昔は良かった幻想

そこそこ歳を取ると、「昔は良かった」とつい思ってしまいます。昔の本や映画や漫画が良かったと、固執してしまう。

これは自分にもとても当てはまります。あの時大好きだった作品を超えるものはない、と思っている作品がいつくかあります。


なぜ昔は良かったのか。

歳を重ねると自分が経験を積みます。また、目にしたコンテンツも増えていきます。そうすると知らない時ほどの感動が少なくなります。

子供の頃、若い頃に目にしたコンテンツはとても貴重なのです。


昔は今のようにサブスクリプションなどで見放題なんて無かったですしね。毎週発売されるジャンプを心待ちにして楽しんだ。そういう時代性、スピード感もあると思います。


昔は良かった幻想は良くもあり、悪くもあります。昔触れたものが素晴らしければ心の支えになるものです。あの素晴らしい作品に出会えて良かったという感動と記憶は宝物です。

しかし、それで新しいものを拒否、拒絶するのは惜しいことです。


創作をするなら新しい観念を取り入れなければ取り残されてしまいます。実は自分もそのきらいがあります。

取捨選択はしながらも新しいものを拒否することなく受け入れていきたいものです。


読書体験でよく語られる話ですが、過去に読んだ本と印象が変わるということ。それが自分の変化なんですね。

久しぶりに昔読んで感動した本をもう一度手にしてみようと思っています。感動が無くなっているかも、と少し怖くもあります。

昔は良かった幻想がどう変化しているか、これからページを捲りたいと思います。


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