バレた魔術
ギルがセビアの家に居候を始めてからすでに100日の月日が流れた。
「結構
ギルがセビアの家に住み着いてから、森の中でギルの痕跡は残らなくなった、そのため森の立ち入り禁止も既に解除され警戒体制は解かれたのだ。
故にそろそろ訓練を再開しても問題はないだろうという考えだった。
「魔術ですか? やりたいです! ……でもなんで急に?」
久方ぶりに聞いた魔術という単語に、セビアのテンションが上がる。というのも、このところは、
「ん? ああ、この間警戒体制解かれただろ? つまりもう森で修行してても問題無いわけだ」
「別に待たなくても家とか空き地でできたんじゃ……」
「家だと狭い、空き地だと人に見られる。実はこの姿だと上手く魔術を使えないんだよ。使えることには使えるんだが制御が面倒でな」
「なるほど、それなら納得です! ……ってなんで警戒体制解かれたの知ってるんですか……?」
普通に話してはいたが、セビアはある違和感に気が付いた。学園に通っているわけでもないギルが警戒体制については知る由もないはずだ。しかし知っていたのだ。
「え? ああそれはリン……いや、なんでもない。気にするな」
思わず口が滑りかけたがギリギリのところで止めることに成功……
「なるほど……
はせずに、セビアにこっそり
「……ああ、そうだ」
「もう僕には使わないって言ったじゃないですか!? 女の子の裸見るのは酷いです!」
「見てない、今回は聴覚だけだ」
「聴覚だけ……ってそこ設定出来るならなんで前回は全部共有してたんですか!? やっぱ裸に興味があったんですか!? えっち! ギルさんのえっち!」
胸の前で両の手をクロスし身体を守る姿勢を取ってから、少しギルと距離を置く。
「術式の構築が面倒なんだよ、あとバレにくいしな。それとロリに興味はない」
「結局バレてますよ? というかロリじゃないです! 訂正してください!」
「……まあ俺なりに気を遣ったんだぞ? 許してくれても良いた思うが……あと訂正はしない」
ダメ元で許しを乞う。ロリに関しては事実なので、訂正する気は毛頭ない。
「もういいですよ……罰として7日間ご飯作って下さい!」
「なんだ、そんなんでいいのか?」
「それから勝手に出て行かないこと! 正直結構寂しかったんですよ?」
正直しばらくは居つくつもりだったギルにとってはなんてことない条件だった。
「そんなのでいいならなんの問題もないが……なあ、もう一回
ダメもとでさらにお願いをした。
「それはダメです、絶対に許しません」
しかし、
「仕方ない……それならセビアが情報を集めてくれるか?」
「情報を?」
「ああ、HRとやらで言われたことを教えてほしいだけだ」
「分かりました」
(……こっそり掛けるか? やっぱ自分で見聞きしたいところだしな)
「勝手に掛けようだとか考えないで下さいね?」
「……ああ、それより魔術やりに行くか?」
「魔術……! はい!」
なんとか話を逸らし森へ連れ出す事に成功した。やはり魔術は便利だとギルは再認識するのであった。
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