第8話 エルフの血筋かい?
「お嬢さんそろそろ終点なんだが1つ頼みがあるんだ。もしも君が魔力を持っていたら右の黄色いレバーを握って魔力を流してくれないか?」
空の旅がしばらく続きどれほど遠くへ来たのだろうか。雲も大地も景色がすぐに後ろへ飛んでいき、ずっと遠い場所に来てしまった気がする。帰れるかどうかよりもこの先に見たことの無い景色があるのではと思うと心が躍った。
お喋りに付き合ってくれながら私を運んでくれたヨンゴーナお兄さんに魔力を軽く流す。
「おお、魔力持ちだったのか!それも凄い量の魔力だ、綺麗な金髪だしもしかするとエルフの血を引いているのかなお嬢さんは」
「さーどうだろう?」
「お兄さんは魔力を空気から吸収できるんだけどね。ちょっとそれも今は難しかったみたいでおかげで助かったよ。今の倍くらい貰えるとより助かるんだけどもう少し貰えるかな?」
「いいよー」
黄色いレバー握ったまま魔力を追加でぐんぐん送り込む。っていっても肉体強化の消耗10倍くらいだから…1分送り込んでも肉体強化10分ぶんくらいだけどねこれ。
「ありがとう!本当なら民間人であるお嬢さんにこんな協力をお願いするのは心苦しかったんだけどね。これはお嬢さんの安全性に関わる事だから仕方なかったんだ。どうかお兄さんの上司には秘密にしておくれよ」
声しか聞こえない彼がウインクする姿を幻視した気がする。
私の中ではお茶目で頼れるお兄さんってイメージだ。うん?今安全っていった?
「空の旅はここで終わりだ。目的地はどうやら海の底に沈んでいるみたいだからここからは海中の旅だよ」
そういってお兄さんの本体は頭から海に向かって真っ逆さまに突入した。
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