魅惑のレインボーグラデ便箋

 インターネット無き時代、同人誌を買うためには同人作家さんに直接郵送で購入申し込みをするのが一般的なやり方でした。

 お気に入りの作者さんならぜひ感想もしたためたいところ。そこで便箋が必要になります。


 当時、同人グッズとしては便箋がとても人気で、お小遣いで活動費をやりくりしている子は便箋をたくさん作って即売会で売る、というスタイルも多かったように思います。

 一枚絵が描けたら作れる気軽さもありましたね。


 便箋はベースの紙色やインクの組み合わせが多様で、ハイセンスの便箋を見るとこの色の組み合わせがあったのか!と目から鱗でした。


 そしてレインボーグラデ便箋、これは憧れでしたね。何色かのパターンがあって、やってくれる印刷所が限られていました。

 とても綺麗な絵を描く友人がいて、レインボー便箋を作っていました。それがまたとても美しくて、よく売れていました。


 私も便箋を作りました。便箋は枚数を数えて袋詰めをしないといけなくて、大変でしたが、自分で売り物を作るという楽しさはありました。

 でも残念ながら私の絵柄は便箋の用途ですごく魅力がある絵ではなかった。たくさん売れ残ってしまい、裏紙に使った切ない記憶があります。

 そんなていたらくだったので、レインボーグラデ便箋に夢のまま終わりました。

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