第3話 レンタサイクルという手が、あった!

 今度の気動車は、なんと、全席転換クロスシートで、窓側の関の前には小型のテーブルもついています。

 私らのような旅行客には、非常にいい環境であります(苦笑)。

 この列車は前にも述べました通り、福山まで行く列車なのですが、今回は井原市内に用事があるため、井原までの乗車です。


 ところで、井原鉄道の本社と車両基地は、井原駅の手前岡山寄りにある、早雲の里荏原駅に隣接しております。

 ここで、運転手が交代。

 ついでに、行き違い列車の待合わせも。

 そこから数分走って、井原市の中心地である井原に。


 井原市の中央図書館は、井原駅から歩いて30分近くはかかるところにあります。

 前回は、行きは歩き、帰りは途中のバスセンターから駅前までのバスに乗って戻ってきました。今回は、どうしようか、それが、悩みの種でした。


 しかし、その悩みが、何とも言えない形で解消されました!

 解消というよりは、むしろ、「快勝」という気分でしたね。


 列車を降り、構内の踏切を渡って改札を抜け、その後、駅ビル内にある観光案内所に行きまして、バスの時刻を尋ねたところ、わずか10分前に出たとのこと。次のバスはなんと、1時間もあと。

 これでは、話しにならん。

 そう思っていると、案内の女性から、とある提案をされました。


 レンタサイクル!


 世の中には、そういうものもあったことを、すっかり失念しておりました。

 井原市クラスの街の中心駅なら、そのくらい、確かに、あるわな。

 うむうむ。


 値段も、さほどではない。

 普通のいわゆる「ママチャリ」なら300円、電動機付なら、500円。

 まあ、目的地までが平地であることはわかっているので、前者で良かろう。

 ということで、300円のママチャリをお借りして、早速、街へ。


 駅前の大通りを、バスステーションへとまずはまっすぐ進みます。

 それにしても、この日はなぜか、交差点にかかるたびに赤信号に引っかかる。

 かといって、それほど交通量も多くはないから、この際無視して進んでやれとも思わないではないけど、それはさすがに、やめておきました。

 まあ、そう急ぐわけでもないからね。


 自転車をこいで信号待ちなどしても、約10分弱で、井原のバスステーション。

 この横をすりぬけ、昔ながらの商店街に。

 井原鉄道の駅前よりも、このバスステーションの近辺のほうが昔からの街並が残っております。

 その街並、というより「町並」には、昔ながらの商店多数。なぜか、銀行だか信用金庫だか、はたまた農協あたりの撤退したビルも残っております。

 仕舞屋(しもたや)ならぬ、しもたビル(!)。

 この街にはなぜか、「天満屋」という昔からの商店もあります。

 これ、金物店だそうです。

 岡山のあの「天満屋」と関係あるのか否かは、不明。

 それでも、かなりの老舗の店のようです。

 ちなみに、岡山の「天満屋」のアジトなら、ハピーズがこの街にはあるそうで。

 要は、普通のスーパーです。


 その「天満屋」を少し北に行ったあたりに、図書館があります。

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