第65話 再会

 *向井雄馬*


 最爽の炎上まで遡る。


 「うりゃありゃありゃありゃ〜〜!!!」


 お前の限界はそんなもんじゃないだろ〜!? そんなところで止まる奴じゃないだろ〜!? 行けよ! 突き進め〜!!! ディー◯インパクト!!!!!!(※自転車です)


 俺は姿勢を低くし、空気抵抗を極限まで減らした。ツール◯フランスの体一直線にするやつはまだしたことない。普通に勇気が出ないんだ。


 そしてそのままの速度で校門を突破した。


 「おい! 向井ぃぃぃぃいい!! なんだぞの速度は!!!!!」

 「!? やべ! タイムレコード更新しちまったから、まだ生徒指導の堀河がまだ帰ってない時間に突入しちまった!!!!」


 タイムレコードはめでたい。だが、俺にとっては計画が崩れてしまったということ……俺はそのまま堀河とともに生徒指導室へいくことになった。



 ****


 「またかよ。懲りないな」

 「俺のデ◯ープ……最強が故の苦悩だ……」

 「騎手がこれじゃーな」


 堀河に解放されて、また学校通りのあおりと話している。

 顔出し配信者として活動はしてるが、案外知名度は低く前まで通り学校生活を過ごしている。

 バレたらバレたで面倒だけど、なんかそういうの憧れるよな〜

 昼休みとかに俺目当てで教室に集まってくる違うクラスの人達の間をかき分けて、屋上まで行って『ふぅ〜静かだ』ってやるの!


 「それより見た!? ラピスベリーの最爽の暴露!!」


 多岐はかなりと言っていいVtuberオタクだ。そういう情報もツウィッターでかなりといって仕入れている。


 「いや〜衝撃的だったな! すっかり騙されて狡噛レンの悪口言いまくってたよ!」


 ほんとだよ。炎上起こった1ヶ月は俺相手にいろいろボロクソ言ってたからな。

 俺が狡噛レンって知ってんのか? って思わすほど言われた。


 「まー仕方ないよな。隠蔽されちゃどうしようもないしな」

 「い、隠蔽??」

 「そそ、知らない? ラピスベリー側があのコラボの隠蔽したらしいぜ? それにぐらぶるダクション側も関わってるらしい!」


 え、ラピスベリーも関わってるの!? 俺てっきり最爽が勝手に部長に嘘連絡して、部長が勘違いしたんかと……

 あれラピスベリーも関わっている陰謀だったの!? 


 「後見た!? ぐらぶるダクションの職員逮捕だって!」

 「え、なにそれ。それも初耳なんだが?」

 「おいマジかよ笑 ゲームばっかせんと情報仕入れしろよな!笑」


 あおりは俺の無知さに軽く嘲笑した。

 悪かったな! あの後配信した後、調べようとしたら寝落ちたんだよ!


 「詳しいことはまだ発表されてないけど、ラピスベリーが謝罪ツウィート上げて隠蔽を認めたらしいぞ。ぐらぶるダクションの職員の逮捕理由はまだ公開されてないな。こりゃ情報待ち」


 ラピスベリーの隠蔽、ぐらぶるダクションの職員の逮捕……マジでどうなってんだよ……俺の知らないところで話広がりすぎだろ。

 もやもやした感情を胸にその日の授業に参加した。

 先生の声も入ってこず、勉学に身が入らなかった。(※いつものこと)


 

 ****



 「んじゃ、じゃあ〜な! ちゃんと俺が言ったの見とけよ〜!!」

 「おう! 俺も結構気になってるからな!」


 気になっていると言ったのは今回の事件のことだ。


 俺が今把握していることは。


 ・あのコラボが俺のせいになっている。

 ・部長は佐川マネージャーの連絡を信じて、俺を活動休止にした。

 ・最爽があのコラボの全容を配信で言った。

 ・ラピスベリーがあのコラボの全容を事実隠蔽。

 ・ラピスベリーが謝罪ツウィート。

 ・ぐらぶるダクションの職員が逮捕。


 配信中のリスナーの報告もあって最爽の暴露は知っている。

 けどどんな内容を言ったのかなどの詳しいことは知らない。隠蔽とかもそうだ。


 学校は休み時間でも携帯をいじること禁止だから調べることは出来なかった。こっそり触ってるやつはいるが。(あおりは前までやってたけど、バレた後やってない)

 俺は日常用と配信用とで携帯分けてないから、身バレ対策して学校には持って行ってない。

 顔出しになってもVtuberの時の癖でな。今でも持って行ってない。


 下校中見せて来れば良いのに『ギガがな……』だってさ。あおりのギガ難民め〜〜!!!


 てなわけで詳しく知らないことを家で見るため下校中だ。


 「今日も配信だが、その前にいろいろ知っとかないとな……今日雑談枠だからその話をリスナーがするかもだしな笑」


 家に近づいてきたのでペダリングを緩め、駐輪場へと入る。

 自転車を止め、マンションのエントランスへと向かった。


 するとそのエントランスの前で見覚えのある顔一つ、そして………すごく懐かしい顔も一つ。


 「枚田さんと………小平さん?」

 

 前にあるマンションを見て顔を上に上げていた小平さんが俺を見て涙を見せた。


 「え!? 大丈夫ですか!!」

 「ぐすっ……大丈夫だよ……久しぶり向井くん」



 ーーーーーーーーーーーー


 更新遅れました! ちょっと用事がありまして執筆しておりませんでした!

 

 そしてとうとうこの作品にレビューを書いていただきました!

 【銀じゃけ】さん! 本当にありがとうございます!!

 

 


  

 


 



 

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