噂のあの人
同人誌即売会に二次創作ジャンルで参加するようになり、絵は突出して上手くないものの、ネタの勢いやコンスタントに同人誌を出していたことからそれなりに固定ファンがついてくれるようになりました。
もちろんジャンルの人気があってのことです。
当時は地元の即売会イベントに3ヶ月に一度くらいの割合で頻繁に参加していました。
そこで、特徴のある一般参加者がいました。恰幅の良い中年女性で、いつも一人でやってきます。スペース挟んで話しかけてくれるのですが、とにかく話題が一方的で滑舌が悪くて話の内容がよくわかりません。
いわゆるイベント会場で目立つくらいの変な人でした。
当時高校生でしたから、そういう人の対処法が分からず怖いなぁという感覚でした。本を買ってくれるありがたいお客さんなのですが、話しかけてくる内容が脈絡なく、何て言ってるかわからないから不気味ですらありました。
ある時、スペース前で彼女がコピー用紙に描いたキャラクターのイラストを見せてくれました。上半身裸体のキャラクターがウインクしているものでした。稚拙な絵で、突然裸のキャラクターを見せられてこちらはお、おう…ってなるわけです。もうなんとコメントして良いやらで、あー、へー、みたいな反応しかできませんでした。
それからも時々彼女は描いた絵(わりとエッチ系…)をスペースに見せにきました。もちろん私だけてはなく、ジャンルのサークルさんに同じようにアピールされていました。
当時は彼女来たねーと物議を醸していたことを覚えています。
今となっては、コミュニケーションの取り方がかなり微妙ではありますがそのジャンルが大好きで仲良くしたかったんだなと思えます。
もう地元イベントに参加しなくなって何年も経ちますが、彼女はまだ来ているのだろうか、とふと思い出します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます