初めての画材

 面白い同人誌を読んで、好きな漫画の面白いパロディを描きたい、カッコいいキャラを自己流で描きたい、という想いを強く抱くようになりました。当時はもちろんアナログが主流。漫画と言えば、つけペンにインク、原稿用紙が必要です。


 小学生の頃、通っていた英語教室の先生から誕生日に欲しいものをあげるよと言われました。私はかねてから欲しかった漫画道具をお願いしました。先生はペン軸に、ペン先、インクのセットをプレゼントしてくれました。思えば、あのときのお金は先生の懐から出ていたのかもしれません。


 子供心に本格的な漫画セットをもらった私は本当に嬉しくて、分からないなりにインクをつけて絵を描いてみました。好きな漫画を真似して一生懸命に絵を描いていたように思います。ここで、漫画家を志し夢が叶いました!という話なら格好良かったのですが、絵を描くことはそれなりに好きでも、残念ながら突き抜けることができませんでしたね。


 つけペンって、インクをつけすぎるとぼちゃっといくんですよ。その加減がなかなか難しい。インクの種類が変わるとぼちゃっといく限界分量が違うので、やらかすことも多かったです。

 インクは先生からもらった当初製図用を使っていましたが、それが無くなってからはずっと墨汁を使っていました。


 小学生の頃に道具を手にして、社会人になりデジタルで本を作るようになっても、線画はアナログの方がやりやすかったのでつけペンを使っていました。これは自分なりのこだわりでした。

 今はすっかりパソコンで物書きです。ペン立てにつけペンが何本かあるのですが、もう何年も使っていません。

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