第6話

 覚悟しろガラスもどき、君に恨みはないけど長きにわたる発掘作業の疲れでなんか見えたスイッチを押したらこれがなにかわかるんじゃ?みたいな期待が出たらもう掘らなくていいかなって思えたら押してみたくなるんだよ見えているスイッチに計器。



 草刈り用の鉈。植物の生い茂る場所で道を切り開くときに使う鉈で、薪を割るような動作で一撃を入れてみる。

 鉈の重さに逆らわず、脳天から重力の赴くままに、そこに肉体強化を加えて雑に強力な一閃。割れろガラスもどき――


 パッキイン


 割れた。鉈が。

 ガラスもどき?傷すら入っていないんじゃないかな。



「いやいや固すぎでしょ?野犬の骨程度なら砕けるくらいの一撃だよ?」



 私の一撃は全く傷つけることすらできなかった。

 ガラスもどきによーく顔を近づけてみてみるけどマジでどこに当たったのか分からないくらい傷が見当たらない。





 が、なんか計器がチカチカと光っていた。



 光は増えていき計器はどんどん動き始め、それに伴いウォンウォンと重低音が聞こえ始めた。


「おっ?」

『――本機の周囲に民間人と行動に支障が出るほどの泥を確認、災害に巻き込まれたものと判断し民間人を回収し本機は母艦へと帰還するものとする。母艦…反応なし、二番艦…反応なし、三番艦…反応無し、四番艦…反応を確認。これより民間人を連れ四番艦へと帰還する』



 え、は、喋った?まってまって喋るとか遺物の中でも相当とんでもないやつなんじゃこれ、っていうか遺物でいいのかな?建物?


 思考がいっぱいいっぱいで固まっていた私の周囲の土が消し飛んだ。


 私は宙に浮いている。




 …は?



 背ビレやガラスもどきは埋まる前の姿を取り戻していた。

 黒く光を反射するボディ、背ビレは横に水平になり、ガラスもどきはパカリと開いた。開くんだそれ。そして――私は吸い込まれ椅子に載せられ。空へと飛んで行った。





 は?






「はああああああああ!?!?!!」

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