倍速な人たち
レンタルビデオショップの店員が作品を紹介するためにあらすじや見どころを紹介するポップを作らないといけない、全部普通に観ていたら時間がないから倍速で観る、という話を聞いたことがあります。
仕事のためにそんな観方をしていては面白くないだろうな、と印象に残りました。
最近、撮り溜めたドラマや映画を倍速で消化する、という話を聞きました。展開が遅かったりつまらないシーンは早送りで進めてしまうんだとか。
話を聞いたその方の子供も同じ観方をしているらしく、創作を志す者としてはなんともやるせない気持ちになりました。
これだけ定額制で無限に面白いコンテンツが提供されていれば、このような楽しみ方をするのもまた時代なんでしょうね。
私は映画が大好きで、好きな作品は何度でも観ます。最近は創作の時間を大切にしているのでなかなかそういう訳にはいかないのですが、時間があれば早回しなどせずに何度も観たい。
しかし、世の中の一般人は時間に追われているし、周りに面白いコンテンツが溢れている。
これを踏まえて、小説ではどうだろう。
内容が分かるタイトル、王道テンプレは分かりやすさを求める心理に合致しています。これもまた時短のひとつなのかと思いました。
これだけ長文タイトル、テンプレが流行っているのは理由があります。それを求めている読者が多いからです。
そんな世の中で創作をするのは荒波に揉まれるようなものだなとしみじみ思います。
早送りされないような、心に残る面白い作品を作る。そんな気持ちで創作をしたい。
もちろん、倍速な人たちばかりが読者ではないですが、世の中の一般人はこんな感覚でコンテンツに触れているということを頭の片隅に置いておくことも必要だと思いました。
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