっと見ていた。
「……やっぱネットって怖いな……」
ずっと見ていたこのツウィート達。
これは“俺のファン”じゃない。
いや、そう断言するのもおかしいか……けど、顔出し配信者のレンと狡噛レンが同一人物だとわかっていない人たちが盛り上がっている。
前に作ったデェスコードでついてきてくれた人たちには説明してある。今回俺が狡噛レンに1日復帰する理由を。
だからこそ今もついてきてくれるファンはぐらぶるダクションのツウィートに反応していない。
本当に見覚えのないアカウント達が騒ぎまくっている。
事実が変わった瞬間、この掌返しよう……ちょっと鳥肌がたつ。
今まで俺を叩いてた奴らが今度は俺を祝福してると思うと………“怖い”。
……だからこそ、俺にしか伝えられないこと。それを今日を使って伝えようと考えた。
今日復帰するのはそのためだ。これを経てちょっとでも変わってくれたらいいなって思う。
俺はそう胸に誓い配信ボタンを押した。
****
「こんがみ〜!!!!」
【1日復帰とは?】【復帰おめでとうございます!】【おめでとー!!】【信じてた!】【よくぞ戻ってきた!】【こんがみー】【この声だよ、この声だよ】【復帰おめでとう㊗️】【こんがみ〜】【1日復帰ってどうゆこと?】【1日ってどういういみ?】
狡噛レンのチャンネルアカウント消していたため、また新しく作り直された出来立てホヤホヤのチャンネルなのにも関わらず、チャンネル登録者数は50万を超えていた。
今回の配信の同接人数なんて30万もいた。
話題になったからって……いくらなんでも多すぎだろ。
この人数は想像してなかったから萎縮しちまうよ。
だがしっかり持ち直し方を開く向井。
「みんな祝福ありがとうな!! 1日はそのままの意味だ! 俺は狡噛レンとしては活動しない。今日限りでな」
【え、もったいな】【なんでなんで!】【レンの配信ずっと見てたい】【今話題になってるからこそ出てきたんじゃないの?】【巨大なビッグウェーブがきたからな!】【乗らないんかよww】
30万もいたらそりゃいるだろう。冷やかしに来てる奴らも。
そんなの無視だ。なんのために復帰したと思っているんだ。そんなんに構ってないで話を進めた。
「今日復帰したのはな。俺にしか伝えられないことを伝えるために復帰した。
俺の話を聞いてほしい。そして聞いて少しでも変わろうと思ってくれたらすごく嬉しい」
【なんか真面目な話?w】【ゲームしないの? ゲーム】【話なんかいいからゲームしろよ】【分かった】【お前の特技ゲームやん】【ひさしぶりにレンのゲームしてるとこみたいな】【耳かっぽじって聞いてます】
少し深呼吸。話したいことを頭の中で整理して………口を開いた。
「今まで俺を叩いてたアンチ共! ざまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!」
冷やかしでゲームしろとか言っていたリスナーのコメントがピタリ止まった。
時が止まったかのようにずっと流れていたコメントが止まった。
「アンチ共ぉ〜今どんな気持ちなんかな〜? 俺無実でしたよ? あなた達無実の人間叩いてたんですよ? なんか罪悪感でも抱きましたかぁ〜??」
向井の問いかけに誰もコメントできない。できないというよりしていない。
そりゃそうだ。ただの復帰配信だと冷やかしできたつもりが、自分達がターゲットでなんか煽ってくるではないか。
驚きで誰もコメントを流さない。
「まー抱かないか〜。抱いてたらアンチなんてしないよね? 本当にアンチの心境わかんないわー」
未だにコメントが流れないが畳み掛ける。
「皆さんデジタルタトゥーって言葉知ってますか? ネットで流れたことは一生消えないっていうのを比喩ってる言葉なんだって。
ネットで流れたことは一生消えない……すごい重いですね。そうなんですよ! ネットにあげることってすごい重みがあることなんですよ!
けどアンチしてる人達〜? あんた達がやっている言動って“軽く”な〜い?」
所々、【え、なにこれ】【???】とコメントをする人が増えてきた。
けどそれをフル無視して続ける。
「あなた達ってアンチコメントに重み感じてますか? 絶対感じてないよね? 感じてたら普通しないもんねー笑笑
アンチコメントや誹謗中傷でメンタル傷ついて……自◯してしまう人もいる。
知らないって言わないよね? ニュースでも何回も流れてるし。そんなのを見てもアンチを繰り返すんだ。本当に人間が知れるね」
【は? そんなんこっちの勝手だろ?】【言いたいこと言って何が悪いんだ】【だいたいお前何様なんだよ】【別にネットでの話じゃん】【自分の感想述べただけなんですけど〜】【表現の自由の侵害で〜すww】
だんだんコメントの流れが吹き返してくる。そんなのお構いなしで突き進む。
「……あのさ、そういうことを言ってんだよ゛ぉ? 言いたいこと言って何が悪いんだ? って悪いに決まってんだろ。人を不快にさせることをしないなんて幼稚園児でも分かるわ。
ネットでの話? ネットもいつも日ごろ生活している俺たちの世界だろ。ネットだからってなんでも許されるわけねぇーだろ?」
【だから何が言いたいんだよw】【説教でなんも伝わってこねー笑】【やっぱ復帰しなくてよかったんじゃね?】【ほんまそれな、きもいきもい】【ちゃんと喋れよ〜】【ガチ草】
「……俺が言いたいのは“自分の言動に責任持て”ってことだ。リアルもネットも関係ない。分けるんじゃね! 両方自分だ!
自分の全てに責任を抱け!
以上! 1日復帰を果たした狡噛レンでした〜!! ちょっとでもみんなの考え変わってくれたら嬉しい!
それじゃ〜乙ガミ〜!!!」
【逃げた逃げたww】【負け犬やww】【オオカミじゃないなw子犬ですわ子犬】
****
「ふぅ………結構ぶっちゃけたな」
かなりヒートアップしていたな。自分でもわかるくらい体が火照りに火照っている。
ピコンピコンピコン……
スマホにはファン達がメッセージとして《👍》がどんどん送られてきていた。
「へへへ……やってやったぜ! グッ!」
俺もどんどん羅列していく《👍》のメッセージ画面に向けて親指を立てた。
ーーーーーーーーーーー
言いたいことぶちまけました。なんかめちゃくちゃかもしれませんが感じとってください。
次回、この復帰配信の反応を書いてこの章は終えようかなと考えてます。
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