同人誌文化を学ぶ

 当時はインターネットなどまだ普及していません。何かを調べるには本を読むとか人に聞く、という手段しかないわけです。もちろん、同人誌という言葉すら知りません。


 宝物を見つけた古本屋に通い、他にも好きな漫画のパロディ本がないか物色しました。薄い本なので棚にぎっしり詰め込んであり、ジャンル分けもされていません。一冊取り出しては表紙を確認して戻す、を繰り返してお目当てを探します。


 何冊か買ううちに、二次創作同人誌というものが薄々理解できてきました。

 出版元とは関係なく、ファンが作ったもの、自分のお金でこれらの本を印刷して作ること、作った本を売る場があること。


 たまたま手にした最初の同人誌は本当に原作にそっくりで、知らなければ原作者が描いたのか!?と思うほどの完成度でした。しかし、自己流の絵でデフォルメしたり、小説を書いたり、いろんな表現手法があることを知りました。


 そして、避けて通れないのは女性向けだと特に、同性愛描写。

 最初に見たときには、心底驚きました。カッコいい男性キャラクター同志の恋愛描写なんて、考えたこともありませんでした。

 ページを捲るのが恥ずかしい、けど見たい。そうやってドキドキしたのを覚えています。当時でいう「やおい」です。ここはまた別の機会で語ろうと思います。


 仲間内でこっそりディープに楽しむ、という同人誌の世界にすっかりハマってしまいました。 




 

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