読者の心に響くもの

 読者の心に響く作品を書きたい、と常々思っています。感動して作品のファンになってもらえることは作家冥利に尽きます。


 人の心を動かす、というのは難しい。たんに面白かったというだけでなく、また何度も読みたいとか、感動したとか、心をガシッと掴む必要があります。


 鳥肌が立つほど面白く興奮しながらページを巡っていき、読了したときには感動してしんみり泣いたという読書経験があります。

 あの時の高揚感と感動は今でも覚えています。


 いつかその本の舞台になった場所に行き、主人公が駆けた大地と風を感じながら再び本を読もう、と心に誓いました。

 思えばある意味、人生を変える出会いでもありました。


 一次創作を始めるときに目標にしたいと思ったことのひとつに読者の心に響く作品を書く、があります。

 これがなかなか狙ってできるものではありません。SNSで読者からの熱烈なコメントをもらっている作家さんを見て羨ましいと思うばかり。


 でも、私にも忘れられない出来事があります。

 同人誌で出している旅行記を読んで、自分も行けるのでは、と後押しされて現地の推し武将ゆかりの地へ行きました、と声をかけていただいたことがあります。


 旅行記のテーマは現地の雰囲気を知ってもらうこと、素人でも行ける勇気をもつきっかけになることでした。

 旅行記を読んで行動してもらえた、ということは最高の到達点です。この話を聞いた時は私の方が感激しました。


 創作小説で忘れられないのが『東方伝奇』に登場する中国茶を初めて買って飲んでみました、とコメントをいただいたことです。主人公曹瑛の特技は中国茶を淹れることです。作品から興味を持っていただき中国茶を飲んでみたい、と思ってもらえたこと、心底嬉しかったです。


 心に響くことで作品に良い影響を受けて人生が豊かになる、新しい経験ができる、心の支えになる。

 そんな作品が書けたら、と思っています。



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