代行復讐
第37話 同期コラボ依頼
「いい調子ですね!!!」
「本当に! やっぱ頻度って大切だな! ……たぶん例の事件もあって増えてるのもあるだろうけど、この数字見るとそんなんどうでもいいやって思っちまうよ」
今私たちが見ているのは鮫島ガブのチャンネルのアナリティクスです!
アナリティクスによって、動画の再生具合、チャンネル登録者の推移、動画の再生時間などといった分析をしてくれるすごいやつなのです!!
そして8万人だったチャンネル登録者が15万人となりました!!!
向井くんの件もあってぐらぶるダクションが話題となりそれで増えたのもあるでしょう……現に同期である鷹葦ロミさんもチャンネル登録者数が激増したようです。
しかし! 2倍近く伸び! これは向井くんの事件だけなものではないです! ここまで伸びたのはあくまで秦李さんが頑張りですから。
「やっぱり見てくれる人が増えるとテンション上がる!! この調子でもっと伸ばす!!!」
「本当にすごいです。やっぱりマシュマロを使った配信は良かったかもですね! 圧倒的にこっちの方が再生回数などがずば抜けてます!」
「やっぱり!? 手応え感じたのよ!」
「この結果に基づいて、マシュマロ配信を軸にしていきましょう!!」
「おう! じゃあ帰ったら配信するわ!」
前まで仕事をしながらVtuberをしていた秦李さん。それを配信の頻度増やすために最近辞表を出してきたそうです。
それを聞いて改めて気が引き締まりました。
今日の打ち合わせはこれで幕引きとなった。
事務作業に戻ろうとデスクに戻ろうとしたところで呼び出しを食らいました。
あのクソ狸に。
****
「……鮫島ガブいい調子のようだね」
「はい、これからは人気のあるマシュマロ配信を軸にこれからも精進しようと考えております」
「一時はどうなるかと思ったけど、助かったよぉ〜。優秀な人材を失ってしまったからね〜」
気持ち悪い。白々しいにも程がある。自分で向井くんを切ったくせに。
本当にヘドが出る。けど、今の私は何も知らない。時が来るまで耐えないと。堪えるんだ。
「んでね〜鷹葦ロミちゃんもいい感じらしんだよ。事件の大きさが功を奏して、ぐらぶるダクションがかなり認知されたんだよ〜。いや〜それに関してはいいことをしたのか笑
これが肉を切って骨を断つってやつだ笑」
今すぐにでも殴りたい。あのニヤけた面にローキックぶち込みたい。けどだ我慢です……我慢でずぅ……
「んで、向井くんのためにも他の2人が頑張って有名になろう! せっかくキッカケを作ってくれたんだ。最大限に有効活用しよう……」
ニチャと気持ち悪い顔を見せるクソ狸。
貴様が気軽に向井くんと呼ぶんじゃねぇぇぇえぇぇぇぇえええええええええええ!!!!!
ここまで心の中が荒ぶっているのにニコニコと笑顔を維持する小平さん。流石である。
「コラボをしよう! 鮫島ガブと鷹葦ロミとで! 同期同士のコラボだ! いい案だろ? 私発祥だ」
同じ事務所でコラボなんてよくあることだ。なんでそんな自慢げに言ってくるのだ。気持ち悪い。
こんな無知な人がどうしてVtuberの部署を任されたのか本当に謎である。
しかし、断る理由もない。デビューして一度も同期コラボをしたことがない彼女ら。
秦李さんは『コラボ配信してみてぇ!!』って言っていたし、やりたいことをする秦李さんは最強だ。いい起爆剤となりそうだ。
「わかりましたぁ〜秦李に聞いときます〜」
「そうかぁ頼んだぞ。鷹葦のマネからはOKが出ている。あとはお前らだけだ」
だったらもっと早く言ってこいや。
****
同期コラボ配信の話題が出てすぐに秦李さんにやるか聞いてみた。
案の定答えはYES。二つ返事で返ってきた。
そして今日は鷹葦ロミのマネージャーとの打ち合わせだ。
確か鷹葦ロミの方もマネージャーが変わったらしい。初の面識となる。
私にとって2回目のコラボ打ち合わせですがなんの気負いもない。
初めてが衝撃的すぎたのでね……あれ以上のことはないでしょう。
そう思うと本当に気が楽です。
この部屋でもういらっしゃるそうなので早く入りましょうか。
ガチャ
「鮫島ガブのマネージャーの小平です。本日はよろしくお願いし……ま!?」
決まり文句な最初の挨拶を最後まで言えないぐらい驚いた。
ど、ど、どうしてお前がぁぁぁあ!!
「鷹葦ロミのマネージャーの枚田美瑠です。こちらこそ“また”よろしくお願いしますね?」
彼女との思い出がフラッシュバックした。
なんかの因縁を感じた。
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枚田万歳イェーᐠ( ᐛ )ᐟᐠ( ᐖ )ᐟーイ!!
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