第4話 打ち合わせ(中編)
「は?」
「ですから……最爽エリーが……」
「あー聞いてましたよ。きこえてなかったんじゃなくて意味がわからなくて……」
「? そのまんまの意味ですが?」
……リスナーのみんな! どういうことか解説頼むぅぅぅぅぅう!! 俺と会いたいからコラボにかこつけたのはわかるけど、だったらなんでこの場にいないの!? 会いたいならこの場にいるべきじゃないの!?
「すみません、コラボの経緯はわかったのですが、それがどうして最爽エリーさんがいないことに?」
小平さん完璧すぎ。そうだよ! まさにそれだよ! しっかりしろや! 枚田マネージャー! ……おっと失礼。口に出してないからセーフね?
「はぁ〜……ですから最爽が『初顔合わせって大事でしょ! だからコラボ当日に初めて顔を合わせるの! こう見えて私、レン様にガチ恋してるから!』と言っていたからです。……コレダカラ………ハァ〜」
いや、言ってないよね!? なにその汲み取れよ感!? それに様付けってなんかめっちゃ違和感あるわー。
「そ、そうですかぁぁぁぁぁ」
あかん、小平さんめっちゃ顔引き攣ってる!? いつものあのニコニコの面影がなさすぎです! そりゃこうなるわ! 頑張って小平さん!!
「まあ、そういことです。それでは次に移りますね。日時の方は“明日”でお願いします」
「「明日!?」」
「はい。最爽が『早く会いたい! なんなら打ち合わせてその次の日で良くない!?』と言っておりましたので」
また最爽かよ! 小平さん驚いてばっかだし! いくらなんでもわがまますぎるだろ。それに結構ノリノリで枚田さん演じてるけど最爽の真似なんかな? その人の配信見たことないから知らんけど……気持ちわr〔見苦しいぞ貴様〕
※〔見苦しいぞ貴様〕←見苦しい発言をしようものならこいつが邪魔します。
「明日は困ります! 急すぎますよ!」
「いや、ですから最爽が申しておりましたので……」
「だから、なんでそちらに合わせないといけないんですか! こちらの都合も考えてください! あと最爽! 最爽! うるさいです!!」
あっ、小平さん爆発した。
「そんなの知りませんよ。今回のコラボは明らかにそちらがメリットになるのですよね? 逆にこっちの都合に合わせて欲しいのですが?」
「メリットはこちらにあるかもしれませんが、そちらからのコラボ依頼ですよ? なんでそんな上からでれるんですかね??」
マネージャー同士の熱い口撃戦! 実況・解説は私向井が務めます! ……といきたいところだけど……
流石に俺は小平さん寄りなんで実況・解説は務められませんね。……という冗談はさておき。
どうしましょう? この状況。完全にあちら側が頭おか〔見苦しいぞ貴様〕と思うのですが、そう思うのは俺だけですか〜? それになんか枚田さん本性現してきてません?
あっ、小平さんがなんか言う。
「……そこまでおっしゃるのなら、“最終手段”です! 向井さんは“高校生”です!! 学校に通ってます!!!!!」
「こ、高校生ぃぃぃぃぃぃぃいいい!!!!」
お? 終止符打たれたかな? いや、なにで打ったんだよって話だけど。枚田さんが長机をダン! って両腕をついて驚いていた。
そしてなんか震えながらこちらに目線を向けてくる。
「向井さんは高校生なのですか!?」
「あれ? 知らなかったですか? そうですけど」
ま、配信とかでも言ってないし知らないのは当然か。なんか知らんけど小平さんが勝ち誇ったような顔してる。……可愛い。
「そ、そうなんですね……確かにお若そうな顔立ちしてますもんね……学校生活と配信活動の両立……大変でしょうね……」
枚田さんがなんか下手に出てる。お? やっとまともになったかな? 先程までマネージャーらしからぬ姿を見てるから正常に戻ったと錯覚してしまう。
「いや、そんなことないですよ。配信活動もあるので部活はしてないですし、学校が終わってゆっくりしてから配信始めてるのでー」
包み隠さずいつも通りのことを話すと枚田さんがかけているメガネが光った。……え? 光った? なにごと!?
枚田さんはメガネを抑えながら「ククククク……」と不吉な奇音を発し、小平さんは手を口元にあり「あわわわわ……」と……うん、あわあわしてる。
「なるほど! 配信のために部活もしてなくて学校帰って配信をしているのですね! だったら明日でも行けますよねぇ〜〜」
「あわわわわわゎゎゎゎ」
先程まで勝ち誇って大きくなっていた体がどんどんすくんでいく小平さんとは対極に敗北を味わい震えて小さくなっていた枚田さんが今は魔王のようなオーラをドバドバ出して長机に片足を乗っけて「ふはははは!!」と叫んでいる。
こ、これは小平さんが負けたのか!?
誰だ! 枚田に手を貸した輩は!!←お前だよ
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打ち合わせ長いね。\( ̄∀ ̄) /
すみません、次で終わらせるつもりです。
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