作品へのオマージュ

 私は自分の創作小説に好きな作品のオマージュを部分的に挿入しています。オマージュは「既存の作品への敬意を表すこと」でパクリとは異なります。

 それが小説の中でうまく効果が出ているかはわかりませんが、あの作品のこのシーンが好きだからモチーフとして使わせてもらったという充足感があります。


 『烏鵲堂事件簿』の宝探しの回で伊織が山の中で野生の鹿を見つけるシーン、これは映画『スタンド・バイ・ミー』のワンシーンのオマージュです。

 山の中で野生の鹿を見つけたときの驚きと感動、それを仲間に話さず心の中にしまっておこうという純粋な気持ちがとても好きで印象に残っていました。

 伊織は大人のおっさんだから少年のような純粋な気持ちを描くことはなかったのですが、野生の鹿に出会うという小さな感動の場面として意識的に挿入しました。


 私も他の作家さんの作品を読むとき、オマージュに気がつくと自分もあの作品好きなんだよー!と嬉しくなります。あくまでオマージュです、逆に単なるパクリだと幻滅するでしょう。

 この辺りがどういう線引きなのかは読者の印象があるかもしれません。私もオマージュを挿入するときはパクリだと指摘されないよう表現に注意を払っています。



 

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